サムスンは「Galaxy Fold」、ファーウェイは「HUAWEI Mate X」と、それぞれ折りたたみスマホの新製品を披露しました。折りたたんで4~6インチ、広げて7インチ以上という2つのサイズを実現することができる仕組みは、折り曲げ可能な有機ELディスプレイによって実現しています。
面白いのは、その実装方法。サムスンは大きなディスプレイ面を内側にして折りたたむ谷折り。一方のファーウェイはディスプレイが外側になる山折りです。
山折りの場合、普段使っているディスプレイを開いて拡張するスタイルで、背面も画面が露出している状態。単なるガラスの背面ですら割っているスマホの日常利用を考えると、若干不安なスタイルです(純正のカバーも用意されています)。
しかしGalaxy Foldのような谷折りの場合、閉じてしまうとディスプレイが隠れてしまいます。そこでGalaxy Foldには外側にもう1つのディスプレイが用意され、閉じているときは4.6インチの表示になります。残念ながらいわゆるフルディスプレイと呼ばれるようなモダンなものではなく、あくまでサブディスプレイの位置づけです。
ケータイのソフトウェア進化の時代
筆者はケータイからスマートフォンへ移行する2010年頃の様子を見てきましたが、モバイルデバイスの「ハードウェア進化」から「ソフトウェア進化」への移行を、体の形や機能で進化した「昆虫」と脳で進化する「人間」に例えています。
ケータイは登場した当初は、肩からかける大きな電話帳サイズのデバイスでしたが、これがポケットに入るようになるまでコンパクトになり、小さな受話器を持ち運ぶ感覚になりました。
ディスプレイがついて電話帳が使えるようになったり、テキストメッセージのやりとりができるようになったり、iモードで情報サービスが得られるようになりました。さらにディスプレイがカラー化し、カメラが付き、ワンセグに対応し、外見はどんどん変わります。
大きなディスプレイを備えるため、折りたたみ型端末が主流になり、さらにシャープのAQUOSケータイはディスプレイ部分の向きを変えてワンセグをより大きな画面で楽しめるようにしました。目からうろことはこのことです。
そして2010年代に入って、スマートフォンの形はディスプレイとボタンとインカメラの前面、カメラだけがある背面、という形に固定され、その後はその前面からボタンがなくなったり、カメラが増えたり、サイズが大きくなっていったりする程度でした。その一方でスマートフォンができることはアプリでどんどん増えています。
現在は完全にソフトウェアによる進化の時代であり、新しいことができるようにするために、センサーやプロセッサの強化、アルゴリズムやそれを処理するためのチップの搭載などがももちろんありますが、それは外からはあまり見えないところで行なわれています。
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