Open Network Lab BioHealth 1st Batch Demo Dayレポート
糖尿病、認知症、吃音症など、難病の治療に次世代医療技術で挑む
ナノテクノロジーを応用した複合がん免疫療法で難治性がんの克服に挑む
2社目は、大学発のがん免疫療法の創薬ベンチャー、ユナイテッド・イミュニティ株式会社。
新しいがんの治療法として免疫療法が期待されている。免疫細胞である「T細胞」は、本来がん細胞を見つけて殺すことができるが、免疫チェックポイントというブレーキが働くと、免疫細胞が攻撃することができない。そこで、この免疫チェックポイントを阻害薬で解除することで、T細胞が本来の攻撃力を取り戻し、がんを殺すことができる。
このチェックポイント阻害薬は、一部のがんで目覚ましい効果を上げている一方、多くのがんは、この阻害薬に抵抗性があることが判明している。抵抗性のあるがんは「Cold Tumor」と呼ばれ、T細胞が含まれていない。
同社の開発する「T-ignite」は、がん免疫療法抵抗性の「Cold Tumor」を、T細胞を多く含む抵抗性のない「Hot Tumor」に変換する技術だ。マウス実験では、T-igniteを投与し、T細胞療法を実施すると、ほぼ治癒に近い治療効果が得られたという。
T-ingiteは無害な天然多糖を素材とし、安全性が高く、低コストに製造可能。実用化に必要な用途特許を出願済み、物質特許も出願予定で、2年以内の臨床入り、9年以内の市販化を目指している。
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