週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

緩まぬ米国のファーウェイ攻撃 仏/独/蘭も排除検討か

2019年01月23日 08時00分更新

 米中貿易戦争の要となった感があるファーウェイ。米国、オーストラリアなどが排除の動きをとっており、5Gの準備を進める中で、世界各国の政府はファーウェイのインフラ機器をどう扱うべきかの決断を迫られている。

 そのような状況もあり、創業者兼CEOであるRen Zhengfei(任正非)氏がとうとうメディアの前に姿を現し、疑惑を全面否定した。Ren氏の言葉を各国はどう受け止めるのだろうか?

メディアへの登場機会がほとんど無いことで知られるファーウェイ創業者の任正非氏。写真は同社サイトより

まったく攻撃の手を緩めぬ米国

 Ren氏の娘であり、ファーウェイではCFOを務めるWanzhou Meng(孟晩舟)氏がカナダで拘束されたことが明らかになって1ヵ月。Meng氏は保釈が認められたものの、カナダを出ることは許されておらず、米国が要求しているという身柄引き渡しが行なわれるかに注目が集まっている。

 1月初めのCESで、ファーウェイは目立った発表をすることはなかった(会場が米国ということを考慮すると当然だろう)。今となっては、2018年のCESで端末トップのRichard Yu氏が基調講演のステージに立ったことは随分昔のように思える。このときのYu氏は、AT&Tとの提携とともに米国市場で端末事業の展開を本格化すべく乗り込んだのに、直前のドタキャンを受けて苦汁をなめた。

 その後もファーウェイをめぐる動向が続いて報じられている。ポーランドでは、同社社員が通信キャリアであるOrangeの社員とともにスパイ容疑で逮捕された。

 北米でのファーウェイ関連の動きとしてはすでに和解していた問題に対し、捜査が進んでいるという話をWall Street Journalが報じている(https://www.wsj.com/articles/federal-prosecutors-pursuing-criminal-case-against-huawei-for-alleged-theft-of-trade-secrets-11547670341)。ワシントン州にあるT-Mobileのラボで実験中のロボット技術の情報を、当時T-Mobileと提携関係にあるファーウェイが不正取得しようとしたというもの。

 T-Mobileがシアトルの地区裁判所に提訴したのは2014年。問題の技術は”Tappy”と言われ、人間の指によるタッチをシミュレーションする端末テストロボットで、ラボを訪問したファーウェイ社員が無断で撮影したということのようだ。ファーウェイの弁護士はTappyは企業秘密ではなく、特許出願情報でプロモーションビデオも公開されていると主張していた(https://www.youtube.com/watch?v=mv69ZxKOFSw)。

 この事件は2017年に和解で終わったはずだが、今回米国政府は刑事事件として捜査を進める準備をしているという。

 ファーウェイは米国でFutureweiというR&D専門企業を抱えるが、2018年秋にFutureweiに対してもベンチャーのCNEXが特許訴訟を起こしている。今年に入り、このFutureweiに対し米商務省は輸出ライセンスの更新をしない方針であることをWall Street Jounalが報じている(https://www.wsj.com/articles/u-s-blocks-some-exports-from-huaweis-silicon-valley-unit-11547119803)。そうなると、Futureweiは米国で開発した一部技術を中国に輸出できないことになる。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事