なぜ初音ミクを採用したのか?
続く疑問は何故に初音ミクなのか? というところだ。これについては、ドワンゴの鹿島さんが教えてくれた。「声優さんをはじめ、色々なキャラクターを検討しました。その中で全世代が認知し、かつ好感を抱いていること。存在が未来的であること。そして実際にサンプルなどを作っていくうちに、初音ミクが、この企画やS660にマッチしているのではないか、という結論に達しました」。
これにはホンダの橋本さんも「初音ミクは他社さんも含めて、比較的幅広く活躍しているキャラクターです。また多くの企業コラボの場合、ビジュアル面での活用が多いですが、私達が求めたのは声そのものです。 ここに大きな違いがありましたので、他の自動車メーカーが使っていても差別化ができると考えました」という。
こうしてでき上がった初音ミクアプリ。プロモーション用として「ToLOVEる-とらぶる-」などの作品で知られる矢吹健太朗氏にイラストを依頼することになった。さて、ドワンゴはカドカワグループの企業。なぜKADOKAWAではなく集英社で活躍する作家に依頼したのかというところが気になる点だ。
「有名作家の中で、いまだ初音ミクのイラストを描いていないのは誰か、という時に矢吹先生の名前が挙がりました。プロモーションにおいて矢吹先生のイラストなら絶対にバズります、と豪語する人間がいまして(笑)」とドワンゴ鹿島氏。ホンダ橋本さんも「やりたいことをずっと議論してきて実現してきたプロダクトを認知拡大する上で、矢吹先生がもっとも効果があると判断しました」とのこと。
このプロモーションの効果は大成功。3回行なわれたニコニコ生放送の中でイラストが公開されるや、SNSやネットニュースに拡大。さらにこのイラストを使ったラッピングカーが制作され、東京オートサロン2019の会場で展示。その車両はホンダカーズ東京中央のデモカーとして使われることが決定しており、予約をすれば誰でもosoba体験をしながらの試乗が可能だという。
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