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コンビニ、流通、一次産業で進む変革

センサー1兆個の暮らしがやって来る 求められる技術と課題は

2019年01月24日 09時00分更新

コンビニ、流通、一次産業で進む変革

 身近な話題では日本でも、海外同様に無人のコンビニが出てきています。これまで、人間がレジの作業など接客をしていましたが、こういった店舗ではイメージセンサーとコンピューターが、人間の代わりとなっています。天井や陳列棚に設置された複数のカメラが、人間や物の動きを把握し、誰がどの商品を手に取ったのかリアルタイムに把握できるようになっているのです。ここで使われるイメージセンサーは、通常の画像を取得するものだけではなく、距離を測定するイメージセンサーも使われているでしょう。

 すでに100個以上のイメージセンサーが使われているような店舗も存在してきています。レジの作業のために店員を雇うよりも、イメージセンサーに頼った方がより効率的になってくるのは間違いありません。すべてのコンビニがこのシステムに変われば、イメージセンサーの役割は増大し、使われる個数も飛躍的に伸びていくことになるでしょう。

 もう1つ身近な例を挙げます。最近、人手不足による宅配便の遅延が問題になっています。これら荷物を配達することも、今後、車輪のついた宅配ロボットや、ドローンに置き換えられていくという想定があります。

 実際に、特定のビルの中やエリアでは、実証実験や実運用が始まっています。倉庫から、自宅まですべてが宅配ロボットに置き換わる前に、途中まで人間がトラックなどで輸送し、各家庭に配送する段階から部分的に使われ、導入が進むと考えられます。この場合、移動速度がそれほど必要なく、周囲にいる人にとっても安全なため、導入のハードルは大きく下がります。(関連記事:映画祭や路上ライブに加えてロボット自動搬送実験を商店街で実施!

 こういったロボットやドローンが、周りの状況を認識して、安全かつ確実に荷物を配送できることに、イメージセンサーがになう役割は非常に大きいです。前回記事では、車に搭載されるイメージセンサーの話をしましたが、距離を測定する技術や、画像を認識する技術、LEDフリッカーレスの技術などは、自動化の文脈で共通するものです。1台のロボットあたり複数のイメージセンサーが使われることは変わらないため、街にこういったロボットがでてくれば、多くのイメージセンサーが必要となります。

ドミノ・ピザが2016年に実施した、商業用自動運転デリバリーロボットの試験運用風景

 最後の例として、農業や漁業に関して述べたいと思います。

 第一次産業と呼ばれる領域ですが、これまでトラクターなど農業機械はありましたが、判断は人間の知識や経験が占める部分が大きく、重要な部分は人が行なっていました。これは、農業や漁業で相手をする自然と、コンピューターとの相性が悪かったためです。野菜の葉の色や大きさは、まったく同じになることはありません。また、養殖の魚も、大きさや色はすべて微妙に異なり、病気かどうかや、生育の状況をコンピューターが判断するのは非常に困難でした。

 しかし、近年のイメージセンサーとAIや機械学習の進化により、コンピューターは、色や形が一意に決まらない曖昧な状況下でも、判断を下せるようになってきました。多くの同じ種類の植物の中であっても、どの作物が病気になっているのか、どの作物の栄養価が高く収穫どきなのかを判断できますし、自動運転の農業機械によって収穫も可能になります。また、そのまま箱詰めし、トラックまで運ぶ事ができれば、人間の手を介さない収穫から輸送までのプロセスが実現します。

 魚の養殖にしても同じで、毎日見回って餌をやる役割、出荷のタイミングになった魚を捕まえる役割は、イメージセンサーとコンピューターによって置き換わることは容易に想像がつきます。(関連記事:天然物に負けないAI・IoT活用サクラマス陸上養殖実験

サクラマス陸上養殖の実験風景

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