故障を想定した分解しやすさ
タブレットは一般的なパソコンより薄型で軽量であるぶん、修理については配慮が必要だ。多くのキーボード着脱式の2in1パソコンでは、本体部分(タブレット部)を少しでも軽く、薄くするためにネジを極力使わず、密封した状態にしている。ここがタブレットを運用する上での課題になりうる。簡単に言うと分解が難しいのだ。
通常のパソコンならオンサイト修理(オフィスなど、使用現場に赴いての修理)が利用できる。これは、内蔵ストレージの機密情報を外に持ち出さずに済むと同時に、迅速な修理によって極力業務を止めずにトラブルを解決できるため、企業導入では有利だ。
しかし、上述した理由から、タブレットのオンサイト修理は難しい。そこでセンドバックによる修理(修理工場に送っての修理)や、本体そのものの交換となる場合が多い。となれば、パソコンが手元に戻るまで1週間以上かかってしまうことが多い。当然、機密情報が入ったストレージを取り出すこともできないし、その間、業務が止まってしまっては大きな機会損失となるだろう。
しかしVAIOは、タブレット本体の「オンサイト修理対応」にこだわった。現場で分解できる構造にこだわった。キーボードユニットとドッキングする下側面に、ネジを6本設け、内部にアクセスできるようにした。これを外せば、あとはツメのみで外れる仕組みだ。
しかしこういったツメは、本体を開く際に折れやすい。そこで次のこだわりとして、取り外し式のツメにした。開閉作業時に不要な力がかかった際には、あえてツメのほうが壊れるようにして、カバーの別の部分を守る構造にしているのだ。仮にツメが折れてしまっても、保守部品としてかさばらず持ち運べるので、交換も容易だ。
こうした配慮がVAIO Pro PAのオンサイト修理を可能にした。こうした配慮は、IT管理担当者が安心して機器を導入できる要素となるはずだ。
モバイルだからこそセキュリティーの妥協はない
セキュリティー面でもぬかりがない。導入時には、ほかのラインアップ同様、暗号化機能付きのSSDを選択可能。専用ハードウェアを内蔵するため、暗号化を有効にしてもパフォーマンスが落ちることはほとんどない。近い機能として、Windows 10 Proには「BitLocker機能」が搭載されているが、ソフトウェア処理による暗号化のため、パフォーマンスが落ちる可能性がある。暗号化機能付きSSDの選択にはメリットがあるのだ。
加えて、IT管理担当者としては製品出荷時から常に暗号化が有効になるというメリットがある。初期設定時に暗号化処理の待ち時間が不要となるため、大量導入時の時間的ロスを防げるというわけだ。
加えて、VAIOはBIOSレベルでストレージを消去する「Phoenix SecureWipe」機能を備えている。約2秒でSSDの中身を完全消去するので、別のユーザーに引き継ぐときや処分する際も機密情報が漏れることを防げる。
この機能を使ってリモートワイプ(遠隔地からのデータ消去)を実現しているのが、ワンビ株式会社の「TRUST DELETE Biz for VAIO PC」だ。パソコンを紛失した場合でも、紛失した場所の特定や、リモートワイプが可能となるソフトウェアサービスで、セキュリティーの確保に貢献する。こうしたソリューションを提供しているのもVAIOの強みである。
ハード面では、物理的な盗難を防ぐために、セキュリティーロック・スロットを備える。タブレット部だけを盗まれるのを防ぐため、「セキュリティーロックスロットアダプター」も同梱。この金具を使えば、脱着用のレバー操作ができなくなり、キーボード部とタブレット部を同時にロックできる。
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