審査委員が総合的にアイデアをジャッジ
優勝は「DyDogs」に
未来の自販機のアイデアとして「コンシェルジュDyDo」と「DyDogs」が出揃った。どちらも魅力的に感じるが、課題の解決に結びついているか、実現の可能性があるかなどをふまえて、いずれかが勝者に選ばれる。
ダイドードリンコの小高さんと、アスキー編集部のスタートアップ分野を担当する記者ガチ鈴木が協議してジャッジ。結果、優勝は「DyDogs」に!
ダイドードリンコの小高さんによると「屋外の自販機の売上が落ちてきており、そのような状況のなか、DyDogsのアイデアは面白く、顧客規模も大きいし、現状リーチできていない層へのアプローチもできそうです。新たな顧客が自販機に来てくれる可能性を秘めていて、利益的にも、いままで取引がなかったドックフード会社から広告収入という新しい仕組みにも興味を感じました」という。
「DyDogs」のほうが新しい顧客を獲得できる見込みがあるのが、選んだ理由だそう。一方「コンシェルジュDyDo」に関しては、パーソナライズという点で、ダイドードリンコとしても既に同じような方向での検討に入っている段階だそう。なので、斬新さとしてはDyDogsよりは弱かった。ただ、「エリア情報をここまで詳細に活用するセンスというのは、社内だけのアイデアではなかなか出てこないので、今回の機会は大変参考になりました」と小高さん。
アイデアソンを終えて…
こうして、3時間という短い時間だったが、ダイドードリンコとベンチャー企業がコラボしたアイデアソンが終了した。
ベンチャー企業の参加者の感想は「普段考えたこともない自販機について、いつもとは違う頭を使ったのですごく刺激になった」や「自分の会社のサービスでないためか遠慮なく発言で来て楽しかったですね(笑)」、「他社のエンジニアとやるというのはすごい新鮮でした」など。普段の仕事とはまったく違った脳を使うところが新鮮であり刺激的だったようだ。
今回、参加したベンチャー企業にとって飲料メーカーとの異色のコラボだったが、ダイドードリンコの自販機ビジネスへの強いこだわりや、IoTやアプリを活用していることをあらためて知り、ダイドードリンコに対しても発見が多かった模様。
一方、主催者側の感想はどうか。Aチームに参加したダイドードリンコの中田さんは「自販機にふだんから関わりすぎているので、少し考えが偏っていた部分があったかもしれません。飲料の価格帯やホットやコールドなど、お客様が自販機に本質的に求めているところを再認識できました。キーワード出しでは、トレンドやテクノロジーの興味深いワードがいろいろと出てきていたので、自分なりに昇華させて今後に活かしていきたいです」とコメント。
Bチームに参加したダイドードリンコの西さんは「ペットの犬に着眼して飼い主の視点での自販機ビジネスを考えることはなかったです。私たちはどうしても、飲料を買っている人にどう満足してもらえるかを中心に考えることが多いため、今回参加いただいた企業の強い部分を引き出してもらって提案してくれたのはとてもいい機会でした。もちろん、これからどうビジネス化していくかという課題はありますが、発想の起点となるアイデアとして面白いと思いました」と語った。
ダイドードリンコは、今回の経験を活かし、より柔軟な考えで自販機ビジネスを展開していくことだろう。これからのビジネスは、より広い視点から自社のビジネス見て、イノベーションを起こさないと生き残れないかもしれない。そのために、日頃は接点が少ない企業と関わり、発想を出しあう機会を設けることが必要不可欠だ。
(提供:ダイドードリンコ)
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