ひとつの場所で応援するのではなく
いろいろな場所に自由に設置して応援できる
――応援するのはクリエイター個人ではなく、アニメスタジオという単位でしょうか?
坂入氏:アニメスタジオ応援は最初のモデルケースとして、協会が主導して企画しています。今後クリエイターが自由に自分を応援してほしいとか、オタクコインを寄付してほしいといったことができるお賽銭箱のような機能を考えています。ブログやSNSのプロフィールに貼っておくと、ファンがそこから直接応援できるというようなものです。誰でも設置できるし、誰でも応援できる。そういう形で分散化されたプラットフォーム構想に、どんどん移行していきたいなと思っています。
ブロックチェーンは元々そういう思想ですし、ひとつの場所で応援するのではなく、いろいろな場所に自由に設置して応援できる。そういう構想を目指しています。そこがクラウドファンディングとは大きく違うところです。
――クラウドファンディングは準備が必要だったり労力がかかると聞きます。
坂入氏:仕組みとしてはすごくいいなと思うのですが、クリエイターがお金を集めようとするとかなり労力がかかります。「リワード」と呼ばれるお礼を用意する必要がありますし、お礼を用意しないと支援してもらえないという構造になってます。それを用意する労力、ウェブページを作ったり、支援者への継続的なケア、さらにコミュニケーションも求められるので、正直なところ気軽に行なえるものではないと思います。
そこを気軽に応援できたり寄付できたりできないかな、というのがオタクコイン構想のきっかけでもありました。クリエイターがお賽銭箱のようなものを持っていて、気が向いたときに応援したい人が好きなだけ応援したり、寄付したり、メッセージが送れる。それが「トークンエコノミー」と言われるコミュニティ経済の中で循環する世界が作れれば、それまでになかった流れが生まれると思っています。
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