OPPO「R17 Pro」国内初のSnapdragon 710搭載機の実力
2018年12月21日 12時00分更新
Snapdragon 710搭載のSIMフリースマホ
OPPO 「R17 Pro」の実力をチェック
OPPOが12月21日に発売するAndroid 8.1搭載SIMフリースマホ「R17 Pro」は、夜景にも強い高画質デュアルカメラに加えて、日本では初となるミドルハイのSnapdragon 710プロセッサーや、独自の超急速充電と呼べる機能に対応した高機能モデルだ。価格は税別6万9880円。販売は量販店のほか、IIJmioや楽天モバイルでも取り扱う。
では、実機をもとに気になるカメラ画質やSnapdragon 710の性能、驚愕の急速充電機能を中心に見ていこう。
指紋認証センサー内蔵の
6.4型有機ELディスプレーを搭載
R17 Proは、UQ mobileが販売する「R17 Neo」のカメラやプロセッサーを強化した、SIMフリー版の上位モデルという位置付けだ。一方で、前モデル「R15 Pro」に搭載されていたおサイフケータイや防水には対応していない。OPPOは2018年に複数の「Rシリーズ」を出しているので、購入時に型番を間違えないよう気を付けたい。
ディスプレーは6.4型の有機EL(AMOLED)で、解像度はフルHD+(1080×2340ピクセル)となる。水滴型の小さいノッチを除けば、前面ほぼすべてがディスプレーだ。有機ELは動画や写真などの彩度の高い色も鮮やかに表現でき、屋外でもある程度視認できる程度の明るさも確保している。
また、指紋認証を設定すると、ディスプレーの中央下部に内蔵されたセンサーに指を触れるだけでロック解除できる。少し前に発売されたR17 Neoの初期と比べると認識速度や精度が向上した印象があり、指を少し触れると瞬時にロック解除できるようになっていた。
縦に青と紫の2色のグラデーション
ガラス素材の背面は指紋が目立ちにくい
背面は最近のスマホで流行の兆しがある、しっとりとした手触りの表面加工を施したガラスパネルを採用。今回テストしたカラバリ「ミストグラデーション」は一見すると紫だが、光の当り方によって背面右側が青みのかかった色へと変化する。
本体の横幅は74.6mm、厚さ7.9mmと大画面スマホの中ではスリム。重量は183gと平均的だ。充電端子はUSB Type-Cで、スピーカーはモノラルとなる。イヤフォン端子は用意されていないが、USB Type-C接続のイヤフォンが付属する。
カメラ性能が大幅に向上
ハイエンドに迫る高画質を実現
メインのデュアルカメラは1200万画素+2000万画素の構成で、F1.5とF2.4を自動的に切り替える可変絞りや、光学式手ぶれ補正も搭載。また、AIによるシーン認識や、夜景を約4秒間の手持ち撮影で綺麗に撮れる夜景モードを搭載する。インカメラは2500万画素で、“A.I.ビューティー補正”に対応する。
背面カメラ部のいちばん上にある3つ目のカメラらしきものは、空間の奥行きなどを検知するToF 3D深度センサーだ。スマホでは以前、レノボの「Phab 2 Pro」が搭載し、Google TangoによるARアプリを動かせたが、現時点でR17 Proがどのように活用するかの明確な発表はない。今後の有効活用に期待したい。
画質は露出やホワイトバランスのズレも少ないうえに、明暗差の広いシーンにも強い。極端な色の補正がかからないのも好印象だ。これまでOPPOスマホのカメラと比べて、格段の進化を遂げているのは間違いない。
新プロセッサー「Snapdragon 710」の実力
R17 Proは国内スマホでは初となる、クアルコム製Snapdragon 710プロセッサー搭載モデルだ。メインメモリーは6GB搭載。710という型番のとおり、最新ハイエンドのSnapdragon 845とミドルクラスSnapdragon 660の中間となる、ハイミドルクラスのプロセッサーとなる。早速ベンチマークを見てみよう。
ベンチマーク結果を見ると、AnTuTu 7で28万点台前後のSnapdargon 845搭載モデルとはかなり差があり、従来の13万点前後のハイミドルSnapdragon 660をやや高速化したプロセッサーという印象だ。以前のハイエンドと比べると、2~3年前のSnapdragon 820程度といったところだ。
ただ、実際に実機を操作してみると、製造プロセスが最新の10nmということもあってか高負荷な処理や3Dグラフィックのゲーム中もあまり熱を持たなかった。性能面では、Snapdragon 845や835あたりを対象にした3Dグラフィックゲームの最高画質設定だとコマ落ちが見られたが、少し画質設定を下げると低発熱でゲームを快適に楽しめた。一般的なアプリやゲームを楽しむぶんにはベストなプロセッサーなのは間違いない。ただし、とにかくハイエンドクラスの性能を求めるユーザーにとって、やや物足りない性能なのも確かだ。
32分でスマホをフル充電!
専用の急速充電器が付属
R17 Proを購入したらぜひ活用したいのが、付属する独自の急速充電器を使った「SuperVOOCフラッシュチャージ」だ。バッテリー残量0%から10分で40%、なんと38分でフル充電できてしまった。仕組みとしては、出力最大50W(10V/5A)専用充電器で、内蔵の1850mAh×2(合計3700mAh)バッテリーを同時に充電することで実現している。これなら、少々充電を忘れても、専用充電器があればすぐにフル充電できるので安心だ。
このほかの性能だが、nanoSIMカードスロットは2つでDSDVに対応。ストレージは128GBで、microSDカードの増設には対応していない。FeliCaのおサイフケータイには非対応だが、NFCは搭載している。
ミドルクラスでは最高の出来
ただし、ライバル端末も多い
OPPO R17 Proの魅力は、ミドルクラスながらも有機ELや画面内蔵の指紋認証センサー、高画質カメラや最新プロセッサーのSnapdragon 710、急速充電など話題の機能やデバイスをしっかり搭載してきた点だ。それぞれの品質も高く、R17 Proを含め今後のOPPO製品の更なる飛躍を期待させるモデルに仕上がっている。
ただし、気になるのは価格だ。実売7万円前後だと、安くなった他社のSnapdargon 845搭載ハイエンドモデルや、Apple StoreのSIMフリー版「iPhone 8 Plus」「iPhone 7 Plus」も視野に入る。もちろん、R17 Proにも最新デバイス搭載などの魅力はあるが、高画質ゲームを最高画質でより快適に動かせるかなり高性能なモデルを同価格帯で買えるとなると、そちらに目移りする可能性も否定できない。
R17 Pro自体は、まだ活用できていないToF 3D深度センサーの機能追加などまだ伸びしろのあるモデルだ。また、実際の市場価格によってはお得な製品として注目される可能性をもっている。今後のアップデートや展開に期待したいスマートフォンだ。
| 「R17 Pro」の主なスペック | |
|---|---|
| メーカー | OPPO |
| ディスプレー | 6.4型有機EL(19.5:9) |
| 画面解像度 | 1080×2340 |
| サイズ | 約74.6×157.6×7.9mm |
| 重量 | 約183g |
| CPU | Snapdragon 710(オクタコア) |
| 内蔵メモリー | 6GB |
| 内蔵ストレージ | 128GB |
| 外部ストレージ | × |
| OS | Android 8.1(ColorOS 5.2) |
| 対応バンド | LTE:1/2/3/4/5/7/8/12/17 /18/19/20/25/26/28/32/34/38/39/40/41 W-CDMA:1/2/4/5/6/8/19 4バンドGSM |
| DSDS | ○(DSDV) |
| VoLTE | ○ |
| カメラ画素数 | リア:1200万画素+2000万画素 /イン:2500万画素 |
| バッテリー容量 | 約3700mAh相当 (1850mAh×2) |
| FeliCa | × |
| 防水/防塵 | ×/× |
| 生体認証 | ○(指紋、顔) |
| USB端子 | Type-C |
| カラバリ | ミストグラデーション、エメラルドグリーン |
| 発売時期 | 12月21日 |
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