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「CEOが語る知財」:FiNC Technologies 代表取締役CEO溝口勇児氏インタビュー

ヘルスケア領域で50超の特許を取得 FiNCの知財戦略とは

新しい技術で社会が変わる未来を予測し、創業当初から知財を意識

 グローバルで活躍している企業は知財戦略が活発だ。一方で、日本は他国に比べて、ひとつの業界内で競合する企業の数が非常に多い。そのため、国内競合にばかりで目が向きがちで、世界展開が進まない一因にもなっている。足元の競合から抜き出た存在になるためには、他社には真似できない強みをもつことが必要、と考えたのが、FiNCが知財への投資を始めたきっかけだった。

FiNC Technologies

 「起業前の10年間、トレーナーとして悩みを抱えるお客様への指導や、フィットネスクラブの経営に携わっていたなかで見えてきた課題があった。自動車、通信、金融、いずれの産業でも、新しいテクノロジーの登場が常に社会を大きく動かしている。ヘルスケアやフィットネスの領域においても、テクノロジーによって課題が解決されるのだろうと考え、テクノロジーの専門家である代表取締役 CTO(同社の南野 充則氏)とともに、来るべき未来を想像して、特許取得に取り組んできた」と溝口氏。

溝口氏はCTOの南野氏も交えて、宗像直子特許庁長官と知財についての意見交換を行なっている

 商品、サービス、あらゆるものがコモディティ化している現代では、いかに優れた顧客体験を提供できるかが重要だ。FiNCの有料課金サービス「FiNCプレミアム」の場合は、サービスに含まれる11項目測定可能な体組成計を無料でレンタル、各分野の専門家からのアドバイス、全国3000店舗を超える提携トレーニングジム等の優待利用、といった付加価値を提供している。

FiNCプレミアム

 なかでも同社が最も大事にしているのが“パーソナライズ”だ。個人個人の体形、性格、ライフスタイル、目的などに合わせた最適なサポートが受けられなければ、運動を継続し、規則正しい生活を習慣化するのは難しい。しかし、増え続けるユーザーに対して、十分なサービスを提供できるプロフェッショナル人材を増やすには限界がある。

 そこでFiNCでは、botやAIが人間に代わって最適なアドバイスを提供する時代が来ると予想し、2014年から特許戦略を練り、2015年の時点で多数の特許を出願。来たるべき時代に備える準備を行なっていた。

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