退社したジョン・ラセターさんが残してくれたもの
── 前作『シュガー・ラッシュ』も含めて、ディズニーとピクサーの作品の製作総指揮などを務めるジョン・ラセターさんが休業および退社されました。見逃してしまったのですが、今作では彼のクレジットはありましたか?
フィル・ジョンストン:クレジットは入っているし、制作の前半はジョン・ラセターさんも関わっていますよ。ジョン・ラセターさんと(ピクサーの共同設立者である)エドウィン・キャットマルさんの功績は、素晴らしい監督やプロデューサー、脚本家のグループを作り上げたことだと思います。このグループがあるからこそ、僕らは何かが落ちてもキャッチしてくれるセーフティーネットがあるんだと感じて創作ができます。彼らが僕らの背中を押し、挑戦を突きつけてくれます。だからこそ、作品がいいものになっていくんです。
── その感覚は、終始変わらなかったですか?
フィル・ジョンストン:映画の後半でジョン・ラセターさんがいなくなっても、セーフティーネットがなくなったと感じたことは1度もありません。そもそも、この作品はいろんなところからフィードバックをもらっているけれど、この作品に対する選択は究極的には『シュガー・ラッシュ:オンライン』のクリエーター、監督、ストーリーテラーの僕らが行なっているので。
── リッチ・ムーアさんはどうですか?
リッチ・ムーア:この作品や『インクレディブル・ファミリー』は、ジョン・ラセターさんとエドウィン・キャットマルさんが機能するシステムを作り上げてくれた証だと思います。彼らが作り上げた素晴らしいシステムは、これから先も残っていくと思います。日々彼らとやり取りがなくなってもね。
(次ページでは「物の見方が違っても、求めるものが違っても……」)
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