ヴァネロペの1番大切なポイントは
── 近年のディズニーは『アナと雪の女王』や『ズートピア』などで、現代的な女性像を描いています。今作のヴァネロペを描くにあたって、何か意識したことはありますか?
リッチ・ムーア:フィルがよく指摘するんですが、前作『シュガー・ラッシュ』では、僕らはヴァネロペを100%知ることができていなかったと思います。前作では劇中に登場するのも、ラルフよりもヴァネロペのほうがずっと後だし、彼女の描くべき物語をまだ半分ぐらいしか描けてないと感じていました。
── なるほど。今作では?
リッチ・ムーア:この作品で、彼女は自分のパーフェクトな居場所を見出していきます。ラルフはお兄さん的な存在として、彼女を半分の折り返し地点まで連れて行ってくれます。残りの半分はお姉さんのような立場で、新キャラのシャンクがヴァネロペを連れて行ってくれます。彼女はラルフがアドバイスできないようなこともアドバイスできる存在です。この作品では、ヴァネロペの語るべき物語をすべて語ることができたのではないかと思います。
── 具体的には?
リッチ・ムーア:ヴァネロペは『シュガー・ラッシュ』のなかにいるべき存在としてプログラミングされています。ですが、彼女自身のいたい場所は(インターネット上にある過激なレースゲーム)『スローターレース』です。これも彼女を通して描きたかったことの1つですが、人は誰かに「ここにいるべきだ」と言われる場所にいる必要はありません。彼女の物語の大切なポイントのひとつは「自分の夢や求めるものが導いてくれる場所にいてもいいんだよ」ということです。
(次ページでは「退社したジョン・ラセターさんが残してくれたもの」)
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