ホワイトウォッシュ(白人化)の批判は受け止めた
── 日本では公開前から、本作のなかに登場するウェブサイト「OH MY DISNEY」で、過去のプリンセスたちや、ディズニー・キャラクターたちが共演するシーンが話題になりました。このシーンの製作はどの段階で決まったんですか?
フィル・ジョンストン:脚本の第二稿か第三稿ぐらいには、アイデアが生まれていました。会話のなかで、リッチ・ムーアさんが「君はアナ派、それともエルサ派」というようなクイズがあったら面白いのではないか、と冗談で口にしたんです。ラルフとヴァネロペをどこに連れて行こうかと考えたときに、ネットは何でもできる場所だと意識しました。考えてみれば、ヴァネロペもプリンセスの1人なので「ほかのプリンセスと一緒に何かできないのか」というところから始まっています。
── プリンセスたちが共演するシーンに関して、アメリカ国内では『プリンセスと魔法のキス』のアフリカ系のティアナが「ホワイトウォッシュ(白人化)ではないか」という非難があった、と報じられています。私自身も近年のディズニーが好きだからこそ、今回の話題は残念でした。監督としては、どのような意図でキャラクター・デザインを変更したんですか?
フィル・ジョンストン:確かに「オリジナル版と、僕らの最初の表現が違うんじゃないか」という声はありました。もちろん、僕らはもとのキャラクターを愛しているからこそ登場させたので、自分のなかで変えたという意識はありません。ほかのプリンセスもそうですが、「OH MY DISNEY」というウェブサイトに上手くフィットするような親和性が必要なので、それを実現するなかで生まれた齟齬でした。ご存じのとおり、手書きの2Dのアニメーションのキャラクターを、3DCGで再現したときに見え方に差が生まれてしまったのが理由のひとつです。ほかの感想と同じように、僕らはその意見をしっかりと受け止め、皆が愛するティアナに寄せるという作業をしました。
(次ページでは「ヴァネロペの1番大切なポイントは」)
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