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クリエイター、そしてSurfaceも意識した、アップルのiPad Pro発表

2018年10月31日 15時00分更新

クリエイターに選ばれるマシンを提供するには
OSとハードの統合が必要な時代になった

 ちなみに、10月2日にマイクロソフトが開催したSurfaceの新製品発表会もニューヨークで行われている。

 マイクロソフトのCPOであるパノス・パネイ氏はSurfaceのペン入力がいかに素晴らしいかをアピールしていた。ペン入力の書き味が優れているのは「WindowsというOSとSurfaceというハードウェアを一緒の会社で開発しているからだ」(パノス・パネイ氏)だという。

 このOSとハードを一緒に開発するのは、アップルが得意としてきたことだ。マイクロソフトとしても、クリエイティブ向けのパソコンでアップルに勝つには、マイクロソフトが自らハードウェアを開発し、プロモーションし、販売していかなければ太刀打ちできないと判断したのだろう。

 両社がクリエイターをターゲットにするのは、1日何時間もパソコンに向き合い、仕事をするクリエイターにとって、高機能なパソコンを購入することが時間の節約につながるからだ。ハイエンドなマシンであれば、これまで時間がかかっていた処理を短縮できるかもしれない。手書き入力が快適なモバイルマシンがあれば、オフィスに拘束されなくても、自分の好きな場所で仕事ができるようになる。

 クリエイターこそが、誰よりも快適なマシンを欲しがっており、快適なマシンを作るにはOSとハードウェアを一緒に開発するのが手っ取り早いのだ。

 プロのクリエイターに評価されれば、次はクリエイティブなことを趣味でやっている人たちに売れていく。

 クリエイターに選ばれるデバイスを作ることが、パソコンメーカーの生き残る道のひとつなのだろう。


筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)など、著書多数。

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