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IoTの存在感が大きかったCEATEC JAPAN 2018の見どころを紹介

ウォークスルー決済、Wi-Fi活用の空間認知などおもしろ展示目白押しのCEATEC JAPAN 2018

QRコード決済、空間認知、新しい本人認証システムなど目を引かれる展示が多い

 駅のホームのようなブースで目立っていたのが、株式会社Origami。キャッシュレス社会の到来を見据えた「Origami Station」では、実際に「Origami Pay」を使い、「Origami Kiosk」で飲み物を購入する体験ができた。

 最近、QRコード決済が流行りだが、国内では2013年からOrigamiが展開している。Suicaのようにスマホ側の対応は不要で、アプリとネットさえあれば利用できるのがメリット。すでにタクシーやアパレル、ネットカフェ、百貨店、居酒屋などに広く導入されている。

 現金払いであれば顧客体験はそれで終わりだが、Origami Payであればクーポンを配布することができる。リアルな小売店が、ネットショップに対抗する強力な支援ツールとしても利用できるのだ。

駅のホームのようなOrigamiブース

スマホアプリで商品を選び、QRコードをスキャンすれば決済できる

決済が完了するとたKioskにデータが飛び、商品を受け取る

 Origin Wireless Japanのブースではスーパーや住居を模した部屋を用意し、「Wi-Fi屋内位置測定」と「転倒・呼吸検知」のデモを行なっていた。Wi-Fiの電波を利用した空間認知エンジン「Time Reversal Machine」(TRM)により、特別なセンサーなしにいろいろな測定を実現しているのだ。

 たとえば、スーパーの部屋では角にWi-Fiの親機を置き、買い物カートに子機を設置する。これだけで、同社の技術を利用すれば、店内のどこにいるのかをほぼリアルタイムに把握できるのだ。測定誤差は50cm程度だが、見通しがきかない場所や密室でも位置を検出できるのがウリ。同時に複数の目標を追跡することも可能だ。何より、多数のセンサーを設置する必要がなく、1つのアンカーポイントで電波の届く範囲をカバーできるのが画期的だ。

 Wi-Fiの電波の反射を検知しているというので、ざっくりとしか把握できないかと思いきや、人間が呼吸して胸が動く様子まで検知できるという。隣の部屋のソファーに座ってもらったところ、少ししてから呼吸数がカウントされ始めた。さらにわざと転んでもらったところ、転倒まで検知できた。これがWi-Fiという枯れた技術の中に搭載できるのだ。これは高齢者の見守りから夜間の店舗監視などに活用できそう。

Wi-Fiの電波を利用し、屋内での位置を追跡できるデモが行なわれていた

ショッピングカートの位置検知から、ドローンの追跡まで可能だという

左奥に見えるのがWi-Fiのアンカーポイントで、カートの上に付いているのが子機

隣では、転倒・呼吸検知のデモが行なわれていた

わざと倒れてもらったところ、動きの量を検知して転倒マークが点いた

村田製作所と作成したWi-Fiセンターのプロトタイプ

 株式会社AnchorZのブースでは「DZ Security」のデモが行なわれていた。「DZ Security」は、生体認証とふるまい検知を組み合わせ、本人しか使えないセキュリティー技術。ログインではなく、利用するユーザーを正確に認識し、不正利用を防止するソリューションだ。

 デモでは、スマホでゲームをプレイしていると時々「こんにちは、○○さん!」と表示される。これは認識したことを示すために、あえて表示したもので、通常は何の通知もなくバックグラウンドで認証をしている。ユーザーには認証のタイミングがわからないし、認証成功の通知も行われない。しかし、筆者が端末を操作しようとすると、即「ユーザーが○○さんでない可能性があります。ログアウトします」と表示された。検出結果を確認すると、筆者の顔を認識していた。

 ユーザーはパスワードを入れたりする必要はなく、システムがさまざまな情報を組み合わせて認証するのが便利。もし、変わったふるまいをして誤検出されてログアウトしても、またログインすればいいだけ。そもそも、第三者の不正利用をリアルタイムにはじくのだから、ログインという概念が不要になる世界が来るかも知れない。今後、SDKの販売を開始するとのことだ。

AnchorZは「DZ Security」のデモを行なっていた

バックグラウンドでユーザーの認証が走っている

筆者が使おうとしたらはじかれてしまった

ログを確認すると、筆者が写っていた

 株式会社ツインエコは「おしゃべり電球」を展示していた。スマート電球なのかと思いきや、ネット接続は不要。人を検知して、光と音で出迎えるLED電球だ。

 MP3の音声ファイルをメモリーに保存しておき、人が来たら再生できる。夜間の防犯に使い、「防犯カメラが作動しています」と侵入者に警告することができる。観光施設であれば名所案内を流せるし、飲食店であれば「いらっしゃいませ」という挨拶に加えて、オススメメニューを伝えられるかも知れない。会計後に出て行く人にいらっしゃいませは変では? と聞くと、オプションのセンサーを使うことで、その人がどの方向から来たのかを検知し、あらかじめ設定した音声を流せるという。現在は開発中とのこと。手が届く価格であれば、ぜひ試してみたいところだ。

株式会社ツインエコは「おしゃべり電球」

ちょっとごつめだが普通の電球に差し替えて利用できる

おしゃべり電球。近くで動きがあると転倒し、音声が再生される

ツインエコ社長の早田孝司氏

 株式会社PIJINが展示していたのが「QR Translator」という多言語プラットフォームサービス。たとえば、看板などスペースの都合上、日本語でしかデザインできない場合、インバウンド需要に対応できない。しかし、「QR Translator」で発行したQRコードを載せておけば、ユーザーは手軽に外国語のウェブページを閲覧できるようになる。QRコードはシールでもOK。39言語から最大15件後までのコンテンツを表示できる。

 観光地や商業施設の案内や、レストランメニューを手軽に多言語化できるのが特徴だ。専用アプリが不要で、QRコードをスキャンするだけでよく、手間がかからないのもインバウンド向けには適している。

 移転開場したばかりの東京都中央卸売市場「豊洲市場」や地下鉄博物館、南海電鉄などに導入され、多言語でのナビゲートをサポートしている。飲食がらみだと、かに道楽や石川酒造でも利用されているそう。

 さらに、インフォコム株式会社と協同で、災害情報をリアルタイムに受け取れる「防災クラウド」も開発している。平常時は案内誘導を表示しているコンテンツを、災害時には避難経路や災害速報を表示する仕組できるのだ。

株式会社PIJINの「QR Translator」

QRコードを読み込むと、外国語の情報を取得できる

災害時には災害情報を外国語で配信し、被害を軽減できる

 CEATECは2016年に「脱・家電見本市」を宣言し、今年で3年目。出展社数725社/団体のうち、345社/団体が新規出店。2017年も半数が新規出店だったので、「CPS/IoTを活用し、あらゆる産業・業種による『共創』を基本としたビジネス創出と、技術および情報交流などを一堂に会する場を開催する」という趣旨通り、方向転換は実現できたようだ。来場者数も堅調で盛り上がった。各社の今後の活躍に注目していきたい。

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