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経営者、テクノロジー、働き方、組織まで本音で語った

さくら、はてな、GMOペパボのトップが桜島だから語る「ここだけの話」

2018年10月11日 09時00分更新

『非連続を作る』って、経営者として重要

岩本:今まで見ていた領域から経営者になったときにシフトチェンジがあるわけじゃないですか。たとえば、佐藤さんはバックオフィス全般やっていたけど、社長になったらエンジニア組織を束ねないといけないとか。そこらへんどうやったんですか?

佐藤:確かにエンジニアのマインドがわからなかった。方向性を知るために、エンジニアのトップを私の直属にして、エンジニアとして必要な要素を言ってもらい、片っ端から対応することにしました。「それをやるとみんなが楽しくなるんだな」ということを理解して、対応していくという感じです。

岩本:田中さんと栗栖さんはエンジニアですが、なにか変えたことありましたか?

栗栖:あんまりないですね。

田中:今もコーディングしますしね。

栗栖:プロダクションではないですが、会社のツールとかは確かにコード書いてます。まあ、マネージャー時代に合宿でけっこう遅くまでコード書いたけど、朝になったら僕のコードなくなっていたとか、悲しいことはけっこういっぱいありました(笑)。でも、こんなサービスというプロトタイプを示すみたいなことをやっていたいんですよね。

はてな 代表取締役社長 栗栖 義臣氏

田中:先頭に立ってやってみるのって重要ですよね。あと、経営者にとって「非連続を作る」のも重要だと思う。仕事って既存の延長線上になりがちだけど、全然違うテクノロジーをインプットすること。よく「大きく、長く見せる」ことが経営で大事って言いますけど、minneだってアイデアが出ても、後押ししていかないと世に出ないですよね。

佐藤:確かに「ぶっ込む」みたいなのは自分じゃないとできないですね。

田中:そう。以前はプロトタイプどころか、サービスまで作っていたんですけど、経営者になると、作ったものを拡げようと考えますよね。

あえて新規事業できない雰囲気のあった福岡でminneを作った

岩本:minneの話が出たのでここも聞きたいんですけど、ペパボさんって昔、SNSとかもやってたじゃないですか。

佐藤:「キヌガサ」ですね(笑)。

栗栖:なつかしい!

岩本:mixiやグリーが出た頃、第一期SNSブーム頃ですよね。

佐藤:3番手くらいなんで、一気に伸びました。でも、すぐ終わりました(笑)。

田中:なんですぐ終わったんですか?

佐藤:クセが強かったんですよね(笑)。

岩本:キル・ビルっぽいUIとか、めちゃかっこよかったんですけどね。えっと、そんな昔話じゃなく、ペパボさんってB2Cやりながら、なんだかんだB2Bや、サーバーだったと思うんですが、minneってどういう経緯で生まれたんですか?

佐藤:社内の新規事業ですね。うちって東京と福岡にオフィスがあるんですが、サービスごとに部署を構えていて、東京のオフィスは東京進出以降のサービスをやっていて、福岡はそれ以前のサーバーとか、ドメインの事業を担当しています。とはいえ、サーバーとか、ドメインの事業って、新しいことよりは、真面目に運用して、落とさないことが重視されるので、福岡オフィスだと新規事業できないみたいな雰囲気があったんです。だから、minneはあえて福岡で立ち上げています。「●●してみんね」という博多弁から、minneというサービス名が作られているんです。

岩本:なるほどー。みなさん東京や京都、北海道、大阪、福岡などいろいろなところに拠点をお持ちですが、そういうところの役割ってどう分けてます?

栗栖:うちは開発拠点が京都で、最近東京にもチームがあります。開発以外のコーポレート、編集、営業は東京がメイン。ただ、特に意識して分けてませんね。

田中:うちはバラバラですね。サービスごとで拠点が違うところもあって、レンサバは大阪。というのも、大阪ってレンサバ会社多いじゃないですか。だから転職が便利。うちに転職する人もいるし、うちから転職する人もいる。社員のエコシステムが回るんです(笑)。

栗栖:エンジニア視点で見ると、それは幸せですよね。わざわざ街を動かないでいい。

岩本:うらやましいですね。メディア系の仕事は東京じゃないと難しいですからね。

田中:人とのつながりが必要ですからね。人のつながりとテクノロジーって別途で考えた方がいい。これだけテクノロジーが発達していて、どこでも仕事できるのに、なぜ地方に仕事がないのか。結局、人のつながりだと思うんですよね。とはいえ、こういうイベントをきっかけにしていけば、人のつながりができる。福岡支社なんて、まさにそんな人のつながりが求めて作ってますね。

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