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鹿児島のエンジニアを爆発させたイベントが2年ぶりに復活

帰ってきたさくらじまハウス! 200名超えの参加者が濃厚セッションを楽しむ

2018年07月19日 09時00分更新

 2年ぶりに「さくらじまハウス」が鹿児島に戻ってきた! 2018年7月14日に開催されたさくらじまハウスでは、鹿児島の未来を切り拓く多くのエンジニアや地元の有志たちが200名以上参加し、7時間に渡る濃厚なセッションを満喫した。

会場である国民宿舎 レインボー桜島と会場入りするさくらの田中社長

九州に移住した油井さん、「さくらじまハウス」を語る

 「さくらじまハウス」は文字通り鹿児島の桜島を会場に、さくらインターネットと地元企業がコラボレーションして実現したITイベント。今回は「エンジニアの熱量がもう一度爆発する」をテーマに、大河ドラマ「西郷どん」で盛り上がる2018年、鹿児島に再び舞い戻ってきた。

 冒頭、開催までの経緯を説明したのが、イベントを中心となって仕掛けた、さくらインターネットの油井佑樹さん。2014年にさくらに入社した油井さんがイベントを立ち上げたきっかけは、2014年に鹿児島のスタートアップであるユニマルのメンバーと出会ったこと。「未来をいっしょに作れる仲間に出会い、鹿児島でなにかやりたいと思うようになった」と油井さんは語る。

さくらインターネットの油井佑樹さん

 その後、東京から福岡に移住してしまった油井さんは、2015年に鹿児島でスタートアップのイベントを開催しつつ、地元企業のメンバーが集う場所として「サクラハウス」を立ち上げる。このさくらハウスで、当時AWSだった小島英揮さんをゲストに迎え、ニコ生を放送したことがきっかけになり、2016年にAWSと共催で行なわれたのが、第1回目のさくらじまハウスだ。東京ではなかなか聞けないセッションを揃えたさくらじまハウスは、鹿児島のIT系イベントとしては異例とも言える約150名の参加者が集まり、大いに盛り上がった。

 2017年には鹿児島の野崎 弘幸さんが新たにリリーを立ち上げ、ISPであるシナプスや建設業のIT化を支援する現場サポートともつながった。こうして地元のIT企業が次々とつながり、さらに鹿児島市や鹿児島県、九州経済連合会などの後援も受ける形で、満を持して2回目となるさくらじまハウスの開催に至る。「やりたいことをできるに変える」というスローガンを掲げるさくらインターネットとしても、多くのさくらファンが集まる鹿児島は東京と異なるITの可能性にチャレンジできる場所に違いない。

 油井さんは「鹿児島は成長性の高い都市としてもランクインしている。鹿児島の未来を確信している」と語り、イベントが鹿児島の発展のきっかけになることをアピール。2年ぶりとなる「さくらじまハウス、どっかーん!」を参加者たちと決めて、本編をスタートさせた。

7割を占める地元からの参加者はイベントでなにを受け取ったのか?

 休憩挟んで7時間におよんだ今年のさくらじまハウスでは、5つのパネルとLT大会が開催され、約220名の参加者がイベントを楽しんだ。セッションのテーマも、エンジニアの生き残り戦略や地元での技術への挑戦、サービスと技術、新しい働き方と社会、経営者が考えるこれからの組織などバリエーション豊か。また、途中で行なわれたLT大会では、さくらインターネットの江草陽太さん、LINEの和田 充史さん、はてなの渡辺 起さんが、おもにエンジニア組織の作り方について持論を展開した。セッションやLTは、エンジニアのみならず、経営者や事業開発担当者、なにより地元をこよなく愛する人であれば、どれも刺さる内容ばかりで、SNS等でもさまざまな感想があふれていた。

多彩なコメントが飛び交ったパネルセッションの模様

 本編が終了したのは、すでに桜島に夕日が沈んだ20時。ここから懇親会に移り、夜の錦江湾を見ながら、登壇者・主催者・参加者たちが入り乱れて、杯を交わした。個人的には、2年前のさくらじまハウス以来の再会となる地元エンジニア、Facebookで行方不明だった社長、過去に私が登壇したセッションの聴講者、就職に悩む地元の学生などと直接話すことができ、とても有意義な時間を過ごすことができた。懇親会は22時で終了したが、桜島フェリーで鹿児島に渡った多くの参加者は天文館くんだりで痛飲したに違いない。

 鹿児島という地方都市の有志と、東京のクラウド事業者ががっつり手を組んで実現した今回のイベント。イベントの途中で挙手を求めたところ、7割は地元鹿児島や九州の参加者で、なにより次世代を担う学生たちが数多く参加していたのが印象的だった。有史以来、火山活動を繰り返す桜島という非日常的な会場での高揚感もあいまって、東京都内では見えなかったITの可能性や志を同じくするエンジニアたちのつながりの価値に気づくことができたと思う。

 個別のセッションに関しては後日、記事化する予定だ。

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