週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

3年前に不可能だった小型化を実現

容積約4分の1に小型化、光発電スマートウォッチ「新エコ・ドライブ Bluetooth」

2018年09月14日 17時15分更新

約4分の1の容積ダウンと、小型化した新キャリバーを搭載した「新エコ・ドライブ Bluetooth」BZ4005-03E 価格は8万6400円

新キャリバー「W410」登場で小さくなったエコ・ドライブ Bluetooth

2016年発売の初代エコ・ドライブ Bluetoothは、限定3000本が予約でほぼ完売

 「エコ・ドライブ Bluetooth」はその名のとおり、光で発電する電池交換不要の「エコ・ドライブ」と、Bluetoothによるスマートフォンとの連携機能を搭載したスマートウォッチ。

 スマートウォッチというと、ケーブルを使ったこまめな充電作業や定期的な電池交換といったバッテリー問題が必ずついて回る。

 しかしエコ・ドライブ Bluetoothは、文字盤の下に配置したソーラーセルで受けた光を基に発電し、時計を動かす仕組み。屋外で直射日光に当てる必要はなく、室内光だけでオーケーだ。時計としての機能はもちろん、スマートフォンからの通知をはじめ、時刻やアラームのセットといった連携機能が使用できる。

 2016年に同シリーズの初代モデルが限定販売で登場し、即座に完売。それ以降も同じキャリバー(時計の心臓部であるムーブメントの型番)の「W770」を使ったモデルが複数種類登場し、人気となっている。

左がW410を搭載したBZ4005-03Eで、右がW770を搭載したエコ・ドライブ Bluetoothシリーズ第4世代にあたる、2018年4月発売の「BZ1045-05E」。そのサイズ差は一目瞭然

 そのエコ・ドライブ Bluetoothに、新キャリバー「W410」が登場。W770よりも一回り以上小型化を実現し、ユーザーからの声が多かったユニセックスモデルとレディースモデルが誕生している。

シチズン時計 企画営業部 池山 聡氏

 エコ・ドライブ Bluetoothの商品企画を担当する池山 聡氏いわく「3年前は、メカメカしいガジェット感を好む男性ユーザーに向け、複数の針やサブダイヤルを配置して、いろいろな情報を一度に得ることができる時計を企画しました。一方今回は、複雑な機械に苦手意識をもつユーザーも多くいらっしゃるので、視認性を重視したシンプルなモデルとして企画しています」と解説。

 なお、シチズン時計は1924年に懐中時計第一号を完成した後、国産初の耐震装置付き腕時計や完全防水腕時計、中三針で世界最小サイズの機械式ムーブメントや世界初のアナログ式太陽電池時計など「日本初」や「世界初」の機能を開発し、既存技術に対しては常に小型化や薄型化に挑んできたという歴史がある。

 当時、対応する携帯電話が「日本に存在しない」にも関わらず、Bluetooth搭載腕時計を世界で初めて発表し、2006年に発売を開始したのは記憶に新しいだろう。

 今回のW410の開発は「小型・薄型化することで、お客様により使い勝手のよいモデルとしてお届けしたいという企画側の思いと、金属ケースにBluetoothアンテナを適切に配置するなどのさまざまな独自のノウハウが、設計や技術側に蓄積されていたため実現した」と同社でのこれまでの取り組みの上、成り立ったと池山氏は話した。

小型化しても「最大4年稼働」を維持した開発の秘策とは?

 エコ・ドライブ Bluetoothは、本体内に蓄電用の二次電池を搭載し、充電には文字盤の下に配置した光発電用のセルを使用する。エコ・ドライブ Bluetoothは発電効率のよいパネルを採用しており室内灯などの光でも発電可能。


光を当てれば充電されるエコ・ドライブ Bluetoothは、スマートフォンアプリのホーム画面で、光とのつながりや発電量を可視化できる


 もちろん強い日差しのほうが発電力は高くなるが、室内灯でも約7時間ほど光に当てていれば、一日分の駆動に必要な電力を貯められる。さらに、一度フルに充電をすると最大約4年間の駆動が可能という。つまり文字盤が光に当たるように使い続ければ、充電に関して気にする必要はない。

左がキャリバーW410、右がキャリバーW770。キャリバー自体は、面積では半分以下、容積では約4分の1以下となった

 新しく登場したW410は、W770と比べて文字盤自体のサイズも小さくなっている。そのためソーラーセルの面積も小さくなっているが、W410の開発を担当したシチズン時計 時計開発部 設計課の廣田悠介氏は「クロノグラフのない3針モデルでバイブレーション機能をカット。 さらに各ソーラーセルをつなぐ部分も極力省スペース化するなどで、面積あたりの発電効率は150%ほど良くなっていて、W770と同じレベルを実現している」と説明する。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう