何もしなくてもいいということ
そこでVAIOが提案するのが、「VAIO Secure SIM」である。「LTE over IP」というIPネットワーク上でLTEと同じプロトコルを使用し、LTEの端末認証をはじめとした各種機能が利用できる技術を用いている。IPネットワーク上でLTEのプロトコルを通せるということは、LTE回線につながず、公衆Wi-Fiや自宅Wi-Fiといった環境でも利用できる。海外からの接続などでも安心な技術と言える。
LTE回線かWi-Fi接続かは自動的に判別する。マシンを開いてWindowsにログインすれば、すぐに通信可能な状態になるので、エンドユーザーの利便性も高い。閉域SIMとは異なり、Wi-Fi環境も活用できるので、常にLTEで通信する必要がなく、通信費も安く抑えられるだろう。つまりVPN並みのコストと、閉域SIM並みのセキュリティを実現できる、いいとこ取りのソリューションなのである。
VPNとLTEプロトコルとの違いについても言及する。
ひとつはSIMによるデバイス認証ができる点だ。加えてPCとSIMとの組み合わせが正しくないと接続できないようになっている。たとえばSIMだけを盗んで接続しようとしてもダメだ。マシン側は指紋認証などを利用してログインするようにしておけば、マシンを紛失しても、勝手にネットワークへ接続されるということも防げるだろう。
ただ、Windows Helloの場合は、指紋で認証できない場合、PINやパスワードでログインできてしまう。あまり強固なセキュリティとはあまり言えない。そこで、別途指紋認証を一括管理できるソリューションと連携したり、「TRUST DELETE Biz for VAIO PC」で今後サポートされるSMS Push命令によるPCロックや消去実行といったソリューションと併用するのが理想だ。より強固なセキュリティ確保ができるだろう。
企業が導入しようとした場合、まずVAIO Secure SIMの基本プランで月々使用する通信容量を選択。プランは3つあり以下のとおりだ。SMSや国際ローミングなどもサポートする。
VAIO Secure SIM(タイプS)プラン | |
---|---|
基本プラン | |
月間1GB※ | 月額2000円 / 回線 |
月間3GB※ | 月額3000円 / 回線 |
月間5GB※ | 月額4000円 / 回線 |
オプション | |
SMS | ◯ |
国際ローミング | ◯ |
Wi-Fiスポット利用 | ◯ |
インターネット接続 | ◯ |
追加チャージ | ◯ |
初期費用 | |
事務手数料 | 3200円 / 回線 |
接続種別 | |
月お客様拠点へのVPN接続 | 別途お見積り |
クラウドへのVPN接続 | 別途お見積り |
* インターネット回線を用いた仮想閉域通信は無制限(インターネット回線は別途ご用意頂くか、Wi-Fiスポット利用オプションをご利用ください)。
その上で、通信網に接続したセキュアコアのサーバーから企業のネットワークへVPN接続やクラウドサービスへのVPN接続などを行なう必要がある。こちらは、環境によって違うため別途見積もりとなり、接続料が月々発生することになる。
導入に当たっては、キッティングサービスを利用すればSIMを差して、専用回線の接続などが設定された状態で納品される。開封と同時にセキュアな通信が可能な状態で利用できるので、情シスの手をわずらわすこともない。
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