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エンタメから金融、画面付きスマートスピーカーまで! LINEが大幅改革

2018年06月30日 10時00分更新

 LINEは、今後の柱となる事業戦略を紹介するイベント「LINE CONFERENCE 2018」を開催した。LINE代表取締役CEOの出澤剛氏は、今年の事業戦略のキーワードを「Redesign」とし、新規サービスの追加だけでなく、既存サービスの改善や進化を積極的に進めていく姿勢を示した。

チャット画面にBGMをセットしたり
LINE MUSICでミュージックビデオが楽しめるように

 出澤氏は冒頭、「今までのPC向けのサービスに改善、改良を加えるのではなく、根本からデザインし直すのが重要」と述べた。昨年(2017年)に発売されたスマートスピーカー「Clova WAVE」を中心としたボイスインターフェースの登場や、これまで規制が多くなかなか革新的なサービスが生まれづらかった金融分野など、さまざまな分野でパラダイムシフトが起こりつつあると指摘しつつ「LINEは登場から7年が経過し、積み上げてきたものもデザインし直すときにきた」と述べ、エンターテインメント事業、AI関連サービス、金融サービス、eコマース、出版、法人向けサービスなど、あらゆる分野で改善を進めていくとした。

 続いて、LINE 取締役 CSMOの枡田淳氏が登壇し、エンターテインメント事業の戦略を説明した。

LINE代表取締役CEOの出澤剛氏

出澤氏は今年のキーワードを「Redesign」とし、幅広い分野で積極的に事業を展開すると表明

エンターテインメント分野について説明する、LINE 取締役 CSMO 枡田 淳氏

「音楽ストリーミングサービスは日本では難しいといわれていたが、LINE MUSICは大きく成長している」と舛田氏

 LINEが提供するエンターテインメント分野の柱となるのが、音楽とゲームだ。このうち音楽では、LINEが展開する音楽ストリーミングサービス「LINE MUSIC」が日本で急速に成長していることを示しつつ、さらなる成長に向けた新サービス「トークルームBGM」の提供を発表。これは、チャット画面で好きな音楽を再生できる機能で、好きな友達とのトーク中に音楽を共有することで、より深いつながりが生まれるとした。

 また、LINE MUSICでミュージックビデオの提供も新たに始まる。このミュージックビデオは、視聴だけでなく、LINE BGMのようにプロフィール画面にセットすることも可能。舛田氏は「今後の5G時代を見据え、ミュージックビデオによってアーティストとユーザーが触れ合える環境を提供する」とした。

LINE MUSICの新機能として、チャットルームでBGMをセットできる「トークルームBGM」を用意

5G時代を見据えて、ミュージックビデオの配信も開始する

ミュージックビデオには、世界の有名アーティストやレーベルが参加予定

LINEで音楽イベントのチケットが購入できる「LINEチケット」

 そして、音楽イベントのチケットを扱う「LINEチケット」の提供開始も発表。LINEチケットで扱われるチケットはすべてがLINEアカウントと紐付いたeチケットとなり、転売などの問題をすべて解決できるとした。当初は音楽イベントからはじめ、演劇やスポーツイベントなどにも広げていきたいという。これら新サービスは、2018年夏から秋にかけて提供が開始される。

LINEチケットは全てLINEアカウントと紐付いたeチケットになることで、紙チケットの問題を解消

LINE上でチケットの検索から購入までが行なえる

 続いてゲーム分野では、専用アプリをインストールすることなくLINEアプリ上で楽しめる「LINE QUICK GAME」の提供を発表。LINE QUICK GAMEはチャットを活用したゲームになるとのことで、よりゲームをコミュニケーションの一環として楽しめるという。また、大人気ゲーム「荒野行動」にLINE連携機能を導入することも発表した。

専用アプリをインストールする必要なくゲームが楽しめる「LINE QUICK GAME」

チャットと連携したカジュアルゲームが提供される

 このほか、エンターテインメント分野としては「LINEまんが」の事業部門を分社化するとともに、韓国の電子コミックサービス「NAVER WEBTOON」と資本・業務提携を締結することを発表。

 また、新しいコンテンツへの入り口として、トーク画面上部に「スマートチャンネル」という情報エリアも新たに設けられる。ユーザーごとにアプリ上での行動履歴を解析し、「ユーザーそれぞれが今いちばん知りたい情報を提供」(舛田氏)していくという。

LINEまんがでは、韓国の電子コミックサービス「NAVER WEBTOON」と資本・業務提携を締結すると発表

LINEから旅行の予約ができる
「LINEトラベル」提供開始

 続いて、eコマース分野の取り組みについて説明。LINEのeコマース事業としては、オンラインショッピングの「LINEショッピング」や、デリバリーサービス「LINEデリマ」がある。このうちLINEショッピングでは、オンラインとオフラインを融合した新たなサービスを2018年秋以降に開始すると発表。

LINEショッピングでは、オフライン(実店舗)ショッピングを取り込んでいく

提携店舗付近でユーザーにメッセージを配信し、購入時にポイントがもらえるサービスなどを提供予定

LINEショッピングの新機能「ショッピングレンズ」

服などの画像を指定するだけで、ショッピングサイトから商品が自動的に検索される

 2017年にディノス越谷アウトレット店で実施したテストケースでは、ショップの近くにいるLINEショッピングユーザーにメッセージを配信して、会計時にポイントがもらえるサービスを実施したそうだが、そういったサービスに加えて、新たなサービスも提供も予定。これにより、実店舗でのショッピングでもLINEユーザーに新たな価値を提供するという。

 また、写真を指定して商品を検索できる「ショッピングレンズ」機能も用意。Webなどで見つけたお気に入りの服の画像を指定するだけで商品を検索できる機能で、こちらは6月28日より提供が開始されている。

 LINEデリマについては、デリバリー市場の伸びやLINEデリマの成長についての説明が中心となったが、今後はデリバリーサービスだけでなくテイクアウトサービスも展開していきたいとした。

 あわせて、新たな決済手段となる「Line Pay for ID決済」を2018年秋に導入することも発表。LINE Payに決済手段を登録しておけば、オンラインショッピングサイトでLINE IDを指定するだけで決済が可能になる機能で、サイトごとに決済手段の登録が不要となり、利便性が大きく高まるとした。また、ポイントを利用した決済も可能になるという。

新たな決済手段「LINE Pay for ID決済」も提供される

LINE Pay for ID決済では、LINE IDを使用することでショッピングサイトごとに決済手段を登録せずショッピングが可能となる

決済時にLINEポイントを利用することも可能

新規事業となる「LINEトラベル」

 そして、eコマース分野の新サービスとなるのが「LINEトラベル」だ。行き先や人数、日程などを指定するだけで、国内大手旅行代理店や航空会社などから、最適なツアーや最安のツアーが検索され、さらに予約が可能という。

 また、予約だけでなく、旅行中や旅行から帰った後などに向けた情報やサービスの提供も行なわれる。6月28日に宿泊予約から開始し、今後航空券予約、ツアー予約と幅を広げ、2019年には年間取扱高1000億円を目指すとした。

大手旅行代理店や航空会社などと連携し、人数や日付などを入力するだけで簡単に旅行商品を検索し購入できる

まずは宿泊予約からはじまり、その後航空券やパッケージツアーも扱う予定

LINEトラベルでは、2019年に年間取扱高1000億円を目指す

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