その8:グループFaceTime
macOSに限っていえば従来も3人までのビデオ通話が可能だったFaceTimeに、iPhoneやiPadなどを含めて最大32人での同時通話が可能なグループFaceTime機能が加わった。
このグループFaceTimeはUIが秀逸。複数人がサムネール表示されて1画面に表示されるのだが、話を始めた人のサムネールが徐々に大きくなっていくので、いま誰が話しているのかを聴覚と視覚で判断できる。
気になるのが回線速度だが、アップルによると低速であっても速度が安定していれば大人数でのビデオ通話が可能とのこと。グループFaceTimeで画面に表示される映像や音声は、端末同士が1対1でつながっているわけではなく、アップルのサーバーを経由してまとめてビデオストリーミングで配信される仕組み。そのため、遅い回線の端末はビデオストリーミングの画質を落として安定接続を確保するそうだ。
その9:iOSから導入された新アプリ
6月上旬に開催されたWWDCでは、macOSの開発環境にiOSのUIKitを取り込むことが発表された。具体的なメリットとしては、iOS用に作成したアプリのソースコードを少しいじるだけでmacOS用アプリを開発できる。iOS側でiPad用のUIを作っておけば、そのままmacOSでも動くようになるのだ。
2019年以降はこの開発環境をデベロッパーに解放する予定で、アップルはそれに先駆けて、iOS用の純正アプリの4本をmacOS Mojave向けにコンバートした。もちろん、iOSのUIKitを取り込んだ開発環境を使って作り上げられたアプリだ。
具体的には、News、Stocks(株価)、ボイスメモ、Homeの4本となる。
その10:Mac App StoreのUI改良
Mac App StoreもiOSの「App Store」のUIが取り入れられた。従来のアプリをジャンル別に列挙するUIを進化させ、「見つける」「創作する」「仕事する」などに再分類したうえで、専属の編集者によるアプリのレビュー記事などが読めるようになる。
その11:セキュリティーとプライバシーの強化
アップルがここ数年かなり力を入れている個人情報の保護について抜かりはない。macOS Mojaveでは、Safariの履歴などを参照して、ユーザーにマッチした広告を表示する、いわゆるターゲティング広告(追跡型広告)のシャットアウトが可能になる。「システム環境設定」の「セキュリティとプライバシー」の「プライバシー」タブに「広告」という項目が加わり、「追跡型広告の制限」をオン/オフで切り替え可能だ。
パブリックベータのため一部の挙動がまだまだブラッシュアップの余地があるが、WWDCで披露された多くの機能がすでにmacOS Mojaveに実装されているので、興味のあるユーザーは既存環境をバックアップしたあと、Apple Beta Software Programからパブリックベータをインストールする環境を整えよう。
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