アップルは日本時間の6月27日早朝に、次期OSとなるmacOS Mojaveのパブリックベータをリリースした。その名のとおり公に公開されたベータ版で、Apple Beta Software Programのページから申し込むことで一般ユーザーでも無償で自由に新しいOSを試すことができる。
とはいえ、あくまでも開発途上のベータ版なので、一部のソフト、ハードとの互換性に問題が出てくることもある。既存のOSの環境をTime Machineなどでバックアップを取ったうえで試用したほうがいいだろう。なおパブリックベータといえども、その内容を画像付きでウェブなどで一般公開することは禁じられているが、この記事はアップルから許可を得て公開している。
macOS Mojaveは数字のバージョンで示すと10.14。OSの名称は、Mac OS X、OS X、macOSと変わってきたが、Mac OS X 10.0から数えて15番目のメジャーバージョンとなる。ちなみにバージョン番号とは別に、10.0 Cheetahから9番目の10.8 Mountain Lionまではネコ科の大型動物、10番目の10.9 Mavericksから現在の10.14 Mojaveまでは米国カリフォルニア州の地名がコードネームや名称として付けられている。
その1:デベロッパーが注意すべきポイント
macOS Mojaveの対応機種は以下のとおりだ。
- MacBook(2015)以降
- MacBook Pro(mid 2012)以降
- MacBook Air(mid 2012年)以降
- Mac mini(late 2012)以降
- iMac(late 2012)以降
- iMac Pro(2017)以降
- Mac Pro(late 2013)以降
実に6年前の機種からサポートしている。キーになるのはアップル純正の3D描画APIであるMetalに対応しているGPUを搭載しているかどうか。ビデオカードの交換が可能なMac Proについては、mid 2010モデル以降でMetal対応のビデオカードを用意すればこの要件を満たすので、macOS Mojaveを使うことができる。
デベロッパーにとっては、macOS MojaveではOpenGLよりも処理効率の高いMetalを全面的に利用できるため、ゲームや3Dグラフィック系アプリのパフォーマンスアップが期待できるだろう。
また、macOS Mojaveは32ビットアプリが動く最後のmacOSとなることがアップルから発表されている。互換性の問題についてはとりあえず回避されたものの、デベロッパーは64ビットアプリへの移行を急ぐ必要がある。
さらにアップルは、Metal登場以前はメインの3D描画APIとして推奨してきた、前述のOpenGLをmacOS Mojaveで非推奨とすることも発表。macOS Mojaveでは、OpenGLを利用したゲームやグラフィック系アプリは問題なく動作するものの、デベロッパーは近い将来にMetalでの開発に切り替えなければならない。同様に複数のCPUコアやGPUを利用した並列コンピューティングを実現するAPIであるOpenCLについても非推奨となり、こちらも今後はAPIをMetalやMetal Performance Shaderなどに置き換える必要がある。
次ページからは、macOS Mojaveの新機能を見ていこう。
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