マクドナルドの「プレミアムローストアイスコーヒー」が5月21日からリニューアルしました。「世界一のバリスタ」監修のもと大きく味が変わった、とうたっています。味のレビューはコチラの記事。
「世界一のバリスタ」って聞き覚えがありませんか? そうです、ダイドードリンコです。ダイドードリンコは2014年から「ダイドーブレンド 世界一のバリスタ監修」の缶コーヒーシリーズを発売していて、自販機やコンビニなどで見かけるボトル缶の缶コーヒーの定番です。
共通して、世界一のバリスタ監修というのが売りのひとつですが、世界一のバリスタとはどういう人物で、どういう理由で世界一のバリスタと呼ばれているのでしょうか? また「監修」というのは、実際はどのようなことをしているのでしょうか? 気になったので、両社の広報に聞いてみました。
マクドナルドの「世界一のバリスタ」は日本人
マクドナルドは1杯100円からコーヒーが買えて手ごろ。そんなマクドナルドのアイスコーヒーを監修した「世界一のバリスタ」とは? なお、マクドナルドのカフェラテも世界一のバリスタ監修のもと今年1月に生まれ変わっています。
――マクドナルドのプレミアムローストアイスコーヒー、カフェラテを監修している「世界一のバリスタ」の名前、年齢を教えてください。
日本マクドナルド広報:井崎英典さんです。1990年生まれの28歳です。
――どういう経緯で「世界一のバリスタ」の称号をお持ちなのでしょうか?
日本マクドナルド広報:2014年に「ワールドバリスタチャンピオンシップ」にてアジア人初の世界チャンピオンに輝いています。
マクドナルドのプレミアムローストアイスコーヒーを監修しているのは、井崎英典さん。日本の方です。世界的なバリスタ大会で優勝した経歴があり、それで「世界一のバリスタ」なのですね。こちらの大会でチャンピオンに輝いたのは、日本人初というだけではなくアジア人で初だそう。
――井崎さんは、現在どういう活動をされていますか?
日本マクドナルド広報:コンサルタントとしてグローバルに活動を続け、年間200日以上を海外で過ごしつつ、コーヒーエヴァンジェリストとして啓発活動を行なっています。
――監修の方法やこだわりについて教えてください。
日本マクドナルド広報:詳細は企業秘密の部分もありますが、今回のプレミアムローストアイスコーヒーは、アイスコーヒーに適した豆を井崎バリスタが厳選しました。井崎バリスタ監修のもと、グァテマラ産の豆を新たに加え、華やかな香りの広がりや、アイスコーヒーらしい苦味とコクをしっかりと感じられる味に仕上げています。焙煎時間の調整も井崎バリスタによるものです。スッキリとしたキレのある後味を感じられる、ブラックでもゴクゴクと飲めるアイスコーヒーとなっています。
――「世界一のバリスタ」というフレーズは「ダイドーブレンド 世界一のバリスタ監修」と共通しますが、なにか意識した点はありますか?
日本マクドナルド広報:いえ、どこかの製品やメーカーを意識して、というのはございません。マクドナルドでは、2018年もレギュラー商品のおいしさに徹底的にこだわる「もっと、おいしさ向上宣言」を掲げて、商品の開発、リニューアルをしています。
なお、井崎さんがコーヒーで特にこだわっているのは「抽出」だそうです。この点についてご本人からコメントをいただけました。
「高品質なコーヒーを抽出するためには、科学的理解や高度な技術が必要とされ、裏を返すと、それらの正しい理解を持って抽出に臨めば、世の中に溢れるどのようなコーヒーも品質向上の余地があると言えます。コーヒーを平等に愛し、そして世の中に溢れるコーヒーの品質を少しでも向上させることで、消費者の生活に彩りを与え、幸せを届けること。これが私のミッションです」(井崎氏)
ということでした。世界一の称号があるバリスタだけに、コーヒーへの愛と使命感に溢れた方というのが非常に伝わってきます。情熱と実力を兼ね揃えた世界的なバリスタが監修したことを意識して飲むと、マクドナルドのアイスコーヒーがさらにおいしく味わえそうではないですか!
ダイドードリンコの「世界一のバリスタ」はアメリカ人
一方、ダイドードリンコの「世界一のバリスタ」とはどういう人物なのでしょうか? ダイドードリンコにも問い合わせてみました。
――ダイドードリンコの「ダイドーブレンド 世界一のバリスタ監修シリーズ」の缶コーヒーを監修している「世界一のバリスタ」の名前、年齢を教えてください。
ダイドードリンコ広報:ピート・リカータさんです。年齢は40歳。国籍はアメリカです。
――どういう経緯で「世界一のバリスタ」の称号をお持ちなのでしょうか?
ダイドードリンコ広報:ワールドバリスタチャンピオンシップという国際大会の第14代チャンピオンです。
ダイドードリンコの缶コーヒーを監修しているのは、アメリカ国籍のピート・リカータさん。井崎さんと同じくワールドバリスタチャンピオンシップに優勝しています。第14回開催が2013年なので、井崎さんの前年にチャンピオンを勝ち得ています。私が調べたところ、バリスタの大会は国内外にいくつかあれど、世界で唯一の国際大会がワールドバリスタチャンピオンシップです。
――ピート・リカータさんは、現在どういう活動をされていますか?
ダイドードリンコ広報:バリスタの指導やコーヒーに関するコンサルタントを行なっています。
――監修の方法やこだわりについて教えてください。
ダイドードリンコ広報:商品のコンセプトや飲料シーン、消費者ニーズ、今回達成したい味イメージを伝えた上で、それを基とした試作品の味わいに対するアドバイスをいただいており、最終製品の味わいまで総合的に監修してもらっています。「ダイドーブレンド コクと香りのブレンドBLACK 世界一のバリスタ監修」に関しては、ゆったりとしたリラックスタイムに適した味わいを実現するためにアドバイスいただき、「高級豆を中心とした5ヵ国の豆」に「2種類のエスプレッソ」「3種類のアロマエキス」を加えることなどで、香り高くコク深い味わいを実現しました。
――ちなみに、ピート・リカータさんはコーヒーに対してどのような情熱をお持ちの方なのでしょうか?
ダイドードリンコ広報:コーヒーのおいしさや楽しさの可能性を、固定概念にとらわれることなく、探求し続けている方です。
確かに、世界的なバリスタの大会のチャンピオンの方が異国の缶コーヒーを監修するとは、革新的でチャレンジングなことだと思います。本来だったら、海外のしかるべきカフェなどに行かなきゃ、ピート・リカータさんの手掛けるコーヒーを飲めなかったと考えると、缶コーヒーによって間接的にでもピート・リカータさんの味に触れられるのはスゴイこと。缶コーヒーだからなし得た、おもしろいマッチングのように思います。
共通して「ワールドバリスタチャンピオンシップ」で優勝している
両社の広報に問い合わせて、マクドナルドのアイスコーヒーを監修しているバリスタが日本人の井崎さん、ダイドードリンコの世界一のバリスタシリーズを監修しているのがアメリカ国籍のピート・リカータさんで、共通してワールドバリスタチャンピオンシップという世界で唯一の国際大会で優勝した経歴があることがわかりました。
おもしろいことに、アメリカ発のマクドナルドが日本人のバリスタ、日本発のダイドードリンコがアメリカ人のバリスタを起用しています。おふた方とも、コーヒーの監修にあたっては、豆を直接選定する、あるいは選定のアドバイスをしたりするなどで、コンセプトにあったコーヒーの味づくりをリードしているようです。
味は異なるけど、どっちもおいしい
最後に、両社の世界一のバリスタの監修の代表的な製品についてあらためて紹介します。
■マクドナルド「プレミアムローストアイスコーヒー」
豆の種類や産地、ブレンドの割合、焙煎方法など、井崎バリスタのこだわりを徹底的に反映したマクドナルドの新アイスコーヒー。5月21日から発売しています。スッキリとしながらも、香りもコクもバランスのよいマイルドな味わいとのことで、「大きく変わったと実感していただける味わい」とうたっています。リニューアルしたところがポイントは、グァテマラ産の豆を新たにブレンドすることで香りがより華やかに、焙煎方法の変更によりスッキリとした後味を感じるようにした点だそう。
記者が飲んだところ、後味のキレが以前よりずっとよくなっていて、スッキリ飲めました! 香りが華やかで、かつ苦みもあるのですが、ハンバーガーの味をジャマしない軽やかな飲み口でした。マクドナルドのフードによく合います!
マクドナルドでは、プレミアムローストアイスコーヒーの他、カフェラテも世界一のバリスタ井崎さんが監修しています。
■ダイドードリンコ「コクと香りのブレンドBLACK 世界一のバリスタ監修」
高級豆を中心とした5ヵ国の豆を使用。浅煎り豆の華やかな香りと、深煎り豆のコクが楽しめる、リラックスタイムにぴったりなブラックコーヒーとのこと。コクと香りを引き立てる2種類のエスプレッソと3種類のアロマエキスを加えることで、香り高くコク深い味わいを実現しているそうです。
飲んでみると、華やかなアロマと酸味と深い苦みで、しっかりブラック。氷を加えずに飲むこともあり、重厚な深みを感じました。いっきにガブガブ飲むというより、少しずつ味わって飲むのが適していそうです! ボトル缶タイプなので、デスクにおいてちょっとずつ飲めるようになっています。
ダイドードリンコでは他にも、「ダイドーブレンド 香るブレンド微糖 世界一のバリスタ監修」「ダイドーブレンド スマートブレンドブラック 世界一のバリスタ監修」などピート・リカータさんが監修したコーヒー製品がいくつかあります。
印象的だったのは、しっかり味わってみると、マクドナルド、ダイドードリンコいずれも味が単調ではなく、口に入れた瞬間から喉を抜ける瞬間、そして後味までちょっとずつ変化があり、奥行きを感じたこと。「世界一のバリスタ」ならではの技巧かもしれません。そんなことをちょっと意識して、みなさまもコーヒーを味わってみてはいかがでしょう。
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ナベコ
寅年生まれ、肉食女子。特技は酒癖が悪いことで、のび太君同様どこでも寝られる。Facebookやってます!
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