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電波が届くところならいつでもストレージ全部消去

SMS通信で完全消去「TRUST DELETE Biz for VAIO PC」限定のセキュリティー

2018年05月21日 08時00分更新

SMSに対応したことで消去のタイミングを増やせる

 そして、今回追加された機能がSMSによる消去命令の実行だ。VAIO Pro PF/PGにはLTE搭載モデルが選択できる。そこにSMS対応のSIMを差すことで、電波の届く場所ならWi-Fiなどでインターネットへ接続しなくても、SMSの通信で消去命令を受け取れる。これにより、消去命令を受け取るタイミングが増えるため、より確実に消去できるようになる。

 SMSはLTEモジュールが起動した際、メッセージが届いているか確認しに行く。このため、あまりタイムラグは生じず、電源がオフの状態で消去命令を送ったとしても、マシンを起動すればすぐにメッセージを取りに行くうえ、「TRUST DELETE Biz for VAIO PC」でも「完了した」という信号を受け取るまで、定期的に消去命令を送り続ける。

 LTEを搭載ししたマシンなら同様のことができてもよさそうな気がする。しかし、この機能を搭載するのはそんなに単純なものではないと、ワンビの代表取締役社長・加藤氏は語る。

「LTEは中身がデジタルになったとはいえ、ハードウェアそのものはまだまだアナログに近いので、チューニングが必要です。単純に消去命令を1通送るだけなら、誰でもできてしまう可能性があり、なりすましによって、消去という大事な動作をやられてしまう危険があります。その点、当社は簡単にできないよう特許技術を持っていて、複数の処理を組み合わせることによってのみ、セキュリティ処理を実行できないようになっております。メッセージの間隔や暗号通信の技術によって高度なセキュリティを実現しており、安心な消去命令の開発には時間を要します」

 LTEモジュールを搭載していると、今回の追加機能のほかに、GPSによる位置情報がより詳細になるメリットもある。Wi-Fiだと5キロ圏内にあることがわかる程度だが、LTEモジュールがあると、30m程度の精度で位置がわかる。TRUST DELETE Biz for VAIO PCには、どこにマシンがあるのか位置情報を送る機能があり、最大15件履歴が残る。このため、最後に紛失したと思われる位置情報を管理画面から確認できるほか、社員の行動履歴として利用することも可能だ。このため、LTEモジュールを搭載していないと、正確な位置をつかむのは難しい。

↑GPS情報が、最大15件残る。これにより従業員の行動もわかる

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