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味も香りも濃い:

ペヤング塩ガーリック 君は変わったね

2018年02月08日 17時00分更新

 君は、そんなにさわやかな見た目をしていたっけ、と店頭で戸惑ってしまいました。まるか食品「ペヤング 塩ガーリックやきそば」。2月5日から発売しています。内容量は114g。価格は184円でした。

 ホワイト、スカイブルー、ネイビーのストライプ。ガーリックのイラストも、ちょっとポップじゃないですか。「塩ガーリック」の文字にも、勢いがあって。いや、もちろん、とてもおしゃれなパッケージではないかもしれません。

 でも、いままでのまるか食品の「激辛だから赤いのよォ〜ッ!!」みたいなセンスではなくて、「えへへ、ちょっと楽しい雰囲気にしてみたいんだけど。どうかな」的な風情があります。等身大のおしゃれ感というのかな。気がついたら、手に取って、レジに向かっていました。

カロリーと炭水化物の量はいつものペヤング

 栄養成分表を見ると、525kcalと、あまり変わらない(通常のペヤングは120gで544kcal)。480mlもお湯を使うところも、そのままです。そうだね、ごめん、湯切りも必要なの、と彼女は言います。彼女とはペヤング 塩ガーリックやきそばのことです。いいんだよ、わかって買ってるんだから。そういうところは前の彼女と変わらないことを、僕も理解しています。

 かやくにはガーリックチップが入っています。塩ガーリックを名乗るだけのことはあり、とても期待できそう。あれ、でも、ソースが普通の……いつもの焼きそばソースじゃないのかな、と僕はつぶやきます。ううん、そうじゃないの。開けてみればわかると思う、と彼女は控えめに告げました。少しばかりの戸惑いを感じつつも、調理を進めていきました。

かやく。ガーリックチップが入っている

ソース。一見、普通のペヤングのソースに見えるけれど……

湯切りした時点で、すでに香りが強い

 湯切りしてフタをはがした時点で、すでにそこにはガーリックの香りがしっかりと漂っています。今さらながら、彼女の外見だけでなく、中身も変わっていることを実感し、少しばかりの動揺と、湧き出てくる食欲を覚えながら、青いパッケージのソースに手を取ります。こぼさないようにゆっくり開封すると、ややとろみのある、見慣れたものとは違うソースがひかえめにあふれました。

ソースは少しどろっとしています

 ああ、彼女の言っていた通り、それはかつてのソースではありませんでした。僕の知っている焼きそばのソースではなく、ガーリックの効いたサラダドレッシングを想像してもらえればわかりやすいかと思います。塩気の効いたガーリックソースを入れてかき混ぜます。いつものペヤングの面影は(匂い的に)ありません。僕に限らずとも、かつてのペヤングを知っている人なら、ああ、彼女はずいぶんと新しくなったのだね、と気づくことでしょう。

 だからといって、どうして急に変わったのだとか、そんなことを責めるつもりもありません。彼女は今までのペヤングではなくて、塩ガーリックやきそばなのですから。暦の上では立春、春を迎えています。ペヤングも新しいところに辿りついたのです。「彼女は変わってしまった」と嘆くのは簡単ですが、それでは、何も、何も生まれないではありませんか。

この「具材のなさ」にペヤングを感じて安心します

 味は、ペヤングのそれを想像してしまうと、だいぶ違います。きっちりガーリックの香りが立った、シンプルな塩味の焼きそばです。塩辛すぎるほどではありませんが、味が濃く、塩気がしっかりとあるので、少し飲み物がほしくなります。

 そうはいっても、ひどくしょっぱいとか、出来が悪いとか、そういうことはないと思います。具材とて、かやくの中にガーリックチップといつものキャベツがあるだけで、凝ってはいません。それでも、全体的に「濃いめでガツンとくる味」の範疇でまとまっており、よくできている。

 ご飯としていただくよりかは、居酒屋のメニューとしてあるとよいのではないか、と考えました。パンチの効いた味わいは、じつにお酒が進みそうです。食事としてなら、おむすびや小さめのサラダなどと一緒に食べるとバランスがよいかと。

 ただ、ガーリックの香りは、強いです。ほんとうに強い。オフィスなどで昼食として食べると、付近の人々から冷たい目で見られるかもしれません。人と会う予定の前には食べないほうがよいかもしれません。

ガーリックの香りは笑ってしまうぐらい強い

 ちょうど食べ終わる頃に、私は変わりすぎちゃったかな、と彼女が言ったような気がしました。いや、と僕は言いかけて、その言葉を飲み込み、なかなかおいしかったよ、ちょっと香りは強かったけれどね、と笑いました。それで、何もかも、十分なように思えました。

 ペヤングを好きな人にはもちろんのこと、いわゆる「塩焼きそば」が好きな人にも、試してほしい味になっていると感じます。まるか食品らしいシンプルさ、よい意味でのチープさは維持しつつ、定番商品の派生として、納得のいく完成度になっているのではないでしょうか。


モーダル小嶋

1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。ショートコラム「MCコジマのカルチャー編集後記」ASCII倶楽部で好評連載中!

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