第1章 テクノロジーで世界を変える
「テクノロジー・スタートアップ」とは、革新的な技術でまったく存在しなかった市場を開拓し新たな産業を創る、あるいはイノベーションで地球的課題を解決する、そんなスタートアップを意図して使っている。世界が抱える大きな課題を解決するには、テクノロジーが必要だ。最先端のサイエンスの研究成果が応用できるかもしれない。既存の産業を根底からひっくり返すような新しい技術がどんどん生まれている。
世界中の人々が、今では当たり前のように使っている製品やサービスも、当初は小さなスタートだったり、ほとんど見向きもされなかったということが多々ある。ゼロからスタートする革新は、ガレージやアパートの一室、大学のキャンパスでひっそりと始まるものだ。世界のどこかで、今日も何か新しいプロジェクトが始まっている。
本章では、テクノロジー・スタートアップの事例をいくつか紹介する。いずれも技術者や研究者が、自らのテクノロジーを社会に役立てたいと勇気を持って一歩踏み出すことから始まった。これらを成功事例として紹介する訳ではない。むしろ、まだほんの立ち上げたばかりという段階だろう。将来大成功するかもしれないし、それほど成功しないかもしれない。私は、結果はさして重要ではないと思っている。これらのスタートアップを立ち上げているテック起業家たちが、チャレンジして良かったと思えば、それで十分である。彼らが経験したスタートアップ体験は、将来何をやるにしてもとても役に立つと思うからだ。そんなチャレンジすることのすばらしさを少しでも伝えることが目的である。
起業するきっかけは様々である。ある出来事がきっかけで始まったり、思いが強くなって走り出したり、たまたまの出会いだったり、という感じだ。人生の転機は、ちょっとした一歩から始まる。皆さんにも十分起こりそうな話だ。それでは、すでに走り出しているテクノロジー・スタートアップのストーリーを少し見てみよう。
●SCHAFT ヒューマノイドの実用化を目指す
●Axelspace 小型人工衛星網で宇宙を活用
●WHILL 人々を笑顔にするパーソナル・モビリティ
●Elephantech 印刷する電子回路でモノづくり革命
●VLP Therapeutics がんワクチンで世界中の人々を救う
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