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東北を再構築!オール東北の起業家育成プログラム始動

2018年02月15日 07時00分更新

 こんにちは、一般社団法人MAKOTOの竹井です。
 起業家が必要! 起業家を増やそう! 今、産学官金さまざまな分野で起業促進の施策が行なわれています。成果が出ている施策もあれば、なかなか苦戦している所もあります。どうすれば起業家が増えるのか? 特に我々の本拠地である東北において、起業家を増やし育てるためには何が必要とされているのか? この大きな問題への新たな挑戦として、JPモルガンとともに今月スタートした新たな起業家育成プログラム「Tohoku Rebuilders」について今回はご紹介します。

「何から始めればいいのか分からない」という地方の起業家の悩み

 MAKOTOでは、東北各県においてさまざまな形の起業促進・起業家育成の事業を行なっています。

 以前本連載でもご紹介しました宮城県丸森町のように、拠点の整備や創業セミナー、個別のハンズオン支援など、その地域に入り込んでサポートすることが多くあります。

 その活動の中で、これから起業したいという方からの相談をよくいただきます。その中で一番多いのが、「起業したいとは思っているけど、何から始めれば良いのかわからない」という悩みです。また、すでに起業している方でも、事業創りや経営について、基本的な知識やノウハウを知らずに突き進んできた方も多くいます。

 首都圏のように頻繁に何かしらの起業関連のイベントがあれば別ですが、年に数回しかあるかないかの地方では、そのタイミングで起業しようとする人以外は基礎的な知識やノウハウを得る機会がないまま起業し事業を進めることになります。

起業家を育てるのは起業家

 起業家の成長にとって、ほかの起業家とのつながりはとても重要です。それも、互いに励まし合い、切磋琢磨できる仲間が必要です。強い志を持ち高い成長意欲を持っていても、1人ではなかなかやりきれないと思います。MAKOTOでもハンズオンで起業家の支援も行ないますが、ほかの起業家から受ける刺激ほど大きな力になるものはありません。

 ただでさえ起業家が少ない東北では、刺激をくれる仲間に出会うことも簡単ではありません。起業家の密度が低いため、仲間を見つけるためには、自分の地域を飛び越える必要もあります。

Tohoku Rebuildersプログラム始動

 東北の起業家に圧倒的に不足しているのが、「学習の機会」と「起業家同士のつながり」です。

 東北全体としてこの2つの問題にダイレクトに挑むため、JPモルガンの協力の下、新たな起業家育成プログラムをスタートさせました。

 東北各地に根付く価値観・技術・資源を事業に取り入れ、東北を再構築できる起業家を育てたい、という思いを込めて「Tohoku Rebuilders」と名付けました。ここからは簡単にこのプログラムの内容をお伝えします。

1.いつでもどこでも学べる環境

 いつでもどこでも起業や経営に関する基礎的な知識を学べるE-ラーニングを提供します。

 地方に行けば行くほど、起業や経営に関して学習する機会は少なくなります。知っていることとできることは別ですが、知らなければ何もできません。

 起業や経営の基礎の基礎から学べる20のコンテンツを東北全体に提供します。

E-ラーニングの画面イメージ。基礎からしっかり学べます

2.切磋琢磨できる仲間との出会い

 各県ごとに起業家を選抜し、MAKOTOからの支援だけでなく、起業家同士の学び・刺激の場を提供します。志や成長意欲を持った仲間と共に成長できる環境を東北全体に創ります。

 さらに、ここから成長した起業家に対して、ビジネスマッチングの機会も提供。次の世代のロールモデルとなる起業家の輩出を目指しています。

12月20日に行なったTohoku Rebuilders説明会。参加者同士の学び合いを体験してもらいました

東北で志を持って生きる人を増やすために

 地方創生の事業が各地で展開されていますが、地方がより良くなるためには、そこに生きる人がい続けなければなりません。

 Tohoku Rebuildersでは、東北で生きていくと決めた起業家を育成します。自分で起業する人もいれば、その起業家に雇用されることで東北で生きることができる人もいます。

 より良い東北を次の世代に繋ぐため、Tohoku Rebuildersを通して、東北全体の起業を盛り上げていきます!

■関連サイト

竹井智宏(一般社団法人MAKOTO代表理事)

著者近影 竹井智宏

1974年生まれ。東北大学生命科学研究科博士課程卒。2011年7月東日本大震災を契機に一般社団法人MAKOTOを設立。同月、米国カウフマン財団のカウフマンフェローに選出される。東北の起業家支援に力を入れ、日本初の再チャレンジ特化型ファンド「福活ファンド」を組成し、起業家の投資育成活動を展開。起業環境作りとしては、世界の若手起業家約12000人でつくる「EO(アントレプレナーズ・オーガニゼーション)」の東北支部「EO東北」の立上げに尽力。2015年、日本ベンチャーキャピタル協会より「地方創生賞」を受賞。2016年、日本財団より、日本で10人の「ソーシャルイノベーター」に選出。東北大学特任准教授(客員)。

●お知らせ
 Tohoku Rebuildersプログラムでは、東北で新たに事業を創る方や事業をより伸ばしていきたい起業家の皆さんの参加を募集しています(参加費無料)。
 E-learningプログラムは、希望者(東北在住もしくは東北で起業予定)は誰でも参加できますので、ぜひご活用ください。
 また、JPモルガンによる国内でのCSR活動については、こちらのサイトをご覧ください。

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 2018年3月22日(木)に東京・赤坂インターシティコンファレンスにて、IoT/ハードウェアの最先端スタートアップ・キーマンが集う体験展示+カンファレンス+ネットワーキングイベントを開催します。ブース出展企業の募集を開始しました。(1/31 第1次締め切り)

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