トロンフォーラム主催「2017 TRON Symposium」レポート
見た目ガムっぽい“やわらかビーコン”など最新IoTデバイス発表会
2018年01月18日 09時00分更新
スポンジを握れば柔らかい感触が戻ってくる人口手
マイクロテック・ラボラトリーの出している「リアルハプティクス人工手」にも驚いた。リモートで手の操作を行なうのは今までにもあったが、このプロダクトは力触覚があるのが特徴。従来の義手やロボットアームだと、力触覚がないのでうまくつかめないこともあった。しかし、「リアルハプティクス人工手」は操作している手元に、義手がつかんでいる物の感覚がリアルタイムにフィードバックされるため、よりリアルにつかめるようになる。高速動作するサーボモーターを搭載しており、手の甲に入るサイズで物をつかむ出力を得ているという。
実際に体験させていただいたのだが、手元のスイッチへの反動から、ジュースの缶を握れば固く、スポンジを握れば柔らかい感触が戻ってくるのにはびっくりした。
会場内には学生ブースも
大学のブースもいくつか出ていた。東京大学大学院情報学環の越塚研究室のブースでは、「UTsignage」の展示が行なわれていた。デジタルサイネージにさまざまな情報を表示するのだが、ユニークな機能を満載しているのだ。マイクで周囲の音声を拾って、キーワードをワードクラウドに表示したり、「English」と書かれたICカードで触れると画面表示が英語になったり、普通に電車の駅に置けそうな完成度だった。
龍谷大学長谷研究所からは、超小型のウェブサーバーを展示していた。ノートPCで簡単なゲームを動かしているのだが、そのデータはその横にあるコンパクトなサーバーに送られ処理されているとのことだった。
湘南工科大学工学部機械工学科大学院機械工学専攻の加藤研究室からは「汎用ツールホルダーに固定して試用する切削振動監視装置」、野中研究室からは「IoTを活用した運動モニタリングに関する研究」が展示されていた。
製品として販売されているものから、研究レベルのものまでさまざまなプロダクトに触れられたのは楽しかった。初見の成果物も多かったが、最先端の技術には驚かされることばかり。IoTの普及により、本当のユビキタス・ネットワーキングの実現はもうすぐそこまで近づいていると感じた。
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