マントラを使って本を「速く読む」(HACK127)
私はあまり速読には重きをおいていません。1冊の本を数十分でスキャンするように読める、写真を撮るようにページを記憶できると主張する人もいますが、たいていは内容に対する先入観に基づいた飛ばし読みに過ぎず、本を味わうことにはつながらないからです。
それでも、平均的な速度を上げるために気をつけることができることはいくつかあります。何も考えずに読みはじめるのではなく、あらかじめ目次や節見出しを頭に入れて本の構造を立体的に構成しながら読むことや、ページ中の意味を探しながら読むスキミングという方法を意識して読むことなどです。
人によっては、声に出さずに意識の中で音読をしてしまうという癖をもっている場合もあります。これを抑制して、目の動くスピードで読むことができれば、読書を加速することが可能です。
こうした心の中の声を抑制する方法として、私が師事した高校の心理学の教師が勧めてくれたのが、無意味な言葉を読み上げながら目で文章を追うという方法です。
意味のある言葉だと読んでいる内容と干渉してしまいますので、その人は「Inger(インガー)」という意味のない文句を頭の中で唱えながら目を走らせることを教えてくれました。
頭の中で文章を読み上げそうになった場合は、舌の上でこうした無意味な言葉を仏教のマントラのように転がしつつ、目だけを素早くページの上に走らせます。このとき、ページの一番端まで目を動かすのではなく、中央部分を往復することで視界の端に行端が引っかかるようにして読むとさらに効果的です。
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