ファーウェイ・ジャパンとDolby Japanは共同でメディア向けセミナーを開催。ファーウェイのモバイルPC「HUAWEI MateBook X」において、PCとしては初めて対応したという「Dolby ATMOS Sound System」について解説した。
オブジェクト単位で位置情報を記録するDolby ATMOS
MateBook XはDolbyがデザインに関与したスピーカーを内蔵する
Dolby ATMOSの解説を行なったDolby Japanの白柳 亨氏によると、Dolby ATOMOSを理解する上で欠かせないキーワードは「オブジェクトベースオーディオ」だという。
従来のサラウンド技術は、チャンネル単位でどの音を再生するかという情報が記録されている「チャンネルベース」であるのに対し、オブジェクトベースであるDolby ATMOSでは、各オブジェクトについて、音とともに位置座標が記録されている。この情報を用いて、スピーカーの数や位置など、それぞれの環境に合わせて、実際に再生する機器側が適切にレンダリングしてサウンドとして再生するというわけだ。
Dolbyの技術はホームシアター向けのみならず、映画館などでも広く採用されているが、Dolby ATMOSの場合、ホームシアター向けの規格ではフロアに24個、サブウーファー、天井に10個の最大34.1スピーカー(24.1.10ch)に対応。映画館向けではさらに最大64スピーカーとなる。もちろんこれはあくまで現時点での規格であり、今後のスピーカー技術やプロセッサの処理性能の進化により、さらに多くのスピーカーを扱えるようになるかもしれないとのことだ。
そんなDolby ATMOSの再生環境を、PCで実現するにはさまざまな課題があった。具体的には、音が小さい、音量を上げると歪む、筐体がびびる、音が篭もるなどだ。こうした問題を解決すべく、ドルビーが持つオーディオの専門技術を活かして、ファーウェイと共同開発したのがHUAWEI MateBook Xとなる。
とはいえ、実は“Dolby ATMOS対応”をうたうノートPCはこれまでもいくつか存在する。これに対して、Dolby ATMOS Sound System対応の同機は、Dolbyがカスタムデザインしたスピーカーや最適化されたソフトウェア、内蔵スピーカーで没入感あふれるサウンドの再生が可能など、Dolbyの関わりがさらに深くなったモデルと考えるのが良さそうだ。また、Dolby ATMOS対応コンテンツのみならず、それ以外の動画や音楽についても、より高品質に楽しめるのも特徴となる。
ファンレスなのでコンテンツを楽しむ際にノイズ無し
薄型筐体に横長の大型スピーカーを搭載
ファーウェイ側は、HUAWEI MateBook Xの開発時のポイントを紹介。コンテンツを楽しむ上でノイズは不快な体験となる。そこでHUAWEI MateBook Xでは航空宇宙技術でも用いられているというクーリング技術でファンレス設計を実現。高性能なUプロセッサを採用しながら、負荷がかかった状態でもファンノイズが聞こえない。
また、サウンド面では横長方向にスペースを稼ぐことで12.5mmの薄型モバイルノートでありながら、ボリュームを上げても歪まないステレオスピーカーを搭載。その下に制振板を用意することでビビり音は発生しない。
もちろん映像を楽しむにはディスプレーも重要ということで、2K解像度(2160×1440)の13型IPS液晶を採用。1000:1のコントラスト比や色再現率の高さも特徴だが、さらに従来のPCメーカーではなかったような超狭額縁により、視聴中に余計なものが目に入らないというのも魅力となっている。
重量が約1.05kgのモバイルPCということで、持ち運んでどこでも仕事ができるという点に注目が集まりがちな「HUAWEI MateBook X」だが、自室や出張先などでコンテンツを楽しむのにも適しているという点があらためてアピールされたセミナーとなった。
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