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ファーウェイ、Leicaダブルレンズカメラの開発ストーリーを紹介

2017年11月08日 21時30分更新

 ファーウェイ・ジャパンとライカカメラジャパンはライカ銀座店の2階にある、ライカプロフェッショナルストア東京でメディア向けセミナーを開催。HUAWEI P9で初搭載されたLeicaダブルレンズカメラ開発に至るストーリーについて紹介した。

ライカとの共同開発のデュアルレンズを搭載する「HUAWEI P10 Plus」

ライカの小型カメラ誕生からちょうど100年を経て
ファーウェイとのコンタクトがスタートした

 まず、登壇したライカカメラジャパン株式会社 企画部 米山和久氏は、あらためてライカのブランドと歴史について紹介した。ライカは、1849年にカール・ケルナーがレンズや顕微鏡を開発するために、ドイツ・ヴェッツラーに設立した研究所がその前身。その後、事業を受け継いだエルンスト・ライツが社名を変更するとともに、1907年にライカのブランドを持つ双眼鏡を開発した。

ライカの歴史を振り返る。創業の地であるヴェッツラーには今も開発・生産拠点が集約されている

 そして同社に入社したオスカー・バルナックがカメラの歴史を大きく変える。1914年に露出計として小型カメラのプロトタイプ「Ur-LEICA」を開発。現在にまでつづく35mmフォーマットの産みの親となる。実際に量産されるのは1925年のLEICA I型が初めてで、誰でも持ち運べて、気軽にかつ高画質に撮影できる小型カメラが、フォトジャーナリズムをも生み出すこととなる。

 その後も1954年に登場した「LEICA M3」を初めとして名作を次々と送り出した同社は、デジタルカメラやコンパクトモデル、他社との技術提携など、カバーするエリアを広げつつも高性能・高画質にこだわる製品をリリースしている。

ライカの代表モデルと言えば、やはり「LEICA M3」。今ではデジカメのラインナップも強化している

 その延長線上にファーウェイとの協業もある。ファーウェイによると、同社がライカに最初にコンタクトを試みたのは2013年冬だったが、当初は丁寧にお断わりされ続けたという。ライカのトップを含めて、ようやく実際に話し合いができたのは2014年夏。そこから両社がスペシャルチームを作って、具体的な協力関係に入った。

ファーウェイとライカの協業は2014年にスタート

ライカ基準の厳しいテストや品質管理に苦戦

 ただ、その開発過程はファーウェイにとっても想像外のことが多かったとする。たとえば、撮影時に強い光がレンズに入るとゴーストやフレアが発生するが、それを確認するためのテスト用光源としてライカが設定したものは、それまでファーウェイがテストしていたものより数十倍明るいものだったという。

 スマホに搭載するカメラモジュールの品質テストにも、ライカ製レンズの基準を適用することが求められ、その結果は歩留率が10%以下という結果に。ただそこには妥協はなく、レンズの調整など改善策に取り込むことになった。

ライカの品質基準を適用すると100作っても合格したのは10以下だったという。また色の再現性という部分では140のカラーチップを正確に再現することが求められた

 このような厳しい開発過程を経て生み出されたHUAWEI P9のサンプル機ながら、2016年の1月時点でもライカが求める画質には至っていなかったのだという。ただ、その後も着実にアップデートを加え、2016年4月にロンドンで正式発表されることになる。

 LeicaダブルレンズカメラはそのHUAWEI P9に始まり、昨年末リリースのHUAWEI Mate 9、今年リリースのHUAWEI P10/P10 Plus、そして海外ではすでに発表されているHUAWEI Mate 10と同社のフラグシップ機に欠かせない機能となっている。そしてその流れで公表されたのが、11月28日に「次世代スマホ日本上陸」というもの。シルエットからもHUAWEI Mate 10シリーズであることが予想できるが、カメラのクオリティーも含めて、期待を膨らませたところで今回のセミナーは終了した。

ファーウェイ製スマホのデュアルレンズはiPhoneシリーズとは異なり、RGB+モノクロの組み合わせ。これが高い質感の写真を生み出す

新たなLeicaダブルレンズカメラ搭載機の11月28日国内リリースが予告された

会場はライカのプロ向けストアということで、HUAWEI P10 Plusのカメラと同じ名称の「SUMMILUX」レンズをセットしたMシリーズや、200万円以上の価格である中判一眼レフカメラなども展示


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