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池澤あやか×ダイドードリンコ 髙松富也社長 対談

「IoT化」した次世代型自販機がユーザーにもたらす価値とは?

2017年11月08日 15時00分更新

■コンビニは約5万5000店、ダイドー自販機は約28万台

池澤:自販機が地域に密着しているというのは、とても納得できます。私自身も、学生時代にいつも使っていた自販機がありました。自宅やオフィス、学校の近所にあるとか、通勤・通学の通り道にあるという理由で特定の自販機を使っている人は多いでしょうね。

ダイドードリンコ本社は大阪の中之島。池澤さんが東京の手土産に「東京かみなりや」のお菓子を持参してくれました。おしゃべりしながらいただきまーす!

髙松社長:そうなんです。なので、情報配信のプラットフォームとしても、もっと活用していきたいと思っています。Smile Town Portalも今はお店の情報だけなんですが、今後は飲料を購入しなくても、行政からの情報だったり、お祭りなどの地域情報も配信できないかな、と考えています。お客様の役に立つ情報であれば、なんでも可能性はあります。

池澤:自販機に近づくだけでいろんな情報が手に入るなんで、おもしろいですね。自販機って、各地域に置いてあるので、とてもよい窓口になりうると感じます。ダイドードリンコの自販機は今、全国に何台くらいあるんですか?

池澤さんは「ダイドー ブレンド デミタス 微糖」がお気に入り。髙松社長が個人的に気にっているのは定番の「ダイドーブレンド ブレンドコーヒー」。

髙松社長:約28万台が稼働しています。ちなみに、コンビニエンスストアの店舗数は全国で約5万5000店と言われています。

池澤:コンビニの数を聞くと、28万台というのはすごい規模ですね。

髙松社長:現在はそれらに順次、通信機能を搭載して、Smile STAND対応にすることを進めています。我々の自販機のネットワーク化が進めば、活用の可能性はさらに大きく広がります。

池澤:どのくらいの台数をSmile STAND対応にするんですか?

池澤さんは国内の自販機普及の規模にびっくり。

髙松社長:なるべく早く15万台を実現するべく頑張っています。

池澤:コンビニの3倍! それだけの数の自販機に通信機能を搭載すると世界が変わりそうですね。お話をお聞きしていると、ダイドードリンコは自販機を「単に商品を売る機械」以上の存在にしようとしてると感じます。髙松社長ご自身は、自販機をどういう存在にしたいとお考えなんですか?

髙松社長:私は、自販機は「世の中になくてはならない存在」になるべきだと考えています。言ってみれば、人々の生活に欠かせない街のインフラですね。先ほど、コンビニエンスストアの店舗数に触れましたが、コンビニエンスストアの進化は参考になります。最初は商品を売るだけだったのが、ATMが置かれたり公共料金の支払いや宅配便の発送ができるようになるなど、どんどんと機能が加わって、今では必要不可欠な存在になっています。

池澤:たしかに。私自身も、コンビニエンスストアがない生活は考えられないですね。

髙松社長:もちろん自販機は、コンビニエンスストアとまったく同じではありません。ですが、同じような発想で機能を加えていって、いろんなことができる拠点にしたいというのが私の考えです。商品購入だけでなく、自販機で“プラスα”の価値も提供したいんです。先ほど少し言いましたが、「飲料を買えるだけではなく、日々の生活をワクワクさせるものにしたい」という思いが、発想の原点になっていますね。

腕時計が、髙松社長は「Withings Activite」、池澤さんは「Nokia Steel」と、共通してスマートウォッチでした。髙松社長は趣味の登山やランニングにスマートウォッチを活用しているとのこと。

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