ケータイ・アンテナマニアには物足りない?
ジオラマの創作意欲がわいてくるかも
ちょっと残念なのは、道行く人の手には携帯電話がにぎられていないこと。さすがに、縮尺が小さいのでひとりひとりの手に端末を持たせるのは難しかったのでしょう。
屋根を見ても、携帯電話基地局のアンテナはなくTVアンテナがあるのみ。香港の街中を歩きながら上を見上げると、あちこちに携帯電話のアンテナが見られます。ちょっと前なら「900MHzだ」みたいなアンテナマニアの楽しみもあったのです。そんな風景もぜひ再現して欲しいものです。
ミニチュア展には街の風景だけではなく、レストランや宝石店など商店の展示もありました。こちらはいまも街中にある新聞スタンド。香港では雑誌はコンビニのほか、この手の新聞スタンドで買うのが一般的です。
朝に新聞を買うとティッシュをひとつ付けてくれる店がほとんど。このミニチュアでも右側を見ると新聞の上にティッシュが置かれています。
さて、置いてある雑誌を見てみると、このミニチュアは本物の雑誌を小さくして置いているようですね。近寄って見てみると、香港のPC系雑誌「PCM」と「e-zone」の2誌が並んでいます。e-zoneの表紙には「小米(シャオミ)」の文字も。こうして本物の縮小版が並んでいるとリアル感が高まります。
リアルなミニチュアと言えば、1970年代を再現したこちらのおもちゃ屋が有名です。作者の方がコレクションした多数のミニチュアをそのまま店頭に並べているのです。
香港は昔から日本のおもちゃの輸入が盛んで、日本のキャラクターもかなり昔から人気があります。おもちゃ屋の店頭を見ても「ウルトラマン」「仮面ライダー」「ロボコン」などが並びます。
その中には、エポックが1984年に発売した「スーパーカセットビジョン」のミニチュアも。指先程の大きさですが、箱も本体も再現性が高く、これだけでもかなりの価値がありそう。そういえば日本でも以前「ケータイフィギュア」が発売されたことがありますが、携帯電話やスマートフォンのミニチュアを並べた店をつくってみたいものです。
ミニチュア展には残念ながら携帯電話ショップやSIM屋台はありませんでした。もしかすると香港の誰かが作成しているかもしれませんが、今回は日本での展示。SIMが並んだ屋台を見ても日本の人は「これ何を売っているの?」と、理解してくれないでしょう。
このミニチュア展は過去にも日本で開催されて好評だったとのこと。昭和時代の日本に通じる部分もありますし、いまもエネルギッシュな香港の歴史を垣間見ることもできます。
筆者もいつかは香港の携帯ビル「先達廣場」付近や、SIM屋台とジャンク端末屋台が並ぶ街中のミニチュアをつくってみたいものです。
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