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夏の終わりのベルリンで「Xperia XZ1」発表、そろそろ新たな一歩に期待

2017年09月08日 10時00分更新

 ドイツ・ベルリンで開催された家電見本市「IFA 2017」では、ソニーモバイルが「Xperia XZ1」シリーズを発表しました。筆者も台北、ニューヨークに続く海外取材の第3弾として、8月末にドイツ入りしました。

IFA 2017で発表された「Xperia XZ1」。日本では2017年冬モデルの本命になりそうだ。

 この時期、ベルリンでは気温が大きく下がることで秋へと切り替わる日があるのですが、Xperia XZ1が登場したのはまさに最後の夏日。その中身は冬モデルの本命になりそうな製品に仕上がっています。

地味な外観と名前だが、中身は着実に進化

 Xperia XZ1を最初に見て気になったのは、その地味な外観と名前です。最近では各社が画面占有率を競っている中で、Xperia XZ1の外観は以前と比べて変わり映えがなく、広大なベゼルが上下に残っています。

 この部分に配置されたステレオスピーカーは新設計により音圧が50%向上したとはいえ、有効活用されていない空き地のように見えるのは残念なところ。また、「XZ1」という名前も予想通りとはいえ、XZ、XZs、XZ1と続いたことで、どれが新しいのか分かりにくくなっています。

 このように筆者の第一印象はイマイチでしたが、実機を手に取ってみると悪くない印象です。XZ1は本体が確実に薄くなっており、進化した感があります。

本体厚は7.4mmになり、10%近い薄型化を果たした。手に持って薄さを実感できる。

 カメラは他社のようにデュアルではないものの、1つのカメラだけを使って3Dスキャン機能を実現しているのは面白い点です。秒間10コマの連写でオートフォーカスが効き続ける機能や、笑顔を自動検出してシャッターを切る機能も地味に進化しています。

3Dスキャンで顔を取り込み、ARや3Dプリンターで遊べる機能。他社は2つのカメラを使うところを、1つのカメラだけで実現した。

連写時のAFも進化。こちらに向かって飛んでくる鳥を連写した場合、それぞれのコマでしっかりピントが合っていた。

 コンパクト版の「Xperia XZ1 Compact」も登場しました。本体が厚ぼったい印象は前モデルのXperia X Compactから変わっていないものの、今回は「フラグシップのコンパクト」として、SoCはSnapdragon 835、メモリは4GBとXZ1相当に強化されています。

「Xperia XZ1 Compact」の厚さはほぼ変わっていないが、フラグシップのコンパクトとして納得できるスペックだ。

 XZ1との違いとして、画面解像度がHDのため対応コンテンツが少なくHDR対応が見送られたこと、フロントカメラの画素数が少ないこと、LTEの最高速度が異なること、USB Type-Cが2.0であることなどに注意したいものの、XZ1をそのままコンパクト化したモデルとして人気が出そうです。

そろそろ次の一歩も踏み出してほしい

 会場に展示されたXZ1、XZ1 Compactは、両機種ともに技適マークがあり、日本での発売も期待できるところ。実際に発売するかどうかは大手キャリアの発表を待つことになるものの、冬モデルの本命になることは間違いないでしょう。

 一方で、「Xperiaらしさ」をしっかり継承しようとするあまり、保守的になっている感はあります。そういう意味では、IFA 2017で同時発表したスーパーミッドレンジ機「Xperia XA1 Plus」は、SIMフリー機としての発売を期待したくなる存在です。

「Xperia XA1 Plus」。MWC 2017で登場したXA1とXA1 Ultraの中間に位置するモデルだ。

XA1 Plusはついに指紋センサーを搭載。同価格帯の他社機と比べても見劣りしなくなった。

 最近、日本では大手キャリアからMVNOへの移行が進んでおり、ファーウェイやASUS端末を手にするユーザーが増えています。

 今後もXperiaシリーズを大手キャリアのみが販売する状況が続けば、MVNOに移行したユーザーの「Xperia離れ」が進むはず。解約したドコモ版Xperiaに格安SIMを入れるなどの手はあるものの、そこまでする人はなかなかいないでしょう。

 すでにMVNO事業としては、ソニーモバイル子会社が運営する「nuroモバイル」が一定の成功を収めています。次はSIMフリー端末についても、新たな一歩を踏み出す時期に来ているのではないでしょうか。

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