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SNSアプリが同時起動する「Idol 5」シリーズなどもお披露目

TCLが日本発売予定の「BalckBerry KEYone BLACK EDITION」などを展示

2017年09月06日 16時30分更新

文● 山根康宏、編集● ASCII編集部

 IFA 2017のTCLブースには、アルカテルとBlackBerry両ブランドの最新スマートフォンが展示されていました。日本投入予定モデルも展示されており、発売日が気になるところです。

BlackBerry KEYoneのブラックエディションは日本発売予定

 TCLは2016年12月にBlackBerryとライセンス契約を結び、BlackBerry端末の製造や販売を手掛けています。その第1弾となる「BlackBerry KEYone」は2017年6月29日から日本でも販売されています。

BlackBerryとアルカテルの2ブランドが並ぶTCLブース

 8月には本体をブラックカラーとし、メモリー容量などを引き上げた上位モデル「BlackBerry KEYone BLACK EDITION」がインドで発売されました。IFA 2017ではこの製品のグローバル展開が発表され、日本でも発売されることが決定しました。すでに日本の販売代理店も9月下旬の発売をアナウンスしています。

全体が黒一色になったBlackBerry KEYone BLACK EDITION

 BlackBerry KEYone BLACK EDITIONのスペック、はSoCがSnapdargon 625(2GHz、オクタコア)、メモリーは3GBから4GBに、ストレージは32GBから64GBへと容量が増えています。リア1200万画素カメラ、フロント800万画素カメラは変わっていません。通常モデルの価格は税込6万9800円でしたが、BLACK EDTIONはカラー変更とスペックアップの上位モデルとなり、税込7万9800円で販売されます。

 QWERTYキーボード愛好者にとってもBlackBerry KEYoneは気になる存在でしょうが、メモリーが4GBに増えたことで、全体的なパフォーマンスは上がっているとブース担当者は話していました。また、BlackBerry本来の黒一色の落ち着いた色合いが来場者の間でも評判になっているとのこと。

側面のフレーム部分もブラック仕上げ

背面はカメラの回りもブラックに

 正面から本体を見ても、ベゼル部分やキーボードの外周部分がシルバーからブラックになったことで、より高級感が増したと言えます。本体サイズは変わりませんが、BLACK EDITIONのほうがよりスリムになった印象を受けます。本体カラーとスペックを変えた2つのモデル展開は、ブラックベリーファンにとってどちらを選ぶか悩ましいことになるでしょう。

アルカテルの「Idol」は「5」「5S」の2モデルが登場

 アルカテルブランドのスマートフォンは4機種が発表されました。このうち最上位モデルの“Idol(アイドル)”シリーズは「Idol 5」「Idol 5S」の2機種が登場。2016年モデルの「Idol 4」「Idol 4S」の発表が2016年2月だったので、約1年ぶりのモデルチェンジとなります。

IFA 2017で発表された「Idol 5」(左)と「Idol 5S」(右)

どちらのモデルもカメラは左上に、中央に指紋認証センサーを備える

 Idol 5Sは上位モデルでIdol 4の後継モデルと言う位置付け。5.2型フルHD(1080×1920ドット)解像度ディスプレーに、SoCはMediaTekのHelio P20(2.35GHz、オクタコア)を搭載。メモリー3GB、ストレージ32GBでカメラはリア1200万画素、フロント800万画素。本体のデザインは正面から見るとIdol 4と同じ上下対称のシンメトリックな形状。一方、背面側はカメラが右上に移動し、中央上部に配置されていたIdol 4から大きく変わりました。

Idol 4とほぼ同じデザインのIdol 5S

 固有機能としてはIdol 4から採用された側面の“Now Key”を引き続き搭載し、設定したアプリや操作をワンボタンで呼び出すことができます。また、フルHD解像度ながらVRに対応し、専用の外付けVRヘッドセットも提供。アルカテル独自のVRストアからゲームなどのコンテンツがダウンロード可能です。予定価格は399.99ユーロとのこと。

 なお、Idol 5SにはSoCにSnapdragon 625を採用した米国向けモデルも存在します。こちらはすでに2017年7月から280ドルでアメリカで販売されているとのこと。グローバル版との違いはディスプレー上下に配置されるスピーカー部分の色がシルバー(グローバル版はダークグレイ)で、Idol 4に近いカラーリングとなっています。

側面にはカスタマイズ可能なボタン「Now Key」を搭載

専用のVRヘッドセットも販売。独自のVRコンテンツが利用できる

 Idol 5はSoCにMediaTekのMT6753(1.3GHz、オクタコア)を搭載した低価格モデル。メモリー3GB、ストレージ16GB、メインカメラ1300万画素、フロントカメラ500万画素という構成。価格は239.99ユーロと、Idol 4登場時の価格(279.99ユーロ)より下げられました。

Idol 5Sとは本体デザインの異なるIdol 5

 Idol 5にはIdol 5Sの側面にある“Now Key”はありませんが、ソフトウェア上で画面に表示できる、フローティングウィンドウ式のNow Keyが搭載されています。半透明の丸いボタンをタップすると、それを囲むようにショートカットアイコンが出現し、指定したアプリや操作をワンタッチで起動できます。

Idol 5の「Now Key」はソフトキー

アプリや操作を登録可能。最大8パターンを保存し切り替えて使える

 また、SNS時代ならではの機能も新搭載しています。これは主要なSNSアプリを複製化し、同じアプリを2つ同時起動、別々のアカウントを利用できるというもの。利用できるのは指定アプリだけで、システムの設定からアプリを2つ使うか、ひとつだけにするか設定可能です。現時点で対応するのは「WhatsApp」「Facebook」「Instagram」「Facebook Messenger」「Snapcat」の5つ。説明員によると今後は中国のWeChatや日本のLINEなど、ほかのアプリへも対応予定とのこと。

FacebookやInstagramのアプリが2つ見える

設定画面のApp Clonerで2つ利用したいアプリを選択。今後他のSNSアプリにも対応予定

 なお、今回の新モデルでは昨年のハイスペックモデル「Idol 4S」に相当する5.5型QHD(1440x2560ドット)高解像度ディスプレーを搭載する端末は登場しませんでした。これはハイエンドモデルはBlackBerryへと製品のブランド展開を図るためと考えられます。

 Idol 5、Idol 5Sの日本への展開は、ブース説明員によると「アジア各国を含めて検討中の段階」とのこと。日本ではこれまでにもIdolシリーズが投入されてきたことから、どちらかのモデルの投入を期待したいもの。現在販売されているIdol 4とのデザイン上の差別化や、SNSアカウントが使えることを考えると、Idol 5をぜひ日本に投入してほしいものです。

デュアルカメラ搭載モデルなど普及価格帯の2機種も登場

 アルカテルが得意とするミドルレンジモデルも「A7」と「A7 XL」の2機種が発表されました。Aシリーズの立ち位置はエントリーモデルより上となり、型番の数字が大きいモデルほど高性能です。今回のA7の2モデルは、Aシリーズの中で最上位に位置するハイエンドモデルです。

6型の「A7 XL」(左)と5.5型の「A7」(右)

 A7はブラックボディーにゴールドの縁取りを加えた高級感ある本体に1600万画素カメラを搭載。4000mAhと大型バッテリーで2日程度の連続利用も可能となります。またこのクラスの製品としては高速なLTE Cat.6に対応。主なスペックはMediaTekのMT6750T(1.5GHz、オクタコア)、メモリー3GB、ストレージ32GB、5.5型フルHD解像度ディスプレー。デザインとパフォーマンスに優れた製品と言えるでしょう。価格は229.99ユーロ。

デュアルカメラを搭載、カメラ機能はボケに加えマニュアルモードも

1200万画素と200万画素カメラが縦に並ぶ

 A7 XLはA7を大型化したモデルで、6型フルHD解像度ディスプレーを搭載。SoCはMediaTekのMT6750S(1.5GHz、オクタコア)、メモリー3GB、ストレージ32GBで、基本スペックはA7とほぼ同等。最大の特徴はデュアルカメラの搭載で、1200万画素+サブ200万画素の構成となります。サブカメラはボケのコントロールに利用され、リアルタイムのみならず撮影した後の写真のボケを調整することもできるとのこと。なお、バッテリー容量はこちらも4000mAh。デュアルカメラで撮影した写真や動画を楽しむ、カメラスマートフォンという位置づけの製品と言えます。価格は279.99ユーロ。

ブラック&ゴールドで高級感が増したA7

カメラ周りには余計な数値の表示も無く、美しい仕上げ

 どちらのモデルもアジアやヨーロッパの一部の国で展開予定とのこと。ただし、日本への投入はスペックが低いことから可能性は低いでしょう。同じAシリーズで背面にLEDカバーを装着し、通知や音楽再生などに合わせて色が変わる「A5 LED」といった、特徴のある機能を持った製品をぜひ日本で販売してほしいものです。

LEDカバーが楽しい「A5 LED」


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