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Android内蔵で「PN-B501」「PN-B401」

シャープ、コントローラ内蔵で配線スッキリのサイネージ向け新ディスプレー

2017年08月25日 12時20分更新

 シャープは8月25日、コントローラー機能を内蔵しシンプルな設置が可能な“インフォメーションディスプレイ”の新製品2モデルを発表した。50V型の「PN-B501」は12月上旬発売で、実売価格は税別で18万円、40V型の「PN-B401」は11月上旬発売で、実売価格は税別で13万円になる見込みだ。

 合わせて配信向けのサイネージソフトウェア「e-Signage Sシリーズ」も発表。11月上旬から各版を順次出荷する。参考価格は最上位のWEBサーバー版(PN-SW25)が税別で90万円、Pro版(PN-SS25)が税別で63万円、ネットワーク版(PN-SS25)が税別で36万円など。これに構築費などが追加される。

 なお、従来4万円ほどで販売されていたe-Signage対応のビューアーはインフォメーションディスプレイにあらかじめ組み込んだ形で出荷するという。

配線をシンプルにし、流通・店舗で気軽に導入できるように

 シャープは、サイネージディスプレーで「街を変える」「オフィスを変える」をテーマに、ハードだけでなく、コンサルティングや配信サービスまで含めて一括した対応できる点が強み。駅のポスターを動画に変えるを打ち出して、2005年から約12年にわたる取り組みを続けている。

ビジネスソリューション事業本部 ビジュアルソリューション事業部 商品企画部長の村松佳浩氏

 交通広告では、大画面が求められる。駅張りのポスターは高額であるため、1社で占有するのが難しい場合も多い。この点、デジタルサイネージでは複数のクライアントが時間単位で表示場所を共有でき効果的だ。さらに目立つ柱巻きなどの導入も進んでいる。以上の要因から、業種で見た場合、交通・運輸のジャンルの普及率は、すでに潜在需要の54%を占めている。

 国内のデジタルサイネージ市場の潜在需要についてシャープは、合計約445万台を見込んでいる。その約半数を占めるのが、流通・小売・飲食など(255万台)だ。しかしこの業種での普及率は10%ほどで、交通・運輸のジャンルに比べて低い。ここに大きな伸びしろがあると考えている。

天井・情報の設置でも配線が少なくメリットがある

 PN-B501/B401は、コントローラ機能を内蔵することで、STBやPCの接続なしでシンプルに設置できる点が特徴だ。配線がスムーズになるほか、設置や撤去の手間も減る。さらに壁面や天井に設置するといった置き場所の柔軟性も持つ。

写真のように後ろが空いているイーゼルタイプの台座でも、ケーブル配線などが見苦しくならないのはメリットだ

 USBメモリー内の保存した動画・静止画ファイルの表示や、HTML5ブラウザーなど、多彩なアプリを標準搭載する。かつ拡張ボードで機能追加が可能だ。内蔵コントローラーはOSにAndroid 4.4を採用。4コアのCortex-A17、2GBメモリーを内蔵した余裕のあるスペックだ。グーグルのCTS認証も取得予定で、圧縮効率が高いH.265/HEVCでの再生にも対応する。

 本体にはランチャーソフト、e-Signage Sプレーヤー、従来バージョンの配信に対応したe-Signage 4.7 Androidビューア、動画・静止画の再生ができるメディアプレーヤー、HTML5ブラウザーなどを組み込んだうえで出荷する。

既発売の拡張ボードを組み合わせて機能強化できる

 またMini OPS互換の拡張スロットを装備。LAN経由で最長100mの距離で映像・音声・制御信号を伝送できるHDBaseT受信ボード「PN-ZB03H」、Windows 10 IoT Enterprise 2015 LTSBを搭載し、Windows用のソフトや周辺機器を利用できるコントローラーボード「PN-ZB03C」、無線でWindowsやmac OS、スマートフォンなどの画面を共有できるワイヤレスボード「PN-ZB03W」といったオプションを用意する。

 合わせて、配信ソフトもe-Signage Sとしてメジャーアップデートした。

 e-Signageはシャープのサイネージ事業参入初期から投入しており12年の歴史を持つ。e-Signage Sでは、運用性と操作性を強化した。注力機能のひとつフォルダ連携は、シャープ独自の特徴。デジタルサイネージでコンテンツを作って配信する際、通常は静止画を登録し、番組表を作り、送り込む。サイネージ内に静止画エリア/動画エリアを作り、そこに出すコンテンツを入れるフォルダを指定しておくと、あらかじめ指定した条件に沿って順次その中身を表示できる。例えば現地に管理者がいない場合でも、ユーザーは撮った写真をフォルダ内に入れておくだけでよく、直感性が高い。

 サイネージの運用では、配信スケジュールやコンテンツを本部が集中管理する方法が取られることが多い。一方、フォルダ指定の機能を使えば、管理者は「この時間にはこのフォルダのコンテンツを表示する」という設定だけをしておき、内容に関しては現場にいるユーザーに任せられる。地域や店舗に合わせたコンテンツが必要な場合には、レイアウトフリー枠を用意し、その運用は現場や店舗に任せるといった役割分担が可能になる。

 e-Signage Sには、USBメモリーを使うスタンドアロン版、、ネットワーク配信(100台)、100台規模の配信に対応したPro、複数の管理者でやる場合はWEBサーバー版がある。ターゲットとしては店頭設置を中心としたリセール用途に加え、ショッピングモールや教育機関・オフィスのサイネージを想定している。

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