6月のCOMPUTEX台北2017において、ASUSはたくさんの新製品を発表した。Max-Q搭載の薄型ノート「ROG Zephyrus」はその頂点だが、初日にフラッグシップモデルとして発表したのが、新「ZenBook Pro(UX550)」である。日本では8月4日に出荷が開始となったので、製品版を試用してみた。
狭額縁+4コア+GTX搭載の
最強15インチモバイルノート
6月のCOMPUTEXで公開された「UX550」は、15.6型4K液晶を狭額縁で搭載したスリムノートながら、最新の4コアCPUであるCore i7-7700HQに、NVIDIA GeForce GTX1050Ti、そして1TBのPCIe×4のSSD、さらに16GBのDDR4メモリーにWindows Helloの指紋認証も搭載。バッテリー駆動は14時間で厚みは18.9mm、重さはなんと2kgを切る1.8kgとなっていた。
6月21日に日本向け製品として発表となったのは「UX550VD-7700」と「同7300」という2モデルで、色は「ロイヤルブルー」のみである。
「7700」はCPUがCore i7-7700HQで通常2.8GHz、TurboBoost時3.8GHzで動作する。SSDは512GBでバッテリー駆動時間はJEITA2.0基準で約11.3時間。7300はCPUがi5-7300HQでSSDは256GBで駆動時間は約11.9時間だ。
CPUとSSDサイズ以外のスペックは両機種とも同じで、メインメモリはDDR4-2400を16GB搭載。15.6型のIPS液晶は、4KでなはくフルHD(1920×1080ドット)だが、狭額縁でノングレアでノンタッチ(!)とクラムシェルとして確固たる信念をもったデザインである。
グラフィックはGeForce GTX1050で、グローバルで発表となった「Ti」ではないのがちょっと残念だが、VRAMはGDDR5を4GB搭載する。
オーディオは、おなじみHarmanKardonマーク入りで4スピーカーを搭載。従来比1.6倍の周波数特性と2.5倍の音量を再生可能という。キーボードの左右に2つ、本体底面の手前側に2つスピーカーを設置している。
インターフェースは本体の左右にすべて搭載しており、左側にはUSB 3.1 Gen2(Thunderbolt)のType-C端子が2つ並ぶ。右にはUSB 3.1 Gen1のType-Aが2つと、左右に各々を振り分けるのではなく、左はCだけ、右はAだけとわかりやすいレイアウトである。電源入力はType-C端子とは別にあり、Type-C端子から本体に充電はできない。
ほかにはフルサイズのHDMI端子とコンボオーディオジャック、microSDカードリーダーが配置されている。また、日本ではType-Aを使う有線LANアダプターが同梱されている。
ACアダプターはなかなか大きいサイズ(約160×75×25mm)で、計測すると450gあった。出力は19V/6.32A=120Wと、サイズならではの高出力。
作りも使い心地も上品で
キーボード配列も絶妙なのだ
本体はいわゆるアルミニウム・ユニボディー。海外では「マットブラック」版もあるようだが、日本のロイヤルブルーは自分としてはとても好みの色である。銀パソがあまり好きではなく、ブラック大歓迎なオレではあるが、このブルーはとてもいい色なのだ。
天版は同心円状の模様が見えるが、表面はフラットでツルツルである。というかマットツルツルで、手の油はさほど残らない。ASUSのロゴはシルバーの鏡面仕上げで、持ち歩いているときはキラキラ反射するが、開けて液晶が点くと、白く発光するカワイイやつである。
液晶の左右の額縁は約8mm、上部は約11mmで、いま流行りの「スクリーン・ボディレシオ」(つまり底面積に対する液晶の面積)は83%とうたっている。ブルーライト低減機能も内蔵し、NTSC比は72%で、フルHDだが高精細で文字は読みやすく、明るさも十分だ。
キーボード面はフラットで高級感がある半マット仕上げで、周囲がダイヤモンドカットされていてキラリと光る。キーボードはこのパームレストの面より若干へこんでおり、液晶を閉じてもキートップが画面に当たらないしくみだ。
日本語キーボードはさすが15型だけあって、余裕の配列で、キーピッチは19mm。13型モバイルでありがちな、「け・む」キーが小さいとかリターンキーの幅が狭いといった不満もない。
ただ、変換や無変換キーがあるので、スペースバーは短く、VBNと3キーぶんの長さしかない。気に入らないヒト(おれだけ?)は、やはり英語キーボードを買いたくなるので、ASUSの日本サイトでも選べるようにしてほしいのである。キーは静かで会議中も気にせず打てる。
日本語・英語キーボードともに、リターンキーよりも右側に縦一列にキーが並んでおり、HomeやPage up/downが並ぶ。なにかをアサインしてうまい使い方を考えたくなる部分である。
タッチパッドは105×74mmと広大というわけではないが、表面の滑り具合は非常にいい。クリックはやわらかめで、クリック音はフツウだ。これも好みではあるが、オレ的にはボタンを別にしていただけるとありがたい。
あとクルクルスクロールも対応メーカー少ないですけど好きです。それから、海外モデルではタッチパッド内に指紋センサーが搭載されているようだが、どうせなら電源ボタンに組み込んでいただきたい今日このごろでございます。
タッチパッドの手前の部分は斜めにカットされていて、液晶を開く「とっかかり」になっている。なおかつ、インジケーターが仕込まれていて、ACの給電状態やバッテリー状態が一目でわかるのはありがたい。 底面にはスピーカーの穴しかなく、空気の取り入れ口はない。排気は液晶のヒンジ部分から出てくるので、吸気は左右のコネクタ部が担っているようだ。
本体のサイズは365×251mmで、デルXPS15の357×235mmには及ばないが、15型ノートとしてはコンパクトに仕上がっている。重さは1.84kgで、バッテリー容量は73Whある。XPS15のフルHDモデルは1.82kgだが、バッテリーは56Whだ。
もちろんCPU&GPUはパワフル
バッテリーの持ちもよく、充電も高速で◎
さて、おなじみの速度チェック=ベンチマークテストです。まずCPUの速度をみるCINEBENCH R15ですが、CPUは741、OpenGLは103という値が出ました。デルのXPS15やHPのPavilionPower15といった、同じCPU&GPUを積んだノートと同じ値です。3DMarkも同様、FireStrikeは5501で、きちんとスピードが出ています。
ちなみに、Core i7-7500Uを積んだ13型モバイルノートでは、平均してCPUが350、FireStrikeは980という値となります。15型の4コア+GTX1050搭載プレミアムノートは、13型モバイルに比べて、CPU速度で2倍、3Dグラフィックスは3~5倍高速と思っていいでしょう。
SSDの速度ですが、このZBPはMicronのMTFDDAV512TBNというSATA接続のドライブを搭載しており、CrystalDiskMarkの値は、他社のPCIe接続モデルに比べて、半分ほどでした。ASUSの海外サイトを見ると、1TB/512GBではPCIeのドライブを装着しているものもあるようですが、日本モデルはSATAのようです。
バッテリーの持ちは、おなじみBBenchを、いつもどおり、高パフォーマンスで液晶輝度最高で実行したところ、ちょうど5時間動作しました。フルHD液晶で73Wh容量だとここまで持つんですね。ウレシイです。
充電のほうは、PCを利用しながら(消費と同条件)で、ちょうど30分間で50%まで充電できました。さすが大型ACアダプターの威力です。その先は充電速度は落ちていきますが、利用しながら50分で70%、70分で90%までと、プレミアムノートとしては高速な充電が行なわれました。ちなみに、ZBPには充電設定のアプリもインストールされており、寿命を優先した、バッテリーに優しいチャージングも指定できます。
使い勝手も中身もさすがのASUSクオリティー
ZBPで軽さが加わって最強なのである
ロイヤルブルーにやられたような気もするが、液晶もキーボードも、もちろんスピードも満足で、きちんと作られていている。しかも、バッテリーもたっぷり搭載しながら18.9mm&1.84kgはイケてるのである。これまでのような「スペックはいいけどちょっと重いですよね」と言わせない、ASUS渾身のプレミアムPCなのだ。
オレ的には4K液晶も気になるのだが、そうなるとバッテリーも急激に消費するはずなので悩みどころ。まずはこのマシンを買って、どこでもバリバリな速度でゲームも仕事も動画編集もしまくって、プレミアムPCを世界に布教するのが、我々パソコンオタクの使命なのではないかと思ったのである。これは今買いのPCなのだ!!!
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