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2018年のノートパソコンはUプロ+GTXが流行る予感

Surface Book 2試用レポート 8G4コア+GTX1050で最先端プレミアム・モバイルだっ!!

2017年12月05日 10時00分更新


 マイクロソフトのモバイルPCではトップエンドであるSurfaceBookの新モデル「2」が10月17日に発表となった.最大の変更点は上位CPUが第8世代コア(8G)となり、2コアから4コアになったことと、GPUがGeForce GTX1050とこちらも最新になったことだ.

 さて、SurfaceBookシリーズはどういうPCかというと、基本の本体はタブレット型で、専用キーボードユニットにつけたり外したりして使う、いわゆる2in1型である.がしかし、SurfaceProをはじめとする類似PCと大きく異なるのは、キーボードユニットにバッテリーはもちろんのこと、外部GPUも搭載されているところ.つまり、キーボード一体型では強力かつスタミナも満タンとなり、分離すると純粋タブレットに戻るという設計だ.

タブレットとキーボードが順次強化されて
ついに最強化した「2」なのである

 最初からおさらいしておこう.2015年10月に発表となった元祖のSurfaceBookは、第6世代コア(6G)を搭載し、内蔵GPUのみのモデルと、GeForce 940M相当のGPUを搭載した2種類があった.GeForceはキーボード側に入っているので、タブレット側はどちらも同じである.

 1年後の2016年10月に、米国で「Surface Book with Performance Base」という新製品が発表となった.これはタブレット部は初代とおなじだが、キーボード側の外部GPUをGTX965Mへと大きくパワーアップしたものだ.これに伴って、GTXを内蔵するキーボードユニットは、最薄部が13ミリから15ミリへと分厚くなり、内蔵バッテリー容量も増加し重くなった.

 そして、今回のSurfaceBook2は、タブレットもキーボード側も両方強化された.CPUはコアi5では第7世代コア(7G)の7300Uを、上位モデルのコアi7は8Gコアの8650Uを採用している.

SurfaceBook2のボディはグレーのみで、底面積は1と同じだが、厚みはPerformance Baseと同じで15~23ミリになっている.

 サイズや液晶はそのままで、13.5型ディスプレイは3000×2000ドットという3対2比率の正方形に近いプロフィールである.コントラスト比は前の1700対1から1600対1へとなぜか少し下がっている.

 メモリは8または16GBで1866MHzのLPDDR3を採用、SSDは256、512、1024GBの3種類.日本で発売となっているモデルは、i5では内蔵GPUモデルのみで、i7ではGTX1050との組み合わせのみとなる.

 インターフェースまわりは1カ所変更があり、ミニディスプレイポートがなくなった代わりに、ついにSurfaceシリーズ初のUSBのタイプCコネクタがついた.

上がSurfaceBook2で下が初代.右側に同じくあるのがACアダプターや拡張ボックスを接続する独自コネクター.その左側が、SurfaceBookではミニディスプレイポートだったのが、USBのタイプCへと変わっている.

 こちらの端子はUSB Power Delivery3.0・3.1Gen1に対応しているので、ここからの電源の出入りが可能である.Studio以外のSurfaceシリーズはすべて「SurfaceConnect」という専用ポートを持ち、ACアダプタの端子は磁石内蔵で、ここにカチッっと付く構造である.加えて、今回このタイプC端子が付いたことで、他社製PC用やスマホ用のACアダプターも利用できる可能性が生まれたわけである.

 試しにファーウェイやサムスン、アンカーのACアダプターを接続してみたところ、SurfaceBook2はきちんと認識して充電を開始した.計測器をつないだところ、最低で5V3A(15W)、最高では20V2A(60W)での供給を受け付けた.

 SurfaceBook2に付属するACアダプターは、内蔵GPUモデルでは1706という型番の15V4A(60W)、外部GPUモデルで1798という15V6.33A(95W)である.

 今回のSurfaceBook2の13.5型において、1と異なっているポイントがもうひとつある.タブレット部とキーボード部のコネクションで、1と2では互換性がない.左右にある突起部の幅と厚みが異なるのでおたがいに刺さらなくなっているのだ.ここ試験に出るので注意ね...

奥がSurfaceBookで手前が2のタブレット接続部.2のほうが幅が狭く厚みが増していて、1のタブレット部は差さらないし、逆もダメなのである.

 米国の発表ではもうひとつビックリがあった.それは15型モデルが登場したことである.SurfaceBook2は13.5型と15型の2サイズになったのである.ただし、日本では15型の発売は未定だ.

右側が米国では同時発売となったSurfaceBook2の15型モデルだっ!!

 15型モデルは液晶が大きくなったぶん、ボディも大きくなっていて、343×251×15-23ミリと、13.5型に比べて、横幅は31ミリ、奥行きは19ミリ大きくなり、重量は1.9キロと、こちらもけっこう増えている.

 15型のCPUは8Gのコアi7のみで、なんと外部GPUはGTX1060とワンランク上が搭載され、VRAMも2GBではなく、6GBと奢っていて、「キ~~」となる.これはオイシすぎるのでぜひとも日本で(英語キーボードのままでいいので)発売してほしいのである.

細かい変更点ですが、SurfaceBook2になって、箱の大きさとデザインが変わった.上にあるのが2のパッケージでひとまわり小さくなっている.

ベンチマーク結果は予想以上
ゲーミングノートも15WのCPUになるのか!?

 というわけで、SurfaceBook2の13.5型は、基本的な構造はSurfaceBookと同じなので、やはりイチバン気になるのは8GコアとGTX1050による速度向上ですよね.

 まずはCinebenchでCPUの速度を測ってみると、675が出た.これまで、ASUSやDellのマシンに載っていたのはi7-8550Uだったが、こちらはi7-8650Uと1つ上位である.ベースクロック1.8GHz対1.9GHzという違いは出なかったが、7Gのi7-7500Uが360前後なので、9割近い速度増加を実現しているのだ.

 さて、GTX1050のほうだが、CinebenchのOpenGLで104が出た.これは内蔵グラフィックの2倍の値である.

 3DMarkのFireStrikeでは5266をマークした.7Gの4コアCPUであるi7-7700HQにGTX1050を搭載した他社の15型モデルで5500前後だから、それに近い値である.相手のCPUは7GとはいえTDPが45Wと、Uプロセッサの3倍も電力を食うモバイルの最上位である.その組み合わせの95%の速度が出てしまったのである.

右が元祖SurfaceBookで左がSurfaceBook2.キーボード奥の排気口がPerformanceBaseと同様にふくらんでいて、ぶ厚くなっている.さらにタブレット部の排気穴の形状も変わったことがわかる.

 ちなみに、歴代のSurfaceBookと比べてみると、i7-6600U搭載モデルのCinebenchのCPU値は初代もPBも同じく329なので、SurfaceBook2は2倍の速度になっている.

 FireStrike値は初代の無印940Mモデルでは1887だったが、Performance BaseのGTX965Mでは4454と2.4倍の値が出ていた.

 そして今回のGTX1050は上記のとおり5266だったので、すでにPerformanceBaseを持っているヒトにとってSurfaceBook2の3D性能は2割増しとなるから、そちらが目当てならアセらなくていいだろう.ただ、タプレット状態での速度向上を必要と感じている場合は2倍速い「2」に移行するしかない.

 タブレット部分だけで考えると、第8世代コアを搭載した初のWindowsタブである.そのうえ712gだから、最軽量の8GPCともいえるのだ.

SurfaceBook2のタブレット部を外してビュワートとして使ってみた.やはり3対2比率の液晶は出版物や書類をみるのに最高である.この中に4コアCPUが入っているとは思えない.

 キーボードから外した状態のベンチマークテストの結果は、CinebenchのCPU値はおなじ675で、OpenGLは53、FireStrikeは1042と、i7-8550Uのみを搭載した他社のモバイルノートと同じだった.SurfaceProもはやく8Gになってもらいたいものである.それまではこのSurfaceBook2が最強Windowsタブレットとなるわけだ.

 SSDの速度はいかがかというと、初代の256GBモデルではサムスンのPM951が、1TBモデルではPM961シリーズが採用されていた.今回のSurfaceBook2ではMZFLWというドライブが採用されていて、シリーズは不明だが、PM961より速い結果が出た.特にCristalDiskmarkのシーケンシャルリードのマルチでは2971と、ノートPCの最高レベルである.

内蔵バッテリー総量は微減したが
駆動時間は変わらず

 初代のバッテリー容量はタブレット側18Whでキーボードが50Wh、PerfomanceBaseはタブレットは同じでキーボード側が10Wh増えて60Whとなっていた.そして、SurfaceBook2ではキーボード側が若干減って設計容量は57Whとなっている.

 BBenchはいつものとおり最高輝度、バッテリー節約なしでおこなったが、PerformanceBaseの5時間12分から少し減って、4時間55分という結果となった.このベンチでは外部GPUは起動していないし、CPUも全力回転していないので、ほぼ5時間という同じ結果になったのである.

タブレット部の取り外しは、おなじみキーボード右上の「外しキー」を押せば電磁ロックが外れてとれる.つけるときは合体させるだけだ.

 ちなみに同条件でタブレット部のみを駆動してみたところ、約1時間30分駆動した.

 合体した状態で、比較のため3Dゲームのデモ画面をループで表示させ続けたところ、1時間20分でバッテリーはなくなった.3D性能が高いだけに、このバッテリー容量ではしかたがないだろう.100Wh近いバッテリーを搭載したゲーミングノートもあるが、ここから先は重さとのトレードオフとなる.

 PerformanceBaseに比べて、SurfaceBook2はバッテリー容量が3Wh減ったのだが、重量は合計で5グラムだけ軽くなっている.内蔵するメモリやSSDによって変動するらしいが、ほぼ変わらずと考えていいだろう.

 13.5型で1.6キロ超えというと重いと感じるが、4コアCPU+GeForceGTX1050内蔵のプレミアムノートはDellもASUSも15型で1.8キロを超える.同じ速度のマシンが1.6キロになったと思えば軽いものだはははははは.

キーボード部左側のタイプA端子×2と、SDカードスロットは初代から変わらずである.

4コアUプロセッサー+GTXが流行ると
45Wのコアiはどうなるのか!?

 ASUSのZenBook3やDellのXPS13で8Gコアのベンチマークを計測して、もはや7Gコアを買ってはいけないと言ったが、GeForce GTXとの組み合わせでは、TDPが45WのHQプロセッサ並みの速度が出てくることがわかった.今後、インテルがUより上のモバイル用プロセッサーをどのようなカタチで出してくるのか未定だが、8Gの4コアUプロセッサー+GTXでこれだけの速度が出るとなれば、コア数が増えるに違いない.そして、Uプロセッサーを使った、今より小型軽量薄型のゲーミングノートも期待できるのであ~る.

3世代SurfaceBookの詳細データ(一部は編集部予想)

☆Surface Book

2015年10月6日(米国) 2015年10月26日(日本)
CPU=i5-6300U/i7-6600U GPU=内蔵/GeForce 940M+1GBVRAM
Battery=18Wh+50Wh Weigt=726g+790g/853g (合計1516g/1579g) Size=312.3×232.1×13.0-22.8mm

☆Surface Book with Performance Base

2016年10月26日(米国) 2017年4月20日(日本)
CPU=i5-6300U/i7-6600U GPU=GeForce GTX 965M+2GBVRAM
Battery=18Wh+60Wh Weight=726g+921g (合計1647g) Size=312.3×232.1×14.9-22.8mm

☆Surface Book 2

13.5型
2017年10月17日(日米)
CPU=i5-7300U/i7-8650U GPU=内蔵/GeForce GTX 1050+2GBVRAM
Battery=18Wh+57Wh Weight=712g+822g/930g (合計1534g/1642g) Size=312×232×13-23/15-23mm
15型
2017年10月17日(米国)
CPU=i7-8650U GPU=GeForce GTX1060+6GBVRAM
Battery=23Wh+62Wh Weight=1900g Size=343×251×15-23mm

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