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ベンチャー発の独自物流サービスが名称を改めCtoC配送へ拡大

軽貨物版Uber「PickGo」が日本の物流を変える

2017年07月14日 07時00分更新

すべてのドライバーに、そして義理の父にささげるサービスを

画像提供:CBcloud

 普段街中で見過ごしている黒地に黄色ナンバーが、国内の流通を担う個人事業主だ。だが、その背景には、一筋縄ではいかない業界構造があった。

 「物流は波動を描く、予測がきかない部分」と松本氏は語っており、ECやデジタルマーケティングが発達した現在でも、”配送できないリスク”は依然として存在するという。だが結局そのために下請けによる多重構造で割を食っていたのは、ドライバーであり配送業者側だった。

 またこれまで、「宅急便で送るにはコストが高く、自分でレンタカーして運ぶには煩雑すぎる」といったニーズにおいて、配送の選択肢があまりに少なかった。「PickGO for Personal」として8月9日よりCtoC向けに単身引越し需要の獲得に乗り出したのも、そういったこれまで埋められてこなかったニーズに対応する形の1つと言える。

 目下、アマゾンとヤマト運輸などをめぐる配送業者不足など、わかりやすい業界課題も噴出している。既存の配達業者以外の構築関係の中で、CBCloudが連携する可能性も多いにあるだろう。

 業界、ドライバー、さらに外部の力を借りて、CBCloudは日本の配送業を変えるさらなる未来を描いている。シンプルなマッチングサービスに見えるが、従来のプロだけではない、地域のドライバーの数も一気に増えるような将来像も期待したい。

 PickGoの今後の展開は「B2C」だという。そのために必要なものとして、松本氏は「マーケティング活動」「開発」「人員」そして「営業」を挙げる。グーグルのデジタルマーケティング技術も活用し、スピードをさらに加速させる営業戦略を考えているという。

 さらに、松本氏は「ドライバー」という仕事をさらに発展させたいとも考えているという。「たとえばモノを運ぶだけじゃなくて、家で困っているとことを手助けするビジネスにも展開ができる。スーパーでまとめ買いしたモノを、家まで運んでくれるようなドライバー。古い団地では高齢化が進み、スーパーに行くのも大変。たとえばそういう場所でもグループを作って、みんなの買い物をまとめて配送してくれるドライバー。街にそういうドライバーがあふれればうれしいのでは」(松本氏)。

 「ドライバー」のひと言で表現されていた人たちの働きを知る松本氏、そしてこの業界に携わるきっかけを作った義父は、ドライバーたちのパーソナリティーや暖かみ、苦しいときに助けられたことを忘れていない。50人ほどのドライバーを束ね、不眠不休でドライバーたちのために働いた義理の父は、サービスが開始する前にこの世を去った。「ドライバー第一で考えたこのサービスをみたら、ドライバーたちのために働いた義理の父も、きっと喜んでくれているんじゃないかと」(松本氏)

 ごく近い将来、ITの力で「モノを運ぶ」という、絶対になくならない作業の課題が解消されていくはずだ。「すべてのものには、物流というコストが乗っている。でも、そのことに私たちはあまり意識をしていなかった。そこに、PickGoは注力したい」

CBCloud松本代表(右)と同社の支援を行なうGoogle日本法人の佐川大介氏(左)

●CBcloud株式会社
2013年10月設立。軽貨物クラウドソーシング事業を展開。軽貨物分野から一般貨物分野、BtoBからBtoCまで幅広い分野で展開。
2016年9月にVCより資金調達を実施。今後、シリーズAでの追加調達を予定。
スタッフ数は2017年6月時点で13名。エンジニアおよび営業職を募集中。

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