ダイソンがヘアドライヤー「Dyson Supersonic」新モデルを発表。風の最高温度を従来の78℃から100℃に上げ、スタイリングをしやすくした。45℃・62℃・78℃・88℃・100℃の5段階。ブルー系、パープル系の寒色系カラーも追加。
Dyson Supersonic ヘアードライヤー
5月10日発売、希望小売価格4万8600円(インペリアルパープルのみ5万9400円)
ダイソン
http://www.dyson.co.jp/haircare/supersonic/overview
ダイソンのドライヤーは強い。ビームのような強風が髪を直撃するため、手で髪をかきあげなくても髪の内側まで乾かせる。美容師用のカットマネキンでテストをしたときは風の力でマネキンがテーブルをすべっていった。英国流ユーモアの風情があった。逆に風の最高温度は78℃とぬるめに設定されていた。ヘアサロンで使われている低温ドライヤーというやつに近い。髪の主成分はケラチンというタンパク質でできており、加熱しすぎると傷んでしまう、だから低温でブローしたほうが髪のダメージをおさえられるという理屈だった。しかし適切な熱風はむしろ髪のつやを出す効果があるということで、5月10日発売の新製品は最高温度を100℃に上げた。強風ブローのあと、高温スタイリングができるようになったという。ちなみにパナソニックなどは125℃の温度を出している。
つまるところ新機能は、
・100℃出る
以上だった。
カラーはアイアン/ブルー、インペリアルパープルという寒色系の2色が増えた。洗面所の色味に合うホワイト/シルバー、ピンクとグレーを組み合わせたポール・スミスのようなアイアン/フューシャも残っている。わたしはダイソンが次はどれだけ変なことをしてくれるのかとアホな期待をしていたのだが、変なことをしても高いドライヤーが売れるわけではない。Dyson Supersonicはスタイリストのように髪のセットとケアを仕事にしている人たちの要求にこたえるハイエンドマシンとして受け入れられているところがあるという。髪のプロに要望されていたのが100℃だったということなのだろうか。あとは色か。パープルはたしかにかっこいいが、これは買うべきものなのか。
美容意識の低いわたしは戸惑った。
幸いなことにダイソンは髪のプロにあたる美容意識の高い人びとを発表会に呼んでいた。モデルのシシド・カフカさんと、ヘアスタイリストの小田切ヒロさんだ。偶然2人とも白黒のツートンコーデでかわいかった。小田切さんが新しいDyson Supersonicを使ってシシドさんのくしゃくしゃした髪をサラッサラのスーパーストレートに仕上げるというわかりやすいデモンストレーションが始まった。髪をセットしながらDyson Supersonicの特長を説明していく。わたしには異次元世界だった。
以下引用。小=小田切ヒロさん、シ=シシド・カフカさん。
“ドライヤーは手ぐしでかきわけなければ根元に風がいかなかったんですが、Supersonicは風圧がとにかく強いですので、風を当てるだけで根元全体に風が行き渡ってくれます。根元が半乾きの状態だと衛生的に良くないということと、自然乾燥だと根元が朝起きたときつぶれた状態になると思うんですが、そのような状態でヘアスタイリングをするとかならずくずれてしまいますので、夜寝る前はかならず根元を乾かしてあげて、ふんわりさせてあげてから、次の朝にスタイリングしてあげるというのが、いちばんヘアスタイリングをきれいに保つコツになります”(小)
後半まったく知らなかった。全然タオルで拭いただけで寝ていた。だから朝にドライヤーで乾かしてワックスつけても髪がぺちゃっとしていたのか。
“ヘアメイクさんに根元だけでもちゃんと乾かしたほうがいいと言われてるんですけど、わたしは髪も長いし量も多いので、ちゃんと乾かそうとすると20~30分かかるんですよ。Supersonicは本当に早く乾くので、時間を短縮できて助かってます”“風は質がすごくやわらかいなっていうのがあるんですよね。本当に早く乾かしてくれるのにやわらかい印象を受けるのが不思議だと”(シ)
風の質がやわらかいとか言えばいいのか。ビームのようなとか言ってしまった。
“アタッチメントがいくつかあるんですがスヌージングノズルをつけていきます。スヌージングノズルはズボラ女子にすごくオススメのノズルなんですけど、マグネットになっていて、スタイリッシュで取りつけやすいのが特徴でぼく大好きです。髪の毛が生えている方向に上から下に近づけて、ブラシを使わず手ぐしで整えていきます。ブラシにかけたテンションのように自然にキューティクルが整ってストレートになってくれるんですね。すごく簡単です”(小)
わたしだって知っているぞ。アニメキャラが長い黒髪をブラシでザッザッてするやつだ。ブラシでやるのは面倒なのか。
“ワンランク上のつや髪にしたいときはスタイリングコンセントレーターを使っていきます。先細りになっているので風を集約して、しっかり的確にブラシに風を当てられます。風圧が強いとしっかりブラシにまとわりついてくれるので、瞬時にストレートにできるんですね。風圧が弱いと何度もくりかえさないとストレートにならないんですけど、毛束をちょっと厚めにとっていただいてもしっかり奥まで風が行きますので、1回のストロークでしっかりストレートに仕上げられます”(小)
“仕上げで新製品の特長として風量1、風温3に設定していただきます。最高温度が100℃になります。100℃になることでつやを簡単に出せるんですね。表面の部分に。風量が前回に比べてすごく少なくなったので、レイヤーが入っている部分ですとか顔周りというもののスタイリングがとにかくしやすくなったんですね。顔周りにレイヤーが入っている方はほとんどだと思うんですが、相手にも心地いいですし、やっているこちらとしてもスタイリングが決まりやすくなるんですね”(小)
レイヤーというのは髪に段差をつけてカットすることなのか。知らなかった。乗算とかではなかった。そうこう言っているうちにシシド・カフカさんの髪がスーパーストレートのさらさらヘアになった。手でかきわけるとシャンプーの宣伝のようにサララーとなびいた。あれはCGではなかったのか。カフカさんは「カフカヘアー」と言っていた。道具と手技で美は作れるのだ。感動した。
発表会場にSupersonicの自撮りスペースがあり、モデルやファッションブロガーやインスタグラマーらしき女性たちが列をつくって自撮りをしていたのも感動的だった。「どうしてもハンマーみたいになっちゃう」と悩んでいる方もあった。ドライヤーなんて髪が1秒でも速く乾くほうがいいに決まってるだろうが、1450Wの業務用爆風ドライヤーが最強、以上おわりというゴリラのような比較記事を書いていたのが恥ずかしくなった。わたしもつやつやのカフカヘアーをめざしたい。かっこいいインスタグラマーになりたいと思った。美の世界は深い。
書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ、家事が趣味。0歳児の父をやっています。Facebookでおたより募集中。
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