週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

日本上陸が待たれる2017年夏注目のハイエンド機

「本当にヤバイ」はGalaxy S8+にこそふさわしい 石川温氏実機購入レポ

2017年04月27日 12時00分更新

Galaxy S8+をリスボンで購入

リスボン空港内で3色発見! PCふうに使えるドックも購入

 4月20〜24日にかけて、ポルトガル・リスボンに行ってきた。毎年9月にドイツ・ベルリンで開催される欧州最大の家電展示会「IFA」が世界中のメディアを集めて記者会見をする取材旅行だ。

 ただ、道中、気になっていたのがサムスンの「Galaxy S8」のこと。実はグローバルでは4月21日が発売日であるため、「どこか買えるチャンスはないものか」と虎視眈々と狙っていたのだ。

 リスボンには20日にドバイ経由で行ったのだが、空港内にある電器店では「Galaxy S8ならあるよ」とのこと。しかし、欲しいのは6.2型の「Galaxy S8+」のほうだったりする。Galaxy S8+の在庫は「もう売れちゃった」という。発売日前に売り切れというのも変な話だが、ここでは諦めることにした。

 記者会見が終わり、23日の帰りにリスボン空港につくと、フランス経由で先に帰ったアスキーの宮野編集長から「空港内の電器屋に在庫があるよ」とのメッセージを受信。早速、教えられた店に行くと、なんとGalaxy S8+が3色(ブラック、シルバー、グレイ)から選ぶことができたのだ。

 価格は919.99ユーロ。日本円にして11万円。結構な値段だ。しかし、ここは空港内の免税エリア。宮野編集長からも「自分はフランス行きなので無理だけど、ドバイ経由なら免税で買えるんじゃないの」と背中を押すメッセージが。

 店員に確認したところ「12%、戻るよ」というので、本体の購入を即決。さらに、本体展示の横には、Galaxy S8+をモニターにつないでパソコンのように使える「DeX Station」も149ユーロで売られていたので、こちらも買うことにした。結局、1069.98ユーロ(約12万8000円)を支払ったのだが、123.05ユーロ(1万4720円)、免税で返ってきたのだった。

店頭に並ぶGalaxy S8とS8+。奥に見えるのがDeX Station

「画面を持っている」感覚が新しい

 実際に購入して数日使ってみたが、6.2型というスペックを感じさせないほど持ちやすい印象だ。「Galaxy S7 edge」と比べても遜色ない持ち心地となっている。このあたりはニューヨークでの発表会で触ったとおりの感覚であり、「大きい方でも持ちやすい」と思っていたので、迷うことなくGalaxy S8+を買って正解だったと思っている。

 この大きな画面を気軽に持ち歩けるというのがGalaxy S8+の魅力だ。左右の縁が湾曲し、上下の縁もギリギリまで細くなっているため、とにかく「画面を持っている」という感覚にさせてくれる。こんなにスマホの新製品でワクワクとした気持ちにさせてくれたのは久しぶりだ。

 ウェブやメールといった普段使いだけでなく、キーボードをつなげて、ワードで文章を書くといったときも、相当な文字量が表示されるため、使い勝手はかなりいい。

 ただ、縦に画面が長いため、片手で持ち、親指で操作するというのは不向きな面は否めない。普段は片手で操作しつつ、時々、両手で操作というのが現実的だろう。

一度に表示できる情報量が多いのはメリット。一方、片手操作はしづらい

 Galaxy S8+でおもしろいのがこれまでとは違った画面比率になっている点だ。Galaxy S8+は、18.5対9という画面比率を採用している。

 このため、アプリに関しても、全画面で表示できるアプリとそうでないアプリがあり、全画面で表示するかどうか、それぞれのアプリでオンオフができるようにもなっている(すでに最適化されているサムスン製アプリやグーグル製アプリはオフできないものが多い)。これはAndroid 7.0のマルチウィンドウ表示に対応できるアプリだと大画面化できるようだ。

 YouTubeなどの動画を見る場合、ほかのデバイスでは、映像の上下に黒い帯が表示されてしまうことがあるが、Galaxy S8+では、左右に黒い帯ができてしまう。これもいままでになかった画面比率だからだろう。

 ただ、上下をトリミングすることで、画面いっぱいに動画を表示するといったことも簡単にできるので、6.2型で大迫力の動画を体験したいというニーズにも応えてくれる。

 このほかにも画面関連や、戻るキーを左右で入れ替えられたりなど、細かな設定項目が充実しているので、自分の使いやすいようにカスタマイズできる幅が大きいというのも魅力といえそうだ。

指紋まわりやホームボタンが細かく変更
使い勝手が向上しており、日本上陸にも期待

 Galaxy S8+は、従来のGalaxyシリーズでは当たり前にあったものがいくつか変更されている。

 たとえば、指紋認証センサーは画面下の正面から背面に移動している。この点、ちょっと違和感があるかな、と心配していたが、自分は新しく搭載された虹彩認証を使い始めたため、不便さは感じていない。

お馴染みの指紋センサーは背面のカメラ右側に移動した

 虹彩認証は眼球にある模様で、個人を認証するものだが、赤外線センサーのためか、かなり暗い場所でも認識してロックが解除された。実際、飛行機で周りが暗く、自分だけ照明をつけているような環境でも虹彩認証でロックを解除できたのだ。ただ、一方で晴天の屋外環境はかなり苦手のようだ。

 顔認証も試したが、こちらは認証されているかわからないほど高速でロックが外れる。ただ、どこまでセキュリティー性能が高いのかの判断がまだつきにくい。今後はほかの人にも使ってもらったりして、もうちょっと安全性を確かめてみたい。

 また、変わったのがホームボタンだ。物理的なボタンがなくなり、ソフトウェア的に画面上にホームボタンが表示される形式に変わった。ホームボタンはiPhoneと共にGalaxyの象徴的なデザインだっただけに、かなり驚きだ。

 ただ、こちらも画面上に表示されたホームボタンを押すことで、押した感覚が返ってくるように本体が震えるので、単なるソフトウェアボタンよりも使い勝手はいい感じだ。もちろん、押した感が返ってこないような設定もできるので、好みに合わせて選ぶといいだろう。

画面上に表示されたホームボタンは、標準で押した感覚が得られるようになっている

 ちなみに、購入したものは欧州版なので、SoCはSnapdragon 835ではなくExynos 8895搭載モデルとなる。もちろん、技適マークもない。

 日本でも、おそらくどこかのキャリアから夏モデルとして発売されるだろう。日本向けはフルセグやおサイフケータイなどもしっかりと対応している可能性が高い。

 デザイン性が高く、機能も豊富。サムスンはGalaxy S7 edgeのCMで「これはヤバい!」とアピールしていたが、本当にヤバいのはGalaxy S7 edgeでもなく、炎上騒ぎの「Galaxy Note 7」でもなく、このGalaxy S8+のような気がしてならない。


※著者および編集部は、技術基準適合証明(技適)を受けていない通信機器の利用を勧めるものではございません。通信機器は各国の法律に基づいて利用してください。各国の法律に反して利用しても、著者および編集部は一切責任を負いません。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります