検証環境は?
それでは今回の検証環境を紹介しよう。性能を比較するために同メーカー、同ブランドのRX 480およびGTX 1060搭載カードを、そしてGTX 1070のFounders Editionを用意した。価格帯が上にGTX 1070にどこまで詰め寄れるかもみどころだ。
テスト環境 | |
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CPU | Intel「Core i7-7700K」(4GHz、最大4.5GHz) |
マザーボード | ASRock「Z270 GAMING K6」(Intel Z270) |
メモリー | Corsair「CMU16GX4M2A2666C16R」(DDR4-2666 8GB×2) |
ビデオカード | ASUS「ROG STRIX-RX580-O8G-GAMING」(Radeon RX 580) ASUS「ROG STRIX-RX480-O8G-GAMING」(Radeon RX 480) GeForce GTX 1070 Founders Edition |
SSD | Intel「SSDPEKKW512G7X1」(NVMe M.2 SSD、512GB) |
電源ユニット | Corsair「RM650」(650W、80PLUS Gold) |
OS | Windows 10 Pro 64bit版(Creators Uptade) |
電力計 | ラトックシステム「REX-BTWATTCH1」 |
OC版であることを再確認
それでは定番「3DMark」のスコアー比べから始めよう。テストは“Fire Strike”“Fire Stike Ultra”そして“Time Spy”の3つを用いる。
RX 580のスコアーはRX 480に対しておおよそ3~4%増加。クロックの増分が5~10%だからまあ順当な結果といえるだろう。ライバルであるGTX 1060は上回れたが、価格帯で格上のGTX 1070には及ばないことも見てとれる。RX 580は480のOC版である、ということを再確認できる滑り出しとなった。
ではここで消費電力もチェックしよう。TDPが150Wから185Wに激増したぶん、消費電力も相応に大きくなっていることが予想できる。グラフの“アイドル時”とはシステム起動10分後の安定値、“高負荷時”とは3DMarkのTime Spyデモ実行中のピーク値を示す。
予想通り高負荷時の消費電力はRX 480に対し24Wもアップ(だがオーバークロック版だからこその数値かもしれない点は強調しておく)。TDPが増えたぶん消費電力も増えたといえるが、これにより相対的なワットパフォーマンスは悪化してしまった。
今はCPUもGPUも省電力化が進み、ハイエンドGPUでも600W電源があれば十分カバーできる時代なので、この程度増えてもあまりインパクトはないが、ワットパフォーマンスを気にする人にとっては残念な変化だ。
それでは実ゲームベースのベンチを軽い方からチェックしてみよう。まずは「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド」の公式ベンチだ。画質はDirectX11の“最高品質”に設定。解像度はフルHD/WQHD/4Kの3通りで計測した(以下同様)。
RX 480のわずかに上を行くのがRX 580という傾向は同じだが、NVIDIAのGameWorksを使っているためかGTX 1060に大きく後れをとっている。ただフルHD設定におけるベンチマーク中のフレームレートはRX 580で84.88fpsと、快適に遊べる性能は確保されているので価格がこなれてくれば悪くない選択になり得るだろう。
続いては「Overwatch」のフレームレートをチェックしよう。画質は“エピック”、レンダー・スケールは100%に固定している。「Fraps」を使いBotマッチ中のフレームレートを計測した。
手動計測なのでフレームレート少々のブレは出るものの、結果をまとめてみればこれまでの結果と同じ。FF14ほどRX 580は遅くはないが、それでもGTX 1060よりも一歩退いた位置にRX 580が立っていることは確認できた。RX 480ユーザーがあえてRX 580に乗り換えるメリットはないといえる。
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