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就活の問題は学生と企業が会い過ぎていることにある

「学歴見なくなってる」タブーだらけの新卒採用サービス『Offer Box』人気の背景

2017年03月24日 07時00分更新

創業者全員が自分の子供に使ってもらえるサービスを作る

 新卒採用の業界的にはとても目立つサービスだったようだが、数々のコピーサービスが出ても廃れていった背景が印象的だ。i-plugが持つ独自の新卒採用における哲学がなければこの事業はどうも成り立たないようだ。「採用できたらさようなら、という状況では成果への目線が足りない」と中野氏は指摘する。

 そもそも集めた学生のデータをリストで持っていれば、それをそのまま名簿として売り込んだほうがわかりやすく収益となる。実際そのような考えで、形だけ真似て乗り込んできた大手はいたが、焼畑農業では何も残らなかったという。

 データベース化をさせない逆張りの部分で価値が見えてくるのは、実際の採用担当者の目線を持つためだろう。だが、このサービスの在り方は、実際に見聞きしてもなかなか理解はできないところだ。当事者として、採用の現場にかかわるレベルでなければ、熱意や本気度といった数字にならない面は理解できない。そのため資金調達については厳しかったようで、黒字経営を意識する背景には、徹底的に低かったVCなどからの評価もあるようだ。

 「社会的付加価値で言うと、人事領域は教育領域と比べると低い。人事領域の市場規模は800億円くらいだが、教育事業は何兆円にもなる。最終的には学生と企業がミスマッチを起こしているデータを元に、教育業界に付加価値を提供するところまで持っていきたい」(中野氏)

 実現には、10~20年のスパンで社会のインフラになっていかなければならない。しかし、中野氏は急ぎ10年で達成したいと意気込む。理由は創業当時、メンバー全員の子供が3歳前後で、全員将来自分の子供に使ってもらえるサービスを作ろうと約束したそうだ。目標にコミットするため、『Offer Box』はさらなる拡大を目指す。

●株式会社i-plug
2012年4月18日設立。新卒逆求人サイト「OfferBox(オファーボックス)」シリーズを運営。
自己資金のほか、政策金融公庫から融資を受けている。
社員数は2017年3月現在60名。大阪本社のほか東京に支社をもつ。

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