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AI搭載ロボットがラーメン屋で実用!顔認証でクーポン発行

2017年03月16日 18時00分更新

今回はAIラーメン屋に潜入。

 ごきげんよう、アスキーのグルメ担当のナベコでございます。おいしい食事を求めまわっている三十路。今回は「AI」を取り入れたラーメン屋があると聞いて行ってきました。AIとは人工知能のこと。人工知能っておいしいのかな?

店頭にロボットがいるハイテクラーメン屋

 場所は大門・浜松町界隈のとある路地に構える「鶏ポタラーメン THANK」。鶏肉とたっぷりの野菜でつくるポタージュスープのラーメンを売りにした、知る人ぞ知る名店です。

鶏ポタラーメン THANK 大門店。

珍しい鶏ポタージュスープを使った、ラーメン、つけめん、タンタン麺などが売り。

 「AIが~」と聞いていたわりに外観にはハイテクな要素がなく、ごくごく普通のこじゃれた街のラーメン屋さんという風情だったので「あれ?」と思い中に入ってみると……。

 ハイテクっぽいのがいた!

 入るとすぐに券売機があって、その傍らに小型ロボットがいました。未来的でテンションが上がります。

券売機の傍らにロボットが!

 ロボット、君の名は?

「いらっしゃいませ!!」

 手をジャブのように動かしてかわいらしく挨拶してくれました。名前こそ答えてくれませんでしたが、彼は「Sota(ソータ)」くん。大阪発のベンチャー企業ヴイストンが手掛ける小型コミュニケーションロボットで、アプリケーションを組み入れることでアレンジできるロボットプラットフォームとして展開されています。

Sotaくん。

「あなたのことを思い出すので僕にお顔をみせてください」

 と語りかけてくれました。これは楽しい。ですが、Sotaくんに「知っている人」と認識してもらうにはアプリで登録を済ましておかなくてはいけません。

 Sotaくんの動く様子は動画でご覧ください。

Sotaくんが顔認証!3回来店ごとにクーポンをくれる

 鶏ポタラーメン THANKでは独自の「コグニメン for 鶏ポタ」というアプリをiOS向け、Android向け両方で提供しています。アプリをダウンロードして、顔写真情報を登録すれば準備はオーケー。来店の度にSotaくんに顔認証してもらえ、来店頻度が記録されるということ。

 3回来店するたびに100円相当の「トッピング」がサービス。また、食券の記録とリンクするため、食べたことないメニューをオススメしてくれたりします。

<Sotaくんがしてくれること>
・3回来店すると100円相当の「トッピング」をサービス
・注文履歴を認識し、さらにオススメのメニューを提案

「コグニメン for 鶏ポタ」というアプリを事前にダウンロードして顔を登録

自撮りの顔写真とニックネームだけで登録完了。

 アプリに顔写真の登録が必要ときくと手間が多そうな予感がしましたが、意外にも登録は簡単。なぜなら登録するものは、自撮りの顔写真、それとニックネームのたったそれだけでした。性別情報、生年月日などは入力する必要なし。

 飲食店の来店記録ができるアプリはいろいろありますが、だいたいが属性情報をある程度入力したり、SNSと連係する必要がありますが、珍しいことに鶏ポタラーメン THANKのサービスで必要なのは本当に顔写真だけ。

アプリのダウンロードは店頭で配布されているカードのQRコードから。

AIってどこに使われているの?

 ロボットがかわいい、そして顔認証してくれて楽しい、というのはわかりましたが、いったいどこがAI(人工知能)技術のキモなのでしょうか。実はSotaくんは顔識別だけではなく分析もしており、そこにクラウドで蓄積されたデータからなるAIが活用されているというのです。

 Sotaくんには、日本マイクロソフトとヘッドウォータースが提供する「クラウド型顧客おもてなしサービス」のシステムがカスタマイズしており、顔を識別しつつ性別や年代をも推定し、顧客情報として記録しているとのこと。

鶏ポタラーメン THANKの店主 田邉雄二さん。

 鶏ポタラーメン THANKでは、エンターテイメント性を兼ね備えたオリジナルな接客サービスの実現と、リピーターのお客様を増やすためにクラウド型顧客おもてなしサービスを導入。常連さんにサービスできるほか、顧客分析ができるため、今後も継続的に運用していきたいということ。顔認証に若干の時間がかかってしまいますが、認証がうまくできなかったなど目立ったトラブルはこれまで見られなかったということですよ。

 お店のアプリなどがあった時に自分で年齢情報などを入力するのって少し抵抗がありますが(少なくとも私は、女性なので)、意識せずとも顔認証で分析されるならうまくできているなと思いました。それらの情報はお店の改善やサービス向上のために活用されるのですから。

 お客さんとしては来店頻度によりサービスを受けられるのはもちろん、物珍しいロボットと接するのがアトラクションのような感覚で楽しめてメリットがあるので、良いことづくしではないかと。

ラーメン美味!滋味深くて他にはない味

 ロボットに気を取られてしまいましたが、肝心な食事をいただきます。「鶏ポタラーメン THANK」は鶏と9種類の野菜で作るポタージュスープが売りです。ですが、あまりラーメン屋で“鶏ポタ”ってきかないですよね。

看板メニューのひとつである「鶏ポタンタン麺」をいただきました。

 定番は「ラーメン」(700円~)、「つけめん」(800円~)、「鶏ポタンタン麺」(820円)、「トリポターナ」(820円~)。例えばラーメンは、醤油でも味噌でも豚骨いずれでもなく、鶏出汁がきいており野菜の滋味もしっかりと感じられるため、あっさりしながらもコクがある奥深い味とのこと。私は、辛味の度合いを指定できる「鶏ポタンタン麺」をいただきました。タンタン麺のことなのです。

ゴマの香ばしい香り。

 ゴマの香りが香ばしいです。タンタン麺なのですが、食べてみるとちょっと不思議。スープがコク深くて辛さもきいており、タンタン麺の特徴をそなえているのですが、一般的なものよりさらに深いおいしさ。なんでしょうこのコクは。

 おそらく、野菜の出汁の深み。よくあるタンタン麺は味噌でコクを出していますが野菜のコクが押し出されていて、複雑で滋味深いおいしさを奏でています。辛さは選べるので、私は一番辛めでおねがいしました。なので、コク深さのあとにピリリとした辛さが舌に残り、パワフル。食べられないほどの辛さではないけれど、どんどん刺激が蓄積されていくので、辛いものが好きな人も満足できるはず。

玉子が魅惑。

とろ~!!

 鶏そぼろはうまみが凝縮されており、麺と絡めて食べると豊かな味わいを楽しめます。食べているうちに身体がどんどん温まっていく、ここの店でしか味わえない特別でクセになるタンタン麺ですね。

付け合せのピクルスが絶品。

 テーブルには酸味がきいたピクルスが置かれてあり、途中で加えると口の中の味をリセットでき、良いアクセントになります。ラーメンの付け合せにピクルスってなかなかききませんが、バランス良くて絶品でした。

AIラーメンはおいしかった。

 やはりAIはおいしかった!

 鶏ポタラーメン THANKは小川町に二号店がありますが、Sotaくんがいるのは大門店のみ。食事もオリジナリティーがあるので話題作りに訪れてみて絶対に後悔しないスポットですよ。

こじんまりとしていて清潔感がある店内。紙の前掛けがあったり、女性も利用しやすいです。

「鶏ポタ ラーメン THANK(サンク)」大門店
・住所:東京都港区芝大門2-1-13 芝大友ビル 1F
・営業時間:月~金 11時30分-15時/18時-22時
 土日祝 11時30分-15時

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ナベコ

寅年生まれ、肉食女子。特技は酒癖が悪いことで、のび太君同様どこでも寝られる。30歳になったので写経を体験したい。Facebookやってます!

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