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「MOVERIO BT-300」アプリ作成は、Android(TM)用アプリ開発者にオススメ!!

アプリ開発者に聞く、「MOVERIO BT-300」の魅力と開発の楽しみとは?

2017年03月28日 14時00分更新

Android™用アプリを「MOVERIO BT-300」に移植する際の注意点は、ほとんどない

—— 既存のAndroid™用アプリをMOVERIOシリーズに対応させたり、移植したりという場合は、どのような点を注意すべきでしょう? 違いや必要な要素などがあれば教えてください。

大森氏 「MOVERIO BT-300」に限定すると、インテル社のCPU(Intel® Atom™ x5)を搭載していますので、「Android NDK」を利用している場合は(ARMアーキテクチャとの)CPUの互換性に気を付ける必要があります。「MOVERIO BT-300」の搭載OSはAndroid™ 5.1ですので、既存アプリをAndroid™ OSの最新版(2017年3月現在ではバージョン7.1)向けに開発している場合なども、互換性に注意です。

馬場博晃氏 ただ、「Android NDK」を利用していても、(Android™にはインテル社製CPU向けにARMエミュレーション機能が組み込まれているので)内部で自動的に変換処理が行われているため、そう強く注意する必要があるわけではないんですね。“下周り”はちょっと気にかけた方がいいかなというところです。

—— ゲームのようなアプリを移植する場合は注意する必要があったりするということですかね?

馬場氏 例えば画像処理などで、C++を使って開発している場合などですね。Unity®ソフトウェアで「MOVERIO BT-300」が搭載しているOSのバージョンとCPUに対応させて作成されたゲームについては動作すると思います。

—— 「MOVERIO BT-300」に移植する際の注意点は、その程度しかない?

大森氏 OSのバージョンに関する注意についても、最新のAndroid™ OS向けに作っていた場合は、Android™ 5.1には存在しない関数、APIの問題があると動作しないので、気を付けるというところですね。

—— その辺りも、「MOVERIO BT-300」に限らず、Android™ OS向けにアプリを開発する際に共通している注意点ですよね。

大森氏 そうですね。あとは、Google社のサービスを利用できるわけではないので、Google Maps™との連携や、Google社の音声認識といったGoogle社が提供するサービスを使いたい場合などですかね。

「MOVERIO BT-300」ならでは、“現実の世界”をそのまま活かすアプリをどう作るか

—— では、「MOVERIO BT-300」アプリを新規に開発する場合はいかがでしょう? 

大森氏 「MOVERIO BT-300」向けに新規に開発する場合は、GUIデザインのレイアウト、画面デザインがポイントですかね。シースルーのグラスを通して周囲が見えている、背景が見えている状態をどう扱うかです。“現実の世界”をそのまま活かす場合、一般的なAndroid™用アプリとはまた違う画面デザインを考えることになります。

 一般的なAndroid™用アプリは、外界のことを考えずに済む、いわば“クローズド”な画面デザインのみですけど、「MOVERIO BT-300」ではその辺りがアプリの特徴次第でアドバンテージとして活かせるので、気を付けたいポイントです。

—— アプリ開発で、「MOVERIO BT-300」ならではの面白い点、あるいは難しい点はありますか?

馬場氏 タブレットなどのように画面を直接触るのではなく、「MOVERIO BT-300」はグラスごしでトラックパッドを使って操作するので、ジェスチャー操作のようなことがやろうと思えばできる点が面白いです。

花村氏 メガネ型のウェアラブルデバイスなので、ハンズフリーでも利用できることが大きいです。コントローラーは確かにありますけど、常に手で持っている必要がないという特徴を活かしたアプリは考えられますね。

カメラ機能を使うアプリを作る場合は、コツがある!?

—— 「MOVERIO BT-300」のカメラからの撮影画像と、ディスプレイに表示されているアプリ画像を合成して撮影できるアプリを作りたい場合はどうでしょう? アプリ画面の背景に“現実世界”が見えているという様子が分かるスクリーンキャプチャが撮れると便利だと思います。

花村氏 実は私どもも気にしている点です(笑)。イベントなどで出展していると、マスコミの方がグラス部分にデジタルカメラやスマホ(のカメラ部分)を近づけて撮影していたので、検討したいところです(笑)。

 「MOVERIO BT-300」のカメラはオートフォーカス機能を採用していないので、ピントが“現実世界”側のどこにあっているか考慮する必要があります。例えば、QRコードをカメラで認識させるという場合、QRコードの方をカメラ側に近づけてピントが合うようにして撮影するという感じになっているんですね。

 また、「MOVERIO BT-300」を装着しているユーザーさんの目の位置から見えているものと、カメラの位置から見えているものが微妙に違っているので、カメラを使うアプリを作る場合は、そこを考える必要があります。

「MOVERIO BT-300」カメラを使うアプリを作る場合は、装着しているユーザーの目の位置から見えているものと、カメラの位置から見えているものが微妙に違っている点を考慮する必要がある

—— コントローラーの十字キー(タッチセンサー)とトラックパッドは、どちらが優先されているのでしょう?

大森氏 その辺りはアプリ次第ですね。十字キーの方が操作しやすいアプリなら、十字キーを中心に作ってもいいですし、トラックパッドの場合も同様です。この機能は十字キー、別の機能はトラックパッドでという“住み分け”もできます。

「MOVERIO BT-300」対応のUnity®ソフトウェア用プラグインをリリース!

—— 先ほどUnity®ソフトウェアの話題が出ましたが、Unity®ソフトウェアを利用した「MOVERIO BT-300」用ゲーム開発も行えるのですか?

馬場氏 可能ですよ。先日「MOVERIO BT-300」対応のUnity®ソフトウェア用プラグインがリリースされたので、これで「MOVERIO BT-300」の機能をフルに使ったアプリ開発が可能になります。このプラグインは、Unity TechnologiesのAsset Storeで配信されています。

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