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新Nokiaスマホに「Lumia」の面影を見る

2017年03月10日 10時00分更新

 今年もスペイン・バルセロナで盛り上がった「Mobile World Congress 2017」。前回はソニーモバイルを取り上げましたが、ブース展示を見ていく中で印象的だったのがノキアです。

 展示内容は博士のレポート記事をご覧いただくとして、そこに並んでいたAndroidスマホは「Lumia」シリーズの面影を残した出で立ちだったのです。

「HMD Global」が本格始動

 ノキアのWindows Phoneだった「Lumia」シリーズは、2013年にマイクロソフトが買収します。しかし端末事業全体を買収したため、フィーチャーフォン事業についてはHMD Globalというフィンランドの会社に再び売却。ノキア端末は2つの会社に分かれることになりました。

 このHMD Globalはノキアと資本関係のない新会社ではあるものの、幹部をノキア出身者が占めており、「Nokia」の名前を使って端末事業を営むライセンス契約をノキアとの間で結ぶなど、両社はかなり近しい間柄にあります。

MWC 2017のノキアブース。HMD Globalの端末も展示した。

 さらにHMD Globalは、Nokiaブランドの新しいAndroidスマホも開発。2017年第2四半期以降、本格的にアジア、インド、中東、アフリカ、欧州の各市場に展開する計画を発表しました。MWC 2017のノキアブースへの出展は、その第一歩といえるでしょう。

Lumiaの面影を残したAndroidスマホが登場

 新製品である「Nokia 6」「Nokia 5」「Nokia 3」の3機種を手に取って驚いたのは、Lumiaシリーズを彷彿とさせるデザインです。

 Nokia 6は、アルミニウムのブロックから削り出したユニボディが特徴。手に持った感触は角張っており、Lumiaの中でも比較的新しいLumia 830や930に似ています。

四隅は丸い形状だが、手触りは角張っている「Nokia 6」。

 Nokia 5やNokia 3もアルミの質感を強調しているものの、Nokia 6とは異なり丸みを帯びた感触です。これまでのLumiaシリーズと全く同じではないものの、それを正常進化させた仕上がりに感じます。

アルミの素材感を強調しつつ丸みを帯びたデザインの「Nokia 5」。

 それもそのはず、HMD Globalにはノキア時代に端末デザインを手がけていたスタッフも参加しているとのこと。組織や社名は紆余曲折を経たものの、中の人はそれほど大きく変わっていない、まさにノキアの魂を受け継いだ会社といえます。

 OSには最新のAndroid 7(Nougat)を搭載。余計なカスタマイズはせず、アップデートの提供を優先することで、誰もがセキュアな環境で使えるよう配慮されています。ナビゲーション用のボタンはハードウェアで実装。Nokia 6と5では指紋認証にも対応しています。

ハードウェアボタンにこだわる点も、ミドルレンジ以上のLumiaと共通する。

Lumiaがなし得なかった日本上陸はあるか

 今回、ノキアブースに並んだNokiaシリーズの端末はいずれもミドルレンジからローエンドのモデル。Lumiaシリーズでいえば600番台、500番台、300番台に相当します。

 USBポートもMicroUSBに統一。理由としては、ノキアブランドが強い地域に向けたミドルレンジ端末として、ユーザーがまだUSB Type-Cに慣れていないことを想定したと担当者は説明しています。

USBポートは3機種ともにMicroUSBを採用、USB Type-Cは見送った。

 逆に言えば、これが成功すれば今後のハイエンドモデルの展開にも期待がかかります。日本では発売に至らなかったLumiaシリーズですが、Nokiaシリーズで今度こそ日本再上陸、というシナリオを想像してみるのも面白そうです。

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