アナログアンプとしてのノウハウも盛り込む
もちろん、これまでのアナログアンプ開発でマランツが培った技術も盛り込んでいる。マイクロアナログシステムズ社の「MAS6116」を使った高精度な電子ボリューム、高品位なカスタムパーツなどを使用している。プリ部分はフルバランスのディスクリート構成で、バランス用基板、アンバランス用基板の両方でHDAM3を使ったバッファー段を用意している。
電源もトランスから分けられており、プリ部の電源にはOFC巻線のトロイダルコアトランスを使用。パワー部の電源は専用設計のスイッチモード電源(SMPS)となっている。
フォノイコライザーも搭載するが、一般的なMM/MCの切り替えではなく、MM/MC(HIGH)/MC(LOW)の3段階としている点は個性的だ。低い周波数域には浅く、高い周波数域には深く負帰還をかけることで、周波数を問わず帰還量を一定に保ち、サウンドキャラクターに変化が出ないようにする“コンスタント・カレント・フィードバック回路”を利用している。
本体サイズは幅440×奥行き453×高さ168mmで、重量は21.5㎏。消費電力は270W。入力端子はバランス(XLR端子)を2系統に増やしているほか、アンバランス(RCA端子)を4系統、PHONO出力、パワーアンプダイレクト入力端子を1系統持つ。出力端子はRECアウトが2系統、ヘッドフォン出力が2系統だが、使用しない場合にはこの出力をオフにできる“Purest Mode”も持つ。
なお、スピーカー出力はバイワイヤー接続用に2系統持つが、A・B切り替えはできず、常に同時出力となる。従来機種同様、最大4台のPM-10のボリュームを連動させられるF.C.B.S.(Floating Control Bus System)の機能を持つので、PM-10をさらにもう1台追加してスピーカーをバイアンプ駆動するといった拡張も楽しめる。
価格は64万8000円で、2月下旬の発売を予定している。なお、10シリーズに関しては、購入後の申し込みで3年保証に延長できるとのこと。
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