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M.2 NVMe SSDでもサムスンは強し!2TB「Samsung SSD 960 PRO」を速攻でベンチ

2016年10月19日 00時00分更新

 現在のSSDには価格下落と、NVMeが市民権を獲得する流れの2つのトレンドがある。特にSATAの性能限界を超えるNVMeはハイエンド好きユーザーの心を掴んで止まないが、その中でも今注目なのが、サムスンが12月以降に発売を予定している「960 PRO」。960 PROの詳細は関連記事で詳しくまとめてあるが、新コントローラー「Polaris」とV-NAND MLCフラッシュメモリーを採用し、シーケンシャルリード3500MB/秒という驚異的なスピードを叩き出すと謳っている。

 今回編集部では960 PROの最上位モデル2TB版のサンプルをお借りし、いくつかベンチマーク回すことができた。2.5インチSATA版で2TBの製品はあるが、M.2 NVMeで2TBという超大容量は文句なしに現在最速かつ最大容量の製品といえる。

 ただし機材が試作品であること、Secure Eraseや960 PRO内部に独自の暗号化領域を作成するツール「Magician」もないことから、製品版とは違う結果になる可能性も十分にある。この点を考慮しつつ読み進めて頂きたい。

↑2TB版といえど基板の長さは標準的なM.2 2280モジュール。V-NAND採用のおかげと分かっていても思わず眼を疑いたくなる小ささだ。表面のシールは放熱性を高めるために銅箔が挟み込まれている

↑裏には一切チップはない。M.2の裏は冷却的に最悪の場所なので、ここにチップがない設計は当然の帰結

検証環境は?

 まず今回の検証環境を紹介しよう。時間が限られているため今回は特に比較は行わない。960 PROはZ170マザーのM.2スロット(PCHに直結)に接続し、OSをインストールした上で実行している。

CPU Intel『Core i7-6700K』(4GHz、最大4.2GHz)
マザーボード ASUS『Z170-A』(Intel Z170)
メモリー Crucial『BLS2K8G4D240FSA』(DDR4-2400、8GB×2)
ビデオカード GeForce GTX 1080 Founders Edition
電源ユニット Corsair『RM650』(650W、80PLUS Gold)
OS Windows 10 Pro 64bit DSP版

↑「CrystalDiskMark」による960 PROの情報。アイドル時の温度は47℃とやや高めの印象

↑「HWiNFO64」でも960 PROの情報を読み取ってみた。PCI-Express 3.0の4x接続、上流(PCH)とは8GB/秒でリンクしていることが示されている。今回ドライバーは提供されなかったがWindows 10の標準ドライバーだけで動作している

シーケンシャルは2600MB/秒超え!

 まずは定番「CrystalDiskMark」における読み書き性能を見てみよう。テストは1GiB×5、ランダムデータを使用した。

↑「CrystalDiskMark」の結果

 シーケンシャルリードは2615MB/秒と公称値(3500MB/秒)には及ばなかったが、それでもNVMe SSDとしては非常に高速。シーケンシャルライトも1700MB/秒に迫る極めて高い性能を示している。

 続いては「ATTO Disk Benchmark」。テスト条件はデフォルトのものを使用した。

↑「ATTO Disk Benchmark」の結果

 注目したいのは緑(リード)の伸び。読み出すデータサイズが128KB~48MBの間なら転送レートは3000MB/秒を超えている。これはサムスン公称値に非常に近い値だ。今回のテスト環境(Z170マザー)のM.2はPCH側に接続されているため、もしX99マザーを使いCPU側に接続するよう工夫すれば、もっと高い値になることも十分予想できる。

 最後に「AS SSD Benchmark」の結果を示すが、これはこれまでの結果とは大きく違う傾向を見せた。“こういう結果も出た”というスタンスでご覧いただきたい。

↑「AS SSD Benchmark」の結果

 シーケンシャルリードを除き、AS SSD Benchmarkでは全体に今ひとつ奮わない。原因はZ170マザーのPCH側に接続したこと、AS SSD Benchmarkのテスト方法と960 PROの相性が悪い可能性、さらに960 PROの熟成不足などが考えられる。ただCompression Benchmarkのグラフの変動量が激しいことから、筆者は試作品の960 PROの熟成度の問題と考える。

まとめ:最速SSDの誕生は間近! 発売日が待ち遠しい!

 で、気になる2TB版のお値段だが、この原稿執筆時点でも不明。予価1299ドルなので、いつも通りの為替マジックが発動すれば日本国内では14~16万円位になりそうだ。この価格ならSATA版の2TBの方が圧倒的にお買い得だが、性能と容量のどちらも欲しいユーザーには960 PROが最高の選択となる。V-NANDとはいえMLCで高性能&大容量が欲しい人にとっては、まさに発売が待ち遠しい製品であることは間違いないだろう。

 編集部では製品版960 PROを入手し次第、既存のSSDと性能比較を行う予定だ。ご期待あれ。

960 PROのラインアップと市場想定価格
容量 512GB 1TB 2TB
シーケンシャルリード 3,500MB/s 3,500MB/s 3,500MB/s
シーケンシャルライト 2,100MB/s 2,100MB/s 2,100MB/s
ランダムライト(4KB、QD32) 33万IOPS 44万IOPS 44万IOPS
ランダムリード(4KB、QD32) 33万IOPS 36万IOPS 36万IOPS
保証書込容量(保証期間5年) 400TB 800TB 1200TB
市場想定価格 329ドル 629ドル 1299ドル
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