ハイレゾ対応プレーヤーが各社から登場してきており、2万円台から買えるハイレゾ対応ウォークマンなども登場している。エントリー機といってもDSD再生(PCM変換)に対応するのが当たり前になるなど、スペック面での充実感が高い。ハイレゾ音源自体がだいぶ増えてきたこともあり、この秋のプレーヤーは面白いことになりそうだ。
エントリー機種ではあるが、マニアックな拡張にも対応
さて、ここで紹介する「Astell&Kern AK70」もエントリー向けのハイレゾ対応プレーヤーとしては有力な選択肢。さらにAstell&Kernならではの高音質設計や、個性的なデザイン。そして後述する拡張性の高さといったポイントもあり、玄人が持っても面白い機種に仕上がっている。その特徴をざっと紹介しよう。
まず価格帯だが、量販店などでは6万3000円程度で販売されている。オンキヨーの「DP-X1」とソニーのウォークマン「NW-ZX100」の中間ぐらいの価格となる。DP-X1とNW-ZX100はともに2015年の発売なので価格面でこなれた旧機種となるが、比較候補にはなるだろう。
6万円台のプレーヤーというと、市場ではミッドレンジ~高級レンジの価格帯だ。ただAKシリーズは最新世代のエントリー機(AK300)でも12万円を超える実売価格であり、本機の倍程度となる。そう考えると本機は大胆に価格を下げた戦略的な製品となる。
低価格の主な理由としては、まず内容面が第3世代ではなく第2世代に寄っていること。さらに液晶などの使用部材を低価格に抑えているためと想像する。ただし、その一方でAstell&Kernらしい高級機としてのツボを押さえている。例えば、2.5mm4極のバランス駆動用出力などを活用し、ヘッドフォンをよりしっかりとドライブできる点はその一つだ。
内部にシーラス・ロジック製のDAC「CS4398」を使用するなど、構成的には第2世代のAKシリーズに近い。対応フォーマットはDSDが最大5.6MHz(176.4kHz/24bitのPCMに変換)、PCMについても384kHz/32bit(192kHz/24bitに変換)と十分だ。今のところごく限られた数の音源しかない、11.2MHzのDSD音源やMQAなど一部を除き、配信されているハイレゾ音源のほぼすべてカバーできるスペックと言える。
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