虫歯の子供は減っているそうだ。
厚労省によると、6歳の子供が虫歯をもつ割合は昭和62年から平成23年までに91%から42%まで低下した。理由は病院や保健所の指導により親の知識が増えたため。「箸やスプーンの共有はNG」といった知識は常識となった。
しかしフィリップスの調査によると、歯医者に定期的に通院しているという子供は全体の45%。通院目的のうち虫歯治療は23.9%と低い。なぜ通院しているかというとフッ素塗布や定期健診といった虫歯予防のためという回答が多かった。
親が子供の虫歯予防への意識・関心を強めている一方、子供の歯みがきはたいして上手くなっていない。歯みがきがきちんと習慣化されていないと歯肉炎の恐れもあり、子供が正しく歯をみがけているか不安を感じる親は多いという。
そこでフィリップスが15日に発表したのが、子供用電動歯ブラシ「ソニッケアー キッズ HX6321/03」。スマートフォンとBluetooth接続し、アプリで遊びながら歯のみがき方を学べるもの。想定価格は1万778円。10月上旬発売。
アプリはいかにも欧米らしい顔つきで毛深いキャラクター「スパークリー」が主人公。歯ブラシとペアリングして歯みがきをスタートさせると、スパークリーが歯のCGを使って上下・左右・裏表と、2分間かけて歯みがきを指導する。歯みがきが終わるとスパークリーを着せかえるグッズ、おやつなどのプレゼントがもらえる。午前・午後に歯みがきをしたかどうかの記録もとれる。
一定期間ちゃんと歯みがきができたら「ハンバーグが食べられる」「遊園地に行ける」など実際にあげる「ごほうび」を出すようにもアプリ内で設定できる。アプリはiOS版が2016年10月上旬、AndroidOS版が来年1月提供開始予定。
ブラッシングは子供用に「やさしいモード」「さらにやさしいモード」の2種類。子供用は大人用より振幅数が少ない。大人用の「ソニッケアー」同様、初めの14回は振動数をおさえて電動歯ブラシになじめるように設定している。
歯ブラシ本体のサイズは幅34×奥行き34×高さ232mm、重量は約135.4g(本体+ブラシ)。大人が持っても大きく重く感じるが、モニター調査では「使ってみたら問題なかった」という声があがっていたという。グリップには横起きしたときに転がらないよう段差がついている。手前のパネルには付属のシール(8種)から好きなものを貼れるようになっている。ブラシヘッドは大小2サイズ。
使用可能時間は約2週間(1日2回、2分間使った場合)。充電時間は24時間。対象年齢は4歳以上。センサーはついていない。
子供に歯のみがき方を教える歯ブラシには、今年4月にサンスターが発表した「G・U・M PLAY」がある。既存の歯ブラシにつける台座のようなデバイスで想定価格は5400円。センサーで口内を16分割認識し、歯みがきを波形データとして取得できる。やはりスマホとつながりゲームをしながら歯みがきが学べる。アプリとキャラクターは、かつてのソニー・コンピュータエンタテインメントが初代PlayStationで作っていたゲームをほうふつとさせるものだった。
思い出せば小学生のころ、同じクラスの友だちが家で電動歯ブラシを使っているのをとてもうらやましく思っていた。あのとき友だちが「ゲームもできるんだよ」と教えてきたらわたしは親に泣きついていただろう。
盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ、記者自由型。戦う人が好き。一緒にいいことしましょう。Facebookでおたより募集中。
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